前作とは方向性の違う傑作
新撰組の生き方について、丁寧に書ききった傑作。寝る間を惜しんでプレイするのは久しぶりでした。本当に素晴らしい作品です。
武士というものについての光と闇。特に今作は忠臣蔵に比べ、より深く暗い部分を書いているように思います（題材の違いによる影響も大きいでしょう）。
今作のレビューや評判が、忠臣蔵に比べて不安定になっているのは、そういう武士というものの書き方、書く方向といった部分での違いが大きいからだと思います。分かりやすく言えば、前作よりも全体的に陰鬱さを増し、暗い話になっているので。
忠臣蔵と同じようなものを求めてプレイした場合、必ずしもその需要を満たすことはできないかと……。前作ほど万人受けする作品とは思えません。
ちなみに、前作でも賛否両論別れたラストですが、それは今作にも受け継がれています。ここまでしっかり書いてきたのに急にどうした……という具合に思ってしまったりもしました。
そんな不満も少々ありますが、何はともあれ、幕末という時の流れの中、汚れ壊れながらも戦い抜いてく彼女達の姿には心底感動しました。個人的には前作を超える傑作なのではないかと思います。