天涯孤独になってしまった主人公と訳あり褐色美少女のボーイミーツガールのストーリー、面白くならないはずがない。
作者のあとがきでも触れている通り、きわめて王道的なストーリーだったと思います。
ボーイミーツガールで出会った少女を追い続ける
最後にkey的な不幸要素が襲い掛かり、気合でハッピーエンド
きわめて王道です。
あえて不満を言えば、今作のメインヒロインであるリルゥの出番が思ったより少なかったということ。
メインヒロインがエピソードごとに変わる形なのですが
(一昔前までの作品で言えば「車輪の国、向日葵の少女」でしょうか。)
その代償として、メインの出番が回ってくるまで
最初のプロローグと最後の「リルゥ編」を除いて、リルゥは蚊帳の外でした。
話の整合性をとるためとはいえ、
そっけない態度をとる主人公にはなかなかイライラさせられました。
あとせっかく全年齢版なのだから可能なら有名声優使ってくれたらうれしかったな・・・と
小原好美とか小原好美とか・・・
(あの声優、恋愛ADVのヒロイン務めたのサマポケだけなんですよね・・・
いやほんとに某桐谷譲のようにADV向けの声質してる(ADV向けの声質って何?)してると思うので
是非ご一考していただけないでしょうか。)
まあ同人ですし、限られた予算のなかで制作されたのでしょうから
文句言っても詮無きことです。
VTuberかなんかが声優やってたのかな?と最初は思ってましたが
物語の鑑賞を邪魔されるほどには棒ではありませんでした。それは大丈夫です。
なんか不満のほうを多く書いてしまいましたが、これら不満はかろうじてひねり出した不満点でして、
費用対効果を含めて極めて満足感が高いです。
分かっていても、リルゥ編はボロボロ泣きました。
年を取ると涙腺が緩むのは本当なんだと思います。
結局エロゲーって水戸黄門だと思うのです。
細かい理屈抜きにして、男が女や世界をエイヤーってやれば、それだけで楽しめる。
あとは味付けでしかない。
この味付けで優れていたのは仲間の存在だったと思います。
仲良しグループがなんの打算もなく人の恋路を応援する。
なんと尊いものでありましょうか。
リトバスの来ヶ谷ルートやぬきたしのエピローグでも感じましたが
なんかこれだけで涙腺にきます。
現実ではそうもいかないでしょう。
本作一番のファンタジーだと思います。
久々に素敵なひと夏の体験をさせていただきました。
(いやまあプレイしたのは秋まっただ中ですが。)
貴サークルの今後のご活躍をお祈りしております。
ありがとうございました。