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xianxianさんの英雄*戦姫GOLDの長文感想

ユーザー
xianxian
ゲーム
英雄*戦姫GOLD
ブランド
天狐
得点
80
参照数
1149

一言コメント

無印・英雄戦姫の新Ver。これ単体でもシナリオは完結していますが、キャラ説明の薄い等の欠点もあるので、前作をプレイしてからのほうが無難です。改良したのはわかるのですが、付け加えた分、「重い」印象になり、から回っている部分もあり、素直にグレードアップしたとはいえないのが残念です。とはいえ、キャラは可愛いですし、ゲームパートも気晴らしでやるにはそこそこ面白いです。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

1周は80時間ほどでしょうか。、2周目以降から戦闘以外のイベントは、スキップができるので、20時間ほどで遊べます。ソフマップ限定版を見て、まちがえてボードゲームでも注文してたかと、一瞬焦りました。
ちなみに、1周目で加入しないと面倒だったりするので、後半で、攻略Wikiを見て、仲間を全加入するようにしたほうがいいです。
微妙に主人公の性格が変わっているのと、物語部分で、やや説明不足になっているので、無印をプレイした上での追加作品と考えたほうがいいです。
一応、前作をやって不満点として、ネットなのであがっていた不満点をふさぐようにいじったのはわかるのですが、それがうまく総合評価につながっていないという印象です。
とはいえ、アイテムとユニットの工夫などで、コンボのように戦えるシンプルなゲームパートはそこそこ面白いので、悪い出来ではないです。
バイキングの料理を一度に食べろ的な詰め込み感が胸焼けするための不満というのが一番イメージしやすいです。
とりあえず、絶対に改善して欲しい点は、「イベント回想の設置」です。
あのキャラのあのイベントみたいなと思っても簡単に見ることが出来ず、前のイベントどんなだったか確認したいと思っても確認できないために、ふつうのイベント回想はつけて欲しいです。

前作だと、Hシーンも含めて、ヒミコがかなり出張って、主人公と精神的なつながりが強かったのですが、それがあるからこそ、ラストあたりでの盛り上がりにも一役かっていたと思うのですが、
今回は、その「特定キャラばかり出張りすぎ」という不満点を解消するためにか、均等にキャライベントを割り振ったためか、どのキャラとも「セフレ」「側室」以上の関係になれていず、ドラマ性が弱い形で欠点として出ています。
まあ、前回の観光・食べ歩きイベントよりは、個々のイベントは面白くなっているし、ボリュームもあるとは思うのですが。
このイベントアップも、キャラクターの個性強化といえばいいのですが、”萌え”強化的な、漫画みたいな特定のキャラクター個性強化となっていたりするので、前作よりパロディ化したようなイメージで、人によっては逆に魅力が減少したと感じる人もいるではないかと思われます。
もっとも、より”漫画的”といえるので、ゲームのイベントとしては悪くないとは思います。
そして、前作と変わらないのですが、イベントが、「支配したエリア」「別の特定キャラの仲間加入やイベント進行」と関係するので、
前回のイベントから、間があきすぎて、忘れたりしますし、テンポよく進行できないなどの欠点は相変わらずです。
前作より、キャラやイベントが増えたので、本当に「重い」というか、プレイしていて、どうしても疲れてしまいます。

前回のユーザーの不満で、「1周で終了せずに、周回要素が欲しい」という要望で、合成要素たしたのでしょうが、もともとのシステムが1回でプレイするタイプなのに、
無理に付け加える形になっているので、煩雑さが増しているだけかと思われます。
「ウイザーズクライマー」とかみたいな、1周が数時間で終わるタイプならいいのですが、これみたいに1周そのものが時間かかるタイプに周回要素はあまり向かないと思います。
特に、アイテムは同じものを持っていると加算されないために、合成をうまくやって、同じアイテムがかぶらないように、周回で入手していくなどが必要で、2周目以降、攻略Wikiで、アイテムとイベントをいちいちチェックしないとやっかいでした。

一度に出るキャラが多いので、イベント進行がスムーズにいかないという欠点は、エンド後もあって、エンド終了後に、キャラたちのその後も出るのですが、
1キャラ10数秒レベルでも、これが何十キャラといるので、エンド見た後に30分以上かかるという・・・。
ラスボスとの長時間戦闘の後に、この長さは正直きつかったです。
やはり、イギリス統一までとか、アジア範囲とかで、ルートやキャラを減少させる形で分割したほうがよいと思います。

ゲームシステムとしては、今回は前作より「攻撃重視」に変化している印象です。
前作は、回復ユニットや防御重視ユニットによる時間稼ぎ戦法や何度か拠点を攻撃しての”削り”戦術等が機能したのですが、今回はその辺が弱体化して、攻撃重視スタイルになっています。
これも、前作時に「攻撃に耐えるようなのはストレスがたまる。攻撃をポンポン決めて爽快感があるバランスにして欲しい」という声もあったから、そういう声への反応かもしれません。
まあ、前作と同じような戦法や戦闘ばかりだと、新作やる意味も薄いので、こういう変化はありでしょう。
カードゲームでも、ブロックで、火力重視が強い時や、ロックが強い時とかありますし。
 アイテムも前作より、マイナス要素が強いアイテムが加わり、そのマイナス要素をうまく打ち消すか、特定傾向を伸ばすかのピーキーな戦い方になっています。
そのため、アイテムがなれていないと少し使いにくい印象です。そのあたりの改善も、他の人がうまく考えているアイデアを使えるので、攻略wikiの利用がおすすめです。
自分では思いつかなかった、ユニットとアイテムの組み合わせがあったりして、参考になります。


○ギャラリー
・グラフィックス/84枠(253枚)
・ミュージック/47曲
・シーン回想/28(うち1はOP)
・トロフィー/30

○ソフマップ限定版
ケイの抱き下ろし枕カバー・ドレイク描き下ろしサイン色紙・ドラマCD「ケイのことば教室」(ケイが弁慶とユーウェインに汚い言葉を教える内容)・プレミアムブック(各キャラの戦闘データ記載)
○初回版・ガールクラッシュ・アートブック(戦闘で服が破壊された時の立ち絵イラスト・18キャラ)付属