魔王と踊れの続編ですが、主人公などは一新し、つながりのある世界ということになっています。体験版までは期待したのですが、結局駄目でした。一本道シナリオなのに3周はしないといけないという。シナリオは2より悪化。
体験版は、パズル要素あったり、「ジャンヌ」とリンクさせるなど、試みを色々してそうで、期待して買ったのですが、失敗した作品。体験版を鵜呑みにしちゃだめという教訓になった作品。
前作が、一部でそこそこ評価をもらっていたから、天狗になったか、勘違い方向に開発を走らせてしまった感じがします。
絵師さんが遅筆なのかもしれませんが、Hシーンが前作よりも少なくなるというなどの欠点もあります。邪教という設定があるのにうまく使えていません。
ゲームパートは1周目はそれなりに楽しめるのですが、2周目以降は長いので、苦痛になります。
また、ゲームパートそのものは改良を加えようとした努力は見られるのですが、シナリオとの組み合わせや全体バランスが悪いです。
もともとTRPGリプレイなどでもその傾向あったのですが、ライター&プロデューサーさんが吟遊詩人マスターとかして独りよがりになっているので、駄目駄目です。
序盤は、怪しい宗教団体が国や民を侵食し、国を追われるという感じで、面白くなりそうでしたが、派手な展開の誘惑に負けたのか、世界の破滅だ、古代装置だ、時間移動だと派手にしすぎてしまい、話のみせ方が下手です。
と中から、冒険者である主人公パーティーより、影の種族「アルカナ」に重点がうつっており、PCよりNPCの活躍路線に。
また、TRPGだと、シナリオが多少稚拙でも、自分たちが活躍してゲームをしているという「ライブ感」があるから楽しいのであって、
少し、キャラクターから離れた視点で見るPCゲームでやっちゃ駄目でしょう。主人公の発言なども唐突感が強いです。
画面の向こうにいて、自分の判断で、ゲームを辞めたり中断できるのですから、もっと没入させないと駄目です。物語として、ふつうにつまらないんですよね。
「この程度のハーレム系ラノベはいっぱいある」て反論ありそうですが、だったら、ダラダラ続けるのではなく、本一冊くらいの長さで、盛り上がりや区切りをしっかりつける必要があります。
シナリオが実質一本道で、エンドもたいして変わらないのに、ヒロイン3人攻略のために、最低3周しないといけません。
どうせなら、1周で、3人のイベント終わり、ハーレムENDで十分だったと思います。そっちのほうがアニメのようにイベント目白押しで楽しめたでしょうし。
ルートヒロインと主人公というより、パーティー全体で活躍というものをもっと意識したほうがよかったです。
あと、主人公がまずいです。騎士団の中では「奔放」という設定ですが、一般的には、かなり礼儀正しいほうで、「ロードス島戦記」のパーンみたいなキャラです。
そのため、前作の主人公のような、駄目っぽさに共感するわけでもなく、外道のように動けるわけでもなく、淡々と進行させるような形で、人間的な魅力に欠けます。
これも、ライターの「僕の考えたかっこいい主人公(NPC)」をみせられている感がバリバリにしました。
ゲームパートは、操作性も微妙で、基本的なバランスが悪いです。
セーブできる時に制限があるので、時間があるときにしかゲームできず、ちょっとでも進めるかと手軽にできません。
ゲーム性とシナリオをどうにかバランスとっているとはいえ、
「レベル制」と「スキル制」「クラス制」を組合そうと色気出すまえに、単純なレベル制だけでエロやシナリオとのバランスをとれるかをまず工夫したほうがいいです。
最初は楽しく感じましたが、周回でのクラスやスキルが半リセットをくらうので、周回する楽しみがあまりないんですよね。
スキルがクラス由来だったりするので、別クラスにするととれないものも出てきますし。「新たな要素」としてがんばった「クラス」が邪魔です。
アイテムもあまり大量にもてないという欠点は前作から引っ張っています。
しかも、前作では、シナリオ展開に関係なく、アイテム購入や販売はできたため、邪魔なら売るとか、買うができましたが、今回はできず、お金に換えたいけど、換えることができないという不満がでます。
これ自体は、前作で「世界の危機があっても、道具屋で普通に売り買いできるのなw」みたいなこと書いていたユーザーがいたので、それに対しての工夫かもしれませんが。
これ、TRPGでもありますが、「逃亡シナリオ」でプレイヤーの売買に制限を加えるのは危険ということをわかってないのでしょうか。
TRPGなら、機械的な処理がなく、プレイヤーが欲しいアイテムあったら、アドリブで出したり、邪魔なアイテムは出さないなどのコントロールをその場で出来ますが、CRPGはそこまでコントロールできないので、バランスとるのがうまくないなら、やらないほうがいいです。
今作は、主人公たちが、逃亡するというシナリオの都合にあわせて、そのての「ゲームパート制限」を受けるために、プレイヤーがゲームから一方的なストレスを受ける面が強くなっています。
TRPGでは、ストレスをかけるシナリオは、プレイヤーがつまらない顔や不満をためていないか確認しながら展開させ、状況にあわせて対応することが重要とされています。
CRPGはそれができないのだから、吟遊詩人シナリオで一方的なゲーム展開はわりとNGです。
「ドラゴンクエスト」は「世界の危機」状態なんだから、アイテムを頻繁に買えたりするのはおかしい、貨幣の信用低下しているはずだから、簡単には換金できないようにしようとしたら、ゲームの魅力やバランスはガクッとさがるでしょう。
難しくしたり、複雑にすれば、ゲームは面白くなると勘違いしているとしか思えないデザインです。
ライターさんとゲーム責任者が同じだからかもしれませんが、「ゲームデザインのセンスにかける」「シナリオ先、ゲーム性後の、総合バランスの悪さ」が目立ちました。
音楽は、挿入歌もあり、主題歌は霜月さんなので、いい感じです。
・ギャラリー鑑賞70枠(差分有り)
・シーン鑑賞15(クリン3、マリー3、ファータ3、王妃ユーリア3、その他3)
・Music鑑賞・29曲(OP.EDはshort.ver)