SLGは原則としてちっぱいだと思うのです
攻略対象は、作中のテキストや前作『LOあんぐる!!』登場キャラクターとの関係性から、稟と美久が某6年、乃々とこぎりが某5年、だと思われる。表現が色々と面倒な世の中になりつつあるのかもしれないが、このような作品をリリースして下さったこと自体には心から敬意を表したい。
しかし、非常に残念だったのが、どのキャラクターも前作に引き続き、グラフィックでかなり胸があったことである。公式でも「SLG(セミリトルガール)=お赤飯前の少女」ということは言っているわけで、そうなるとSLGは原則として胸が小さく、例外的に大きい娘がたまにいる(=ロリ巨乳)というのが普通のような気がする。
この作品では、主人公がステージ衣装を作るためにヒロインたちの胸囲を測るシーンがある。稟のバストは76㎝、乃々は79㎝、こぎりは67㎝くらい、美久は海に出かけたときに、主人公が71㎝くらいと予想している。他のブランドのゲームの公式設定などと比較しても、稟と乃々は明らかに年齢にしては大き目という印象。こぎりと美久も小さいとは言えない。
数字はブランドによってはかなり適当なので参考程度にみるとしても、CGだと稟と乃々は明らかに大きく感じる。主人公が稟に対して胸が「ぺったんこ」というシーンがあるが、Hシーンで鷲掴みにされるくらいの大きさがある。乃々に至っては完全に「巨乳」の域で、顔とのバランスが不自然に思えるくらい大きなものもあった。こぎりは「AAAでもカップが余るくらい」らしいが、主人公に後ろから乳房全体を摘ままれているCGがあって、とてもそのようなサイズには見えない。
別に、ロリゲーではないゲームで胸があるのは全くもって良いと思うし、私が他作品で気に入っているキャラの中には巨乳キャラも複数いる。無論、ロリゲーに胸があるキャラが混じっていること自体も構わないが、SLGゲーだというのであれば、全体的にもっと小さい胸が良かった。『ものべの』や『サンタフル☆サマー』は商業だが妥協無しのつるぺた表現があるので、どうしてもそれと比較してしまう。
ハムハムソフト自身がおっぱいのあるロリ路線で行こうと思っているならそれはそれでいいことだけれど、創作は自由であってほしいので、ゲーム業界全体で「ロリキャラを登場させる免罪符としてちっぱいにしない」というような風潮が出てくるのは勘弁してほしいなと思った。私個人としては、ハムハムソフトがこの路線を継承するなら今後は少し様子見にするかもしれない。
プレイ時間は、1週目が3時間で、全体で約10時間だった。ただ、ある程度の時間を美久ルート解放の方法探しと、対話システムでのシチュエーション回収にあてていたので、実質的にはもう少し短い。『LOアあんぐる!!』と同様、ほぼフルプライス価格の作品の分量よりは少なめだと感じた。
日記を読む形式で、シナリオにはそれほど期待できないとしても比較的テンポが良く、ダレないところは工夫されていて良かった。美久シナリオだけ、多少(?)シリアスというか、感動の方向にもっていこうとしたのかもしれないと思った。
美久シナリオは、どうやら最初はロックがかかっているらしい。試行錯誤したが、私は結局他の3人をクリアした後にしか入ることができなかった。まだ攻略情報が無かったので何とも言えないけれども、3人を攻略すると7月22日に「運命の出会い」というイベントが追加され、そこから8月18日「海水浴」、8月27日「夏休みの登校日」と読んでいくと美久シナリオに入れた。
CGは、前作が差分を考慮しない基本の絵で77枚だったのに対し、本作はヒロインが減ったにも関わらず基本の絵が128枚と増。CGを数枚取れていないのでシーンも落としている可能性が一応はあるが、Hシーン数は稟・乃々・こぎりが10、美久が8と、こちらも前回からやや増加している。うち、1つが稟・美久との3P、1つが乃々・こぎりとの3Pだった。
Hシーンは相変わらずやや単調で、「抜き」としてもやや弱いか。『LOあんぐる!!』と同じく、あまり背徳感や無垢性が感じられなかったのが残念だった。対話システムなどは複雑で、全てのHCGの差分を集めようと思ったらおそらく相当根気がいる。対話システムも、自分が全部の要素を集めきっているかどうかが分からないのが難点である。
作品の方向性からすると、分岐やHCGの回収が難しいという過度なゲーム要素は疑問に感じた。
全体的に、前作で不満だった点があまり解消されずに残ってしまっていた気がした。ロリおっぱい(やや大き目)が好きな人には良いのかもしれない。