散りばめられたギャグが笑える。ストーリーもなかなかのもの。
全体的に明るい作風。非常テンポよくストーリーが展開され飽きないし、ギャグ要素も満載。特に、主人公とツキとのかけあいは見事だとおもう。この作品は、お嬢様ゲーゆえ、最初は多くのヒロインが主人公や周りの人間のことを（程度の差はあれ）下に見ている節がうかがえる。そして何故かメイドのツキにまで見下されることに（苦笑）。そこから、少しずつ主人公とヒロインの距離が縮まり、恋愛をしながら精神的に対等な関係になっていく様の描写が本作の大きな魅力。
ただ、この作品だけでは回収しきれていない伏線が多すぎる。後続の作品群で補われているのでこの作品については一切減点していないが、この作品だけみるとどのルートも尻切れとんぼな感はぬぐいきれない。どうなったか気になる人は、プリンシパル達の休日→罪深き終末論、とプレイしないとよく判らないまま終わることになるだろう。実際、私もこの作品のプレイ終了時は「？？？」だった。
庶民の私としては、大金持ちのキャラクター達の行動、言動に若干イライラしたりもした。例えば、1回の食事がまずかったから使用人クビとか幾らなんでもやりすぎでしょ…っていう感じで。
ただ、ヒロインについてはそこまでではない娘が多く、総じて好印象だった。ツキルートでデレたツキは本当に可愛い。メイドキャラというと主人公が主、メイドが従で、それが結ばれるというゲームが多いとおもうが、ツキは完全に主人公のことを下に見ていた（苦笑）。ツキルートは、メイドさんとの恋愛としてはやや変わった描かれ方をしているように感じる。麗華お嬢様は冒頭から態度がでかいので、意外なマゾっぷりが好印象。ボディーガードがプリンシパルを責めるという背徳感は良かった。
それほどプレイ時間も喰わないし（価格の割には短いという見方もできるが）、プレイして損は無いかとおもう。