真エンディングが肩透かし
クトゥルフ物・百合物・オカルトサスペンス物として大変面白い作品。
物語は明確に前編と後編に分かれており、前編はよくあるクトゥルフ系サスペンス、後編は同じラヴクラフト物でもどちらかといえばドリームランド系の幻想的な雰囲気になっている。
ボイスやイベントCGといった類のものはなくとも、、ノベルとしての質は非常に高いためすぐに気にならなくなる。主人公4人は魅力的で心理描写がしっかりしており、普通なら「何故そんなことをする」と思うような行動でもそれまで心理描写のおかげで納得できる。ストーリーそのものもクトゥルフ物としてもオカルトサスペンスとしても大変秀でている。
……が、最後だけは完全に肩透かしと言わざるを得ない。真エンドは唐突かつ描写不足で色々と台無し。というかこれを真エンドとは思わなかった。締りが悪いし、魅栖華編・昴編に続いて絶対に風美編があると思ったらそんなものはなかった。真エンド以外が100点満点なのに対して真エンドだけは40点がいいところ。そこら辺の打ち切り作品ですらもうちょっとマシなのではと思うレベル。
それまでが面白かった分、非常に残念だとしか言いようがない。
いつかなんらかの形で完結させて欲しい。