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wotnさんのティアーズ・トゥ・ティアラII 覇王の末裔の長文感想

ユーザー
wotn
ゲーム
ティアーズ・トゥ・ティアラII 覇王の末裔
ブランド
AQUAPLUS
得点
55
参照数
3228

一言コメント

シナリオは微妙、SRPGとしては駄作すれすれ

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

シナリオは(とくに前作と比べると)かなり微妙。主人公が完全に痛い厨二仕様(それと中の人の息継ぎがかなり気になる)で展開が陳腐。設定は前作のを引き継いでいるため良さげだがところどころ違和感があったりと、やっぱり微妙。

6章では少しだけ盛り上がったがその前後はぐだぐだするし、クライマックスである帝都への侵攻もかなり酷い(つかあんな場面で下水道マップが出てくるとは思わなかった)。一部のキャラは影が薄いというか完全に空気で、ゴリアテあたりは存在意義がまるでない。

(前作からあった設定だが)日本の作品によくある宗教=悪という図式に従い、神聖教団をただの怪しいカルトとして片付けたのではなく、アブラクサスによって歪められた紛い物として描写したのも結構いいと思ったが、前作との繋がりを薄くしたかったっためか、レクトールがそれにどう関係したかが描かれていないのは玉に瑕。

ラスボス&一応黒幕であるメタトロニウスが何だったのかも説明がない(レクトールの置き土産だと勝手に解釈したが)。というかこんな一大事に一体なにをしているんだアロウン様は。

SRPGとしては駄作すれすれ。てかバランスは完全に崩壊している。古いスパロボとか魔装機神が大好きな私でもバランスを酷いとしか言い表せない。ウィンキーソフト以下。だが難易度変更と巻き戻り機能があるため、かろうじて遊べる(巻き戻り前提といえなくもないが)。

個人的には、SRPGとしてはPS3版TTTよりは断然にいいが、なんだかんだでなんちゃってRTSの初代PC版が一番良かった。

ちなみに前作同様、飛び道具は壁を通過する。ただ敵のほうに超射程攻撃を持っている敵が少ない(超範囲となると話は別だが)、そもそも遮蔽物が少ない、という理由で前作みたいにゴーレムのビームに一方的になぶり殺しにされることはない。

巻き戻り機能でRNGのシードが固定なのがウザい極まりない。

なお、難易度はイージーでも、フリーバトルでレベル上げをしないと味方をやられずにストーリーマップをクリアするのはかなり難しい(ごく一部のマップを除けば、クリア自体は難しくない)。