ヒロインよ、これがみちるだ
まず最初に、三部作モノをきちんと完結させたこと自体を評価したい。
前作までと変わらないクオリティで提供された本作品は、ともすればマンネリと取られがちかもしれないが、
一貫したキャラの掛け合いや薀蓄の引き出しなどに、ユーザーを飽きさせないで読ませる努力が伺える意欲作である。
雄二の過去、一姫の過去、ヒロインズの過去・・・複線回収と内容補完に走りすぎた感は否めないものの、
此方に入ってくるものは常に新しい情報であり、新しい展開であったことが評価点。
使い古された手法でも物語は作れるが、新鮮味がなければ物語は進展しないのだ。
さて、総評。
ご都合主義が受け入れられないという意見もあるが、風呂敷を畳むにはあれが妥当な着地点だろう。
個人的には、コピーユウジ→オスロの流れまでは良かったのに、
どこぞの四天王よろしく「ククク・・・お前が倒したオスロは一番の小物・・・」みたいなカンジで登場した黒幕チックなやつが、
敵に命乞いした挙句殺されるというみっともない展開だけはいただけない。
都合良くラスボスを排除してハッピーエンドにしたかったんだろうけど、蛇足というものはどこにでも存在するわけで。
そして、今回もみちる節が爆発、劣化してないようでなにより。
シナリオ上では大した成果もあげず、トラックから放り出されたり吐きまくったりで、どう見てもムードメーカー以外の価値がない。
それでも雄二の送迎の時も身篭る時も一番を掻っ攫うという、ある意味一番オイシイポジョンにいるこの子。
バカで無能で役立たずな子が最もヒロイン力がある、そんなギャップがたまらない。
ともあれ、無事に終わったようでなにより。
次回作も楽しみに待っていよう。