要点を押さえていない
・シナリオ
ストーリー性はほとんど皆無と言っていい。特に今回は、侵略型ではなく防衛一本のゲームだというのも、それを決定づける一つの要因となっているのだろう。自ら動かないというのは、つまり偶発的な外からの刺激によってしか変化は得られないからだ。
ヒロインの中にポツンと獣人がいたり、魔法使いがいたり、竜がいたり、魔獣がいたり、世界観がよく分からん。それらはたいへんファンタジックだが、シナリオはただただ現実的であり、夢見るおとぎ話の要素など無いのだ。たとえば「竜騎兵だけで構成された国が攻めてきた!」や、「魔法の国が相手だ!(この戦闘は一定ターン毎に敵軍の大魔法による全体攻撃があります)」なども無い。だって敵は一国しか無いのだから。
ただ淡々と防衛して、契約期間が切れたら終わり。敵も本気で攻めてないし、こっちも攻められたくないからほどほどに撃退しよう。……なんだこれ?
・キャラ/声
大きな不満は無い。特筆すべきところも無い。キャラ毎に多少の小話はあるものの、全体的にペラい。でもミルカッセがちょっと可愛かった。
声優は有名どころも多く、コメントの必要は無いだろう。ゆかりがデレデレ。
・音楽・絵
立ち絵が色々動いてくれるともっと良くなるんだけどなぁ。
・エロ
全然駄目。
ゲーム開始前に経験済みのキャラが多い(開始時点の隊長全て)。ほのぼのレイプは一体どこへ行ったんだろうか。ここへきてこの分野でも迷走? 作中作なんかいらないからヒロインのをもっと濃くした方が……。
・システム
基本はOK。ゲーム関連は次項で。
・ゲームシステム
いつものキャラ通り周回前提。とりあえずエロ無し(休暇コマンド無し)で数周してレベル上げ。エロゲをやっていることを忘れる。
レベルが上がりづらいので、兵種選択ミスると後々面倒。敵が強く、レベリングでいつも以上に周回数が多く必要なので、ゲームスピードが最速でも遅いと感じた。強制ADVパートも邪魔……あれ? そういえばエロゲだっけ。
最終モードを楽に周回できるようになるまでは、資金を得るために交流会を開きまくらないといけないので面倒。
忍流や巣作りなどで防衛のノウハウはいくらかあるのだから、もう少しなんとかならなかったのかなぁ。たとえばヒロインの中に開発担当が二人もいるのだから、門を増設・改造して砲台などの支援攻撃ができたりとか。現状だと設置物は全てそれがあるエリア内にしか効果がなく、空気の施設が非常に多い。
敵ヒロインはネームドで出てくるのに、こちらのは全く戦闘に絡まないのが不満ではあった。
全体的には悪く無いのだろうが、とにかく面倒でつまらないのである。
・感想
なんかパワーダウンを否定できないなぁ、と。悪くは無いんだけど、それ以上に良く無い……というのが素直な感想か。
防衛ゲーは好きなのだが、冒頭で書いたようにシナリオには絡めづらい。その点をどう克服するかというのにも注目していたのだが、見事にどうもしてくれなかった。
SLGもできるエロゲではなく、多少のエロもあるSLG。まぁ全てのゲーム性有りエロゲの中では、面白い方なんじゃないかな。