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whipさんの虜ノ歪 ~音大卒の元歌姫が響かせる淫らな啼き声~の長文感想

ユーザー
whip
ゲーム
虜ノ歪 ~音大卒の元歌姫が響かせる淫らな啼き声~
ブランド
Guilty
得点
87
参照数
4712

一言コメント

安定のシリーズ四作目。前回で微妙だった部分をすぐに修正してきたのはさすが。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 前作『虜ノ雫』は今までのシリーズとは違ったことに取り組んでみた作品だったが、そこからのトライ&エラーが機能しているなと感じた。フィードバックがちゃんと届いているようで安心した。
 雫→歪での改善点は、

・雫でのややこしかった選択肢をシンプルにした。
 →抜きゲで面倒な選択肢は手間しか感じないのでありがたい。
・雫ではほぼ初対面だったヒロインたちを全員顔見知りにし、関係性を強化した。
 →関係性があるからこそ無理矢理感がある脅迫にも多少の説得力が生まれる。ヒロインたちとの絆があってこそ堕ちる描写も映える。
・体験版に処女喪失シーンをあまり入れず温存した。
 →ぶっちゃけここが一番楽しみなので。雫は体験版に処女喪失シーンがほとんど入っていたため本編の楽しみが目減りしていた。
・詩音の処女喪失が2パターンあった。→やったぜ。
・処女喪失後に浴室でヒロインが凹んでいるシーンがちゃんと用意されていた。→大好き。
・陵辱による疲労描写に前作よりリアリティがあった。
 →雫は二週間という期限があったためか、さすがに体力的に無理があるなと感じた。今回は犯された翌日は昼まで目が覚めなかったり、バーの勤務時間に間に合わなくなっていたりと、きっちり日常が侵蝕されている感じがあった。


 こうして見ると『虜ノ雫』でトライしたところが大体ダメで結局以前の様式美に戻っただけのような気もするけど、何もトライをしないシリーズはひたすらマンネリになるだけなのでそれもまた仕方なし。
 トライと言えば、今作は過去シリーズと比べてヒロインたちの年齢層が上がっている。なんと5人中3人、虜シリーズ初の過半数が20代という異常事態。そんなー(絶望)
 前情報の時点でわりと血の涙を流してたんだけど20代の3人も普通にクオリティは高かった。そんなわけで普通に使えました。ごちそうさまです。これが全員JKだったらなおさらおいしかったのは言うまでもないので、結局残念だなという気持ちはどうしても残るんだけど。
 次回はそろそろ女学院舞台に回帰してほしいっす。いやマジで。シリーズを追うごとに20代の割合が増えてきてるってそれなんて悪夢ですか。ほんと頼みますよguiltyさん。

 処女厨の妄言はこのへんにして、雫→歪の改善点以外でよかったと感じた部分や微妙だと感じた部分。


<ナイス>
・輪姦ルートの男たちの人数が増えた。
 →前々作は2人、前作は3人だったのが今作はデフォで5~6人。さらに可変式で増えたり減ったりする。やったぜ。そもそも以前までの2人や3人という縛りを設けていたこと自体が無駄だったんだなと今さら気づかされた。上限も下限も自由自在にできる設定にした方がそりゃいいよね。ルート最後に20人超の大輪姦があったのも◎
・本番前の弄ぶ感覚がグッド。
 →これはシーンによる。恭子を拘束して処女喪失前に恐怖をあおるところとか本当に大好き。逆に椅子に拘束された詩音のところなんかはもっとじっくり嬲ってほしかった。力の入った前戯や導入描写は場合によっては本番行為より抜けるので出来るだけきっちり描写してほしい。
・ゲーム画面からワンクリックでヒロインの服を脱がせられるようになった。
 →ずっとやってほしいと思ってました(告白)。ただ、オートスキップの表示と同じく消せるようにもしてほしかった。素晴らしい改変だけどあと一息の気配りが足りない。どうしてそこで諦めるんだそこでそこで!
・股縄・クスコなどのこのシリーズにしてはマニアックなプレイがあった。
 →賛否分かれるだろうけど個人的にはグッド。単純なシチュオンリーだとやっぱり飽きちゃうし、ワンポイントでこういうのを入れてくれるとテンションの波が持続しやすい。

<うーん・・・>
・CGの使い回しが気になる。
 →一番微妙だったのはこれ。前作と比べてCG枚数やシーン数が減ってるわけじゃなく、使い回した箇所のテキストのぶんだけむしろボリュームは増えてるはずなんだけど、なぜかプレイしてて損をした気分になった。単純に「よっしゃ、今からエロシーンだぜパンツ脱いだ!」となっているところに見覚えのあるCGが出てきたら萎えるよねって話。使い回しの絵ではりきって抜こうとする人間はやっぱ少ないんじゃないだろうか。
・詩音と外池が付き合っていると勘違いされる展開。
 →読み物としては面白かった。ただしシリーズ特有の日常を侵蝕する陰鬱さが薄れた感じがしてちょっと残念だった。とはいえ続きが気になったのも確かなので、トータルでみるとよかったか悪かったのか判断に困る。
・恭子さん強すぎ問題
 →シリーズ史上最強メンタル。気の強いヒロインは大好物なんだけどまさか最後の最後まで堕ちないとは・・・。強気との落差を切実に見たかった。
・期間限定パッチ
 →法・・・案・・・? ロープラ同人ゲーみたいなバックグラウンドを持ち出されて正直だいぶ混乱した。おまけパッチにおまけ以上のものは求めてないんだけど、もうちょっとこう・・・。
・認証回数
 →いつもの。5回になりませんかせめて。


 総評としてはいつもの虜シリーズ。シナリオ、キャラ、CG、ボイスのどれをとっても高い水準でまとまっている。
 他と比べて果音の原画が若干、恭子の原画が一段くらい落ちる印象はあったけど、そのへんはキャラの魅力で補っていた感じ。二人ともかわいい。恭子の原画家さんは顔のサイズが大きくなるとすごいのっぺりするのが残念。可愛い絵も多かっただけに。
 詩音・梨那はシリーズのメイン絵師なだけあってどちらも安定。大好き!とまではならなかったど、こういうキャラが脇を固めてるとやはり安心感がある。
 奈実はもう存在自体がエロい。一人だけ放ってるエロオーラが違う。そんなエロい体しててよく日常生活送れてるなというレベルのエロさ。このキャラ目当てで買った人も多そう。

 ・・・二十代過半数で不安もあったけど、結局はいつも通り楽しませてもらいました。
 次のシリーズも買います。