老舗メーカーの安定陵辱もの。潤と乃々果が思いのほかよかった（購入前は他三人目当てだったので・・・）。「豪華客船で陵辱」という舞台設定から期待していたシチュは早期購入特典パッチに集中していた印象。
「虜ノ」シリーズ第三弾。（契から含めると第四弾なのか？よくわからぬ）
とりあえずこのご時世に高クオリティのフルプライス陵辱シリーズが続いていることに感謝の正拳突き千本を捧げたい。シリーズと言っても各作品ごとに繋がりはないので、毎度新鮮な気持ちでプレイさせてもらっている。今後もぜひぜひ続いてほしいものだ。
シリーズの歴史を少し振り返る。
旋律→鎖では「二つのルートでプレイの傾向をはっきりと変える」という革新的な変更がなされ、これによって虜ノシリーズの概要はほぼ完成したと言っていいだろう。プレイの傾向とはすなわち、一人の男がヒロインを犯す単独陵辱ルートと、複数の男がヒロインを取り囲む輪姦ルートである。
このプレイ傾向の分断は本作「虜ノ雫」にも受け継がれ、雫ではさらに一歩進んで、ヒロインごとに細かくテーマを決めて陵辱を行っている模様。この取り決めによるメリットは・・・・・・なんだ？ でもメリットがあるからやるのだよなあ。この子はお尻担当でこの子はＭ属性担当とか、他のエロゲでもよくやってるし。
一本のゲームという大きなくくりで見た場合、ヒロインごとにＨシーンの傾向を細分化するメリットはおおいに理解できる。俯瞰したときに似たようなシチュやシーンが減るので、全ルートをプレイした際のメリハリが出るのだ。
しかしこのやり方にはデメリットもある。お気に入りのヒロインがあまり好みじゃないシチュの担当になった場合だ。抜きゲはどんなにキャラがよくてもシチュがズレていれば抜けないものなので、キャラクターが好みであればあるだけ、「なんで一番可愛いあの子が○○シチュ担当なんだよ！」という不幸な事態が発生する羽目になる。
ようするにヒロインごとにシチュエーションを細分化するという今回のやり方は（エロゲにおいては定番であるにもかかわらず）、多分に諸刃の剣的な要素を含んだ手法なのだ。
どのヒロインがどんなシチュの担当なのかは公式サイトに書いているので、よく確認してから購入しましょう。
まとめると旋律→鎖の変更は革新的と言ってよかったが、鎖→雫の変更はそんなでもない。やはりこのシリーズの形式は、前作の鎖で完成していたということだろう。そこで思考停止せずに一歩先に進もうとする姿勢は非常に好ましいので、次回はどんな工夫を施してくるのかと期待したいところだ。
余談だけど単独陵辱or輪姦のルート分岐は独占好きに配慮した結果なのかと思っていたが、今回は単独陵辱ルートでも複数の男に囲まれるシチュがかなり多い。手を出す男はあくまでも一人とはいえ、外野がスマホをパシャパシャしまくっている。撮影シチュは個人的には大好物なのだが、独占厨・・・もとい独占に強いこだわりを持つ人的にはアウトかもしれない。
そもそもこのシリーズを買う時点で輪姦ＯＫだよねーという話だろうか。まあそりゃそうだわな。ゲームの半分以上が拒絶反応出るシチュなのにフルプラを購入する勇者はおらんだろうし。鎖までは単独ルートの独占にそれなりに気を遣っていた感じだったが、今回はおおいに吹っ切れた感がある。そこまでやるならもうこっちのルートでも輪姦しちゃえよ！と思わなくもない。
・・・前置き終了。長いな前置き。
そしてここからさらに長い。気になった項目ごとにつらつらと語っていく。
☆「豪華客船」という舞台
旋律でも鎖でも学園が舞台だったが三作続けてはさすがに飽きると思ったのか、今回の陵辱場所は豪華客船だ。
これは非常によく考えられている。海に囲まれた閉鎖空間というわくわくする響きも素晴らしいが、一番大事なのはヒロインの着るセーラー服である。学園モノで一番大切な要素は何か？エロゲで俺たちがＪＫやＪＣに求めてやまないものは？
もちろん制服だ（断言）
いくら設定上ＪＫやＪＣであっても、制服を着ていなければ意味がないのだ。制服姿のヒロインを犯すことこそ、陵辱モノ（非熟女）をプレイする至上目的の一つと言っていいだろう。
三作連続で学園が舞台では飽きる、しかしヒロインには制服を着せたい、じゃあ制服が自然に着せられる場所はどこだ？ 豪華客船での客室アルバイトなら、問題なくセーラー服を着せられるじゃないか！
天才か。ほぼ最適解と言っていい。老舗ブランドの底力恐るべし。
さらに豪華客船が舞台ならディーラーや天才バイオリニストやアイドルというおいしい要素もごくごく自然に配置できるという、一石二鳥どころか四鳥五鳥はくだらない作戦である。
舞台設定には99点をつけたい。よくぞこの設定にたどり着いたものだと本当に感心した。
☆それでもやはり、学園がよかった
・・・が、最終的な自分の結論はこっち。上で褒めたの全部台無しじゃねえか！ その通りである。
いや、豪華客船自体はいいのだ。「学園を除く」舞台設定で考えた場合、おそらくはベストに近い解答だったと思う。しかしベストオブベストはやはり学園だった。豪華客船が99点なら、100点はどうしても学園になってしまう。
これは実際にプレイしてみなければわからなかった部分だと思うので、豪華客船に挑戦した価値はおおいにあった。三作連続学園が飽きるのもたぶん事実だし、新鮮味を考慮すれば変えたこと自体はベターな選択だ。
変えてみた、なかなかよかった、だけど次は学園に戻ってほしい。ただそれだけの話なのだ。
では豪華客船のマイナスポイントは何か？ 一番気になったのは以下の点である。
☆「仕事をする」という都合上生まれる微妙なリアリティの欠如
このシリーズのヒロインは陵辱される。当たり前である。気絶するまで犯し抜かれるのもよくある話だ。しかしぶっ倒れるまで犯された翌日、アルバイトに従事しているヒロインたちはくたくたになりながらも仕事をこなしているのである。ＮＯ！体が持つわけがないよ！
これが学園ならばどうか。授業中寝ればいいだけの話だ。教室でぐったりと体を休めて、放課後になればまた犯されて以下ループ。全然ＯＫ。脳内補完できる範囲。だけどアルバイトはきつい。しんどい。常人なら初日でぶっ倒れてギブアップだろう。か弱い女の子ならなおさらである。
プレイ中はずっとそんなことが気にかかっていた。クルージングが20日間という期限付きなのも、ヒロインたちのハードスケジュールに拍車をかける。そんなこと気にする奴他にいねえだろとも思ったが、気になってしまったのだから仕方がない。陵辱と休息の黄金比的に、学園ほど都合がいい舞台はやはり存在しないように思える。
☆細かい描写の話
舞台設定の話は上で一区切りとして、ここからは他に気になった部分の話。
本作はなんというか、陵辱ゲーの老舗にしては「微妙にわかってない」部分がちらほら見受けられた。姑が窓枠の埃を指で擦るような本当に細かい粗探し的な話なのだが、そういった細部の描写にこそ、抜けるか抜けないかが大きく左右されるように思う。
たとえば本作では同じＣＧを使って少しずつシチュが過激になっていくいわゆる「使い回し」的なシーンがごく少量だけ存在する。最初のシーンではスカートと上着をたくし上げて下着を晒し、二番目のシーンでは下着まで脱いで、三番目のシーンではバイブを入れられて・・・という具合だ。
使い回しかどうか自体は別にどうでもよく、問題は二番目のシーンにおいて「下着を脱いで恥ずかしがる描写」がカットされており、いきなり脱いだところから始まっている点である。ちょっと待って何考えてんの？その数行のやりとりがあるだけで興奮度がどれだけ違ってくるかちゃんとわかってる？オイオイ勘弁してよマジ素人じゃないんだからさー。
こういうことが、ちらほらある。
他にも目隠しをして「ち○ぽ当てゲームやろうぜ！」と言っていたのに結局最後までヒロインが「わかんないよぉ」としか言わなかったり（そこはきっちり「誰々のおち○ぽです」と答えさせて間違えさせなきゃ意味ないよね？）、クンニのシーンで野郎の後頭部が邪魔だったり（透明にするなり舌だけ描くなりでええやん？）、メインヒロインの美帆になぜか本編中で三穴責めがなかったり（は？）、美帆が処女喪失したあと風呂場で泣きながら精液を洗い流そうとするシーンがなかったり（ここは単に自分の好み）・・・などなど、旧シリーズでは引っかからなかったようなところで、けっこう細かくつまずかされた。
特に美帆の三穴責めが本編中にないのはバグレベル。大輪姦はあるのに穴が全部埋まってるシーンがないとかマジかよ。山ほど輪姦ゲー作ってきたメーカーがこんなことあり得るのかとびっくりした。輪姦ルートの野郎を三人用意したのは何のためなんだ・・・。次回はしっかりしてほしいものだ。
☆分岐がめんどい
ゲーム部分の話。シンプルだった前作までと比べて急にややこしくなった。「こういう順番で攻略したいな～」と思っても希望通りにはまず進めない。やり応えがあると感じる人もいるだろうしここは好みかなー。自分は抜きに集中しにくくてめんどかった。サクサク行きたい人は攻略サイトを見ながら進めましょう。
☆メインヒロイン←他全部のヒロインという構図を崩した
ここは従来の虜ノシリーズと大きく異なる部分。旋律と鎖では他のヒロインたちがメインヒロインのことが大好き＆超大切で、罠に堕ちたメインヒロインを庇うために他のヒロインのルートへ、という展開が鉄板だった。
今回はゲーム開始時にメインヒロインの美帆と親交があるのは潤だけなので、この形式は潤にしか使えない。ナディアと咲希は美帆を「付き合った期間は短いけれどなぜかとても気にかかる存在」という立ち位置に置いていたが、やはり過去作と比べると説得力に欠ける感じは否めなかった。そのぶん親友である潤ルートが際立つ構成になっていたとも取れるため、一概にどちらがいいとも言いにくいかもしれない。
個人的には潤以外にももう一人くらいは、旧知の仲がいてもよかったかもなーという印象。大切な存在を庇うために自分の体を差し出す展開はやはりおいしいので、もっといっぱい食べたかったです。
☆美帆が超可愛い
いやほんとに。虜ノシリーズ伝統の黒髪ロングメインヒロインから初めて外れた形だが、歴代メインヒロインの中でもダントツで好みだった。ぽわぽわしてて気弱そうながらも芯が強くて体がエロくて声も最高である。前作の結衣に引き続き素晴らしいキャラデザですさいもん先生本当にありがとうございました。
このシリーズはメインヒロイン=シーン数が他のヒロインの倍ということなので、メインヒロインを気に入るとはどういうことかというと、約束された神ゲー勝ったなガハハということだ。購入の決め手はほとんど美帆だった。
☆美帆ルートがやや駆け足気味
・・・と思ったら実際のシーン数は体感1.5倍くらいだった。うーむー・・・。これは本作の構成が原因かと思われる。
前作・虜ノ鎖までは序盤の分岐で単独ルートor輪姦ルートがすぐに決定し、そこから先はメインヒロインがひたすら同じ連中に嬲られていくわけだが、今作は美帆のルート決定がかなり遅かった。
染谷（単独ルート担当）と戸澤（輪姦ルート担当）に同時進行で嬲られ、数度の選択肢ののちルートが決定する。この「同時進行で嬲られる」部分にけっこうな尺を使ってしまっているため、いざルートに入ってからのシーン数が他のヒロインより少ないというあべこべな事態が発生してしまっているのだ。
つまり美帆のルートが一方に確定→よっしゃここからじっくりたっぷり嬲ってやるぜうへへへへ→あれ、思ってたよりじっくりたっぷり嬲れなかったよ？あれれ？ というわけである。
2ルートぶんのシーンがあるのでシーン数自体は他のヒロインよりも多いのだが、ルート決定以降のシーンが少ないため、堕とす過程が他のヒロインより駆け足なのである。メインヒロインなのに。
これは普通に悲しかった。というかプロットの失敗だと思う。
また、「処女」に異常なほどのこだわりを見せる本作において、「メインヒロインは処女喪失が二通りある」というお約束が崩されたのも問題ではなかろうか。なんで美帆ちゃんの処女喪失シーンは一パターンしかないの！単独と輪姦、ちゃんと二パターン用意しておくれよ！
気持ち悪い処女厨でほんとすいません。
☆期間限定パッチ
前作のパッチにはやたらと文句を言った記憶があるが、今作のパッチはなかなか出来がいい。
というか期待していたシチュの大半が、本編よりもこっちの方に入っていた気がする。
たとえば「豪華客船でＶＩＰたちの玩具になる」だったり、「バイト先の先輩や先生たち顔見知りに輪姦される」だったり、「枕営業を断ったはずのプロデューサーたちに犯される」だったり、「親友の美帆と潤が同時に犯される」だったり・・・。
いやいや本編に入れてくれよ。出来がいいとはいえパッチは前振りが超適当な上にシーンも駆け足気味だからどうしても本編に比べてシーンのクオリティが落ちるんだって。
まあ言っても仕方ないんだろうなあ。あちらさんも商売だしね。
ヒロインたちが複数同時に犯されてるシーンはパッチにしか存在しないので、気になる人は買っときましょう。パッチの期限は8月25日までですよ（宣伝）
☆総評
前作と比べて革新的な進歩こそなかったものの安定した出来であることには変わりない良作抜きゲ。上記に挙げた細かい部分がけっこう気になったので、鎖に比べると評価は落ちるかなーという感じ。
というか鎖の結衣が俺の好みにクリティカルすぎた。たぶんここ数年で一番好きなエロゲヒロイン。シーンの台詞を暗記するレベルで抜いた殿堂入り抜きゲーだったため、さすがにあれは越えられなかったよ・・・。
ようするに抜きゲの良し悪しなんて結局はキャラの好みだよねというお話。これだけ長々と語ってそれかよ。
シリーズ恒例のメインヒロインが諦めなかった場合に男たちを倒す（？）逆転エンドもしっかり存在する。今回は単独ルートと輪姦ルートの両方にあり。どちらかといえば単独ルート（染谷）の方が正史っぽいのかな？
そういえばナディアはあの設定で染谷ルートじゃなかったのはなぜなんだぜ。おいしい因縁があったのに勿体ない。
次も買いたいので出来れば学園ものに回帰する感じでお願いします。
あと認証回数をせめて五回に増やせないでしょーか。