クリア後、作中の女の子たちが愛おしく思えてたまらなくなる作品。少女たちの心と日常、そして「幸せ」について彼女たちの思うこと。思い出すと、しみじみと泣けてきます。【追記】久しぶりにリプレイ、やはりいい作品だと再確認。親子・姉妹・親族というそれぞれの関係のなかで、「生きる幸せ」とは何か、理屈ではなく等身大の言葉として登場人物が語っています。点数100点にしました。
あらゆる面でトップレベルの作品だと、私は考えています。
(誰がなんと言おうと(笑))
おだやかで、情緒あふれる音楽。
少女たちのナイーブさを、過剰にならずに書いた文章。
ラスト1枚絵の、安心しきった少女の幸せそうなCG。
素晴らしいです。
全編通して、全体の雰囲気を損なわずにテーマを書ききっています。
ゲームが終わってしまう寂しさに、わざとゆっくりプレイしました。
そのくらい、大好きな作品になりました。
地味なのはわかるけれど、これが評価されないのはおかしい、
などと、不遜なこともちょっと思ったりします。
もしかして、ゲームシステムが面倒なせい!?
追記
上記の文章が、ちょっと興奮気味なので、
冷静に、この作品の好きなところ、良いところを少しだけ書いてみます。
大きな事件が起こらない何気ない日常のなかでの、人の心の機微、を描いた作品は、
PCノベルゲームでは、今まであまり見かけたことがありません。
(あったら、是非教えてください。)
本でも映画でも、その手の作品大好きな私には、
ここが一番好きなところ。
少女たちの何気ない発言の中に、
睦月の、あかりの、ゆりかの、佳澄の行動の中に、
ナイーブで、取るに足らない、でも、
日々生きている私たちにとってとても身近な悩みや逡巡が見え隠れして、
切なくなります。
そして、
劇伴音楽のように、邪魔をせず雰囲気を醸してくれる音楽、
艶がありながら、儚さも同時に感じられる絵は、
(ラスト1枚絵の表情は、ホントにいい。
ラスト1枚絵で感嘆したのは「青い涙」と同じくらい)
とても感じ入るものがあります。
テーマは地味ですし、カタルシスがあるわけでもない。
わかりやすい起承転結もない(そもそも日常を描いているので当たり前ですが)。
攻略も、ちと面倒です。
あまり、支持する人がいないだろうなあ、ということも予想できます。
けれど、
絵と文と音が高いレベルで調和している、
こういう作品が(少なくてもいいから)途切れずに発売されて欲しい、
と思っています。