キャラがめっちゃ動き、シナリオは興味深いが、笑いどころが少なすぎるちょっと堅いドラマ。ネタバレ薄めで書いていきます。
長所
特筆すべきは技術と演出である。
キャラがぴょこぴょこ動きまわってカワイイのなんの。それどころかモブキャラだろうがチョイ役だろうが発言があったキャラの大半に立ち絵が存在し、尚且つエモートで動くその姿には制作者の努力や作品愛まで感じる。
曲数の多さも凄いがOPの力の入れ用も凄い。ただなぁ、最後にあるグランドルートEDの演出が残念だなぁ、って思ってたらタイトル画面の曲(未来行き☆列車)にやられた。今までのOP曲やED曲に比べてかなり力強い曲であり、続編を感じさせるようなその演出と曲調がとても印象に残る。
そしてシナリオの面白さも格段にアップしてる。話の主体となる鉄道ネタはともかく地方創生ネタは自分が大いに興味ある分野ということもあり楽しく攻略できた。ちょっと前のドラマで「ナポレ○ンの村」というのがあったが、この作中における地方創生がやってることは、内容は違えどソレに近い。まぁあのドラマは最終回以外は面白かったし、あのドラマが好きな人はこの作品も楽しめそうではある。
また世界観と登場人物も素晴らしいものがある。登場人物は筋が通った天才キャラばかりで性格が腹立つキャラはあまりおらず、そのためストーリーも(凪の倒木以外)ストレス無く進行する。天才故の~っていう葛藤と極度の過労があるくらいで大した挫折無く事が進む点を長所ととるかどうかは人次第ではあるが、キャラの行動がヘタレすぎるとか稚拙だというイライラがほぼ無いことは自分にとってプラス評価したい点である。
そして世界観が良すぎて舞台モデルである人吉に行きたくなること必至。後述するがこの作品に触れた後に人吉へ行くとまいてつの世界ととても似ており驚かされることが多々あって大変面白い旅行となる。まぁ場所が場所だけに大がかりな旅行となってしまうが。
短所
ギャグほぼ無しでとにかく話に笑う箇所が無い。ただ前作と比べて稚拙なキャラがいないこともあってか無駄すぎる会話も無く、ストーリーに関係ある話かウンチク話が大半を占めている分、興味が続く限りはダレないことが救いか。にしても共通ルートの話が個人的には致命的につまらないのが残念。
それと技術が凄すぎる影響か所々で強制終了バグが発生したり稀咲が高速口パクしていたりといった点が気になる。
あと浦上の目の離れ具合が気になって仕方がない。
雑記
この作品をコンプした2日後に舞台となった人吉へ行き聖地を巡礼してきた。
駅前へ行ったり鍛冶屋通りへ行ったりしながら、主人公の家のモデルである酒造屋へ行き醸造蔵を見学させてもらいお土産として球磨焼酎を買った。特別まいてつグッズがある訳でもなく、ましてやまいてつを通して街おこしをしてる訳でもないが、人吉は元々観光地として有名な街なので球磨川周辺といい町並みといい綺麗で魅力を感じる場所であるのでこの作品の世界ととてもマッチしており、また雉馬や鮎などの細かな設定も参考としていることなど発見する機会にも繋がるので、是非とも観光していただきたい(宣伝)。
ただひとつ言うなれば、SL人吉が運行し球磨川下りのシーズンでもある春~秋のできれば平日をオススメする。2月に行ったら周辺の国道が雪でチェーン規制してるわ、焼酎蔵は新酒作りの交換のため空だわ、ポーレットに縁がある駅前の建物のモデルは土日休みてわ閉まっていたわで完全にシーズンオフな人吉を楽しむことになってしまった。
まとめ
前作のものべのと比べてシナリオと技術は格段に腕を上げていると思えました。鉄道もしくは地方創生に関心がある方でちょっと堅めのドラマが好きな人であれば是非ともオススメしたい作品です。
ハチロクうううぅぅぅぅって人にもオススメします。大きなベルを振るハチロク可愛すぎ