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wattoruさんの新次元ゲイム ネプテューヌVIIRの長文感想

ユーザー
wattoru
ゲーム
新次元ゲイム ネプテューヌVIIR
ブランド
コンパイルハート
得点
60
参照数
648

一言コメント

改悪気味なリメイク

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

《前提》
本編はクリア済み、プラチナに関してはまだ未取得
リメイク前のVⅡ(以下前作)はプレイ済みだが、1年程期間が空いてるのでややうろ覚え気味

《ストーリー》
前作から特に変更点は無し
ただし前作のDLCキャラに関しては現状使用不可能
今後追加されるのか、一切追加される予定も無いのかも不明

《戦闘》
リメイクという事で大きく一新された部分、大きな変更点として
・消費するポイントに新たにAPが追加
・エクゼドライブゲージが消滅
・ディフェンススキルが新たに登場

従来のシリーズはシンプルなターン制の戦闘方式だった
今作はAP・SPが許す限り行動を行う事が可能

【一例】
Lv100のベール AP12 SP83
シレットスピアー 消費AP4 消費SP33 WT27
ドアーズエフェクト 消費AP2 消費SP10 WT18
この場合シレットスピアーを2回使った後に、ドアーズエフェクトを使用可能
ドアーズエフェクトだけならAPの許す限り6回使用が可能となる
ただし複数回行動を行うとWT(技毎に設定された待機時間)が増加して行く
敵を倒しきれなかった場合、敵側も複数回動き窮地に陥る場合もある

またターンの終わりは基本的に【ディフェンススキル】を使用して終了する
防御 消費AP0 消費SP0 WT70
ノーガード 消費AP0 消費SP0 WT56
SPブーストガード 消費AP2 消費SP0 WT70
などが存在するが、最大の特徴として【カウンタースキル】が登場した

クロスコンビカウンター 近距離物理攻撃に対してカウンター
スピアレンジテリトリー 遠距離攻撃に対してカウンター
マギーキャンセラー 魔法攻撃に対してカウンター
などキャラ毎に応じて様々な種類の攻撃に対してカウンターがとれる
このカウンター、便利なのだがバランス崩壊というかヌルゲーを促進させている
近距離、遠距離、魔法攻撃・・・4人で固まって異なるカウンターを構え待機させる
敵の攻撃範囲はそこそこ広いので、4人同時に攻撃範囲に入ると誰かしらのカウンターが発動する
そうなると待機ゲーをしているだけでボスすらもノーダメージで倒せる事がある
実際ストーリーはカウンターを行っているだけでクリアが可能なレベル

また【ディフェンススキル】やカウンターとは別に交代スキルが存在する
AP&SPを消費せずに行える交代 
SP20のみを消費して行える特殊な交代スキル
前者はパートナーと交代を行うだけで、すぐに行動をする事は出来ない
後者はSPを20消費するが何と即座に行動が可能
そのためネプテューヌでSPを20残して限界まで殴る→SP20消費してノワールに交代
交代して出て来たノワールで限界まで敵を殴る、という鬼のような連続攻撃が可能

今作はスキルゲーと化しエクゼドライブゲージが消滅したので通常攻撃は死にスキル状態
インターフェイス周りも一新され、システムを覚えるまで苦労するがやれる事は増えた
反面全体的な戦闘のテンポは損なわれ、何とも言えない戦闘リメイクという感じ

《装備品周り》
戦闘システムに続いて大きな変更
今作は装備品にレア度の概念が存在し、付与される能力値も様々な物になった
一般に「ハクスラゲー」と呼ばれる要素なのだが、このゲームのとある要素がそれを殺している
それが「企画書」・・・早い話が装備品を開発できる要素
素材を集めて欲しい装備を開発する、とにかく数を打てば自分好みの装備が手に入るので戦闘でドロップする装備品はオマケ
そのため「ハクスラゲー」としての楽しみは見出せず、延々と開発をする作業ゲーと化している
今作はオートセーブなのだが、特定の条件下だとオートセーブがされない仕様なので開発の吟味も可能

ついでに言うと装備品周りのソートが悪い、管理が大変、売却も大変
「ハクスラゲー」としては欠陥だらけ・・・ただ装備品周りが煩雑なだけである

《ランクチャレンジ》
クリア後のエンドコンテンツ要素
装備品のレベルは「テクノロジーレベル」と呼ばれる物で決定される
この「テクノロジーレベル」は物語進行と共に上昇し、本編クリア時点では40が上限
この上限を引き上げるため特殊なダンジョンに挑み、ダンジョン最奥のボスを撃破するとランクが上昇
ディアブロⅢのグレーターリフトに挑戦した事がある人はあんな感じの要素だと思って差し支えない

このランクチャレンジだがハッキリ言って作業ゲー
1体のボスを皆で殴るので、ある程度戦術が固まっていると流れ作業で処理が可能
Lv80台の装備でLv120に挑んでも割と余裕をもってクリア出来たりする
基本的に装備は企画書から開発して賄うので、ドロップ品もほぼ期待が無い
淡々とボスを倒しある程度レベルが上がった所で開発して吟味、個人的に嫌いな作業では無いが物足りなさが残る

ターン制のRPGなので装備品が強くなってもやや実感し辛い
この手の要素はアクション、特に同シリーズの四女神オンライン辺りで欲しかったかな~・・・と思う所

《その他》
様々な要素がある割にヘルプ周りが簡素
戦闘システム、ステータスの説明、スキルの特徴、このゲーム独自のシステムetc・・・
知ってると戦闘を有利に運べる、探索を効率よく行える、そんな情報に関しての解説が足りないと感じる
様々な要素を盛り込むのは構わないのだが、独自要素が多いのでもう少しヘルプ周りが確りしてれば良かったかなと思う

既に装備品周りで述べたが今作はオートセーブ方式、セーブデータは1つのみで周回プレイも存在しない
お気軽にストーリーをもう1周楽しめないのは割と大きい差

《総評》
従来のシリーズは「ラッシュで殴ってエクゼドライブをぶっぱする」「通常攻撃で殴ってコンボ特性を発揮させる」
など大雑把だが、シンプルながらテンポ良い戦闘、装備品周りもシンプルな普通のRPG
着せ替えを楽しみながら可愛いキャラを動かし愛でる事に集中できた

対して今作は様々な要素に手が加えられたが、全体的に複雑化し分かり辛くなったと感じる
このゲーム独自の要素として「見聞者」「ルードビルド」なども存在するがいずれの要素も分かり辛くなった
ノウハウがないにも関わらず一度に様々な要素を盛り込みすぎたように思う
結果としていずれの要素も痒いところに手が届かず、プレイヤーとしては手間に感じる事が増えた

全体的にやや微妙な出来、前作と今作・・・どちらをお勧めするかと言われると前作かもしれない

2017/12/06 アプデで色々調整が入ったので点数修正55点から60点に変更