ネプゲーとしても無双ゲーとしてもイマイチ
《ストーリー》
本作は昨今の少子化の影響を受け、廃校に瀕した学校を救うべく映画を撮影するという内容
脚本、監督はタイトル名にも入っているブランが担当
その映画の内容というのが、学校に突然現れたリアルゾンビを利用したゾンビ映画
流れとしてはシーン撮影前に会話→敵と戦闘(無双形式)を繰り返して行く
ある程度ステータスを上げていれば1戦辺り大体1分~3分で戦闘終了
大幅にステータスを上げてこのゲーム自体に慣れていれば大体30秒~1分で終わる程度
この会話→戦闘→会話→戦闘の流れがテンポが悪い
作中でも言われているが、映画の内容がB級感満載で超展開ご都合主義上等なので一つ前のシーンの内容を忘れる何て事はよくある
シーン的にも大半が(映画内で)主人公のネプ子、ヒロインのブランで他のキャラは適当にゾンビ役を演じてるだけでどうでも良さが加速する
一応最終目標は学校でゾンビが発生した原因を突き止めることなのだが、映画撮影ばかりで話は殆ど進展しない
ストーリーはストーリーで、戦闘パートは戦闘パートでガッツリ楽しめればよかったのになぁと残念
普通の作品なら余り気にならないが、会話部分も重視されるネプゲーとしてはここは気になる所
《キャラクター》
キャラ数が多いのにストーリーが短いためほぼ扱い切れてない感じ
タムソフト、デンゲキコ、ファミ通は序盤に加入するにも関わらず殆ど出番が無い
後半で加入するプルルート、ピーシェにも殆ど出番が無い
うずめはちょっとだけストーリーの重要な部分に関わるのでマシ程度
ネプ子、ノワール、ベール、ブラン、ネプギア、ユニ、ロム、ラムのいつもの面々の活躍が大半
特定のキャラを出さなかったら一部から不満が上がるだろうし、かといって既存キャラの掘り下げは過去作で大体終わったので内容が無いよう
薄味のシナリオを大量のキャラで誤魔化してる感
《戦闘パート》
一般的な無双ゲーは殆どやらないので比較はし辛いが出来が悪い
まずカメラワークが悪いので攻撃して敵が画面外に行ってしまうと見つけ辛い
このせいで集団戦で大抵のキャラは通常攻撃封印、ゲージ消費の範囲攻撃が安定行動
更に敵ロックオン機能も微妙
ボタン長押しでロックするのでロックまでラグがあり、ロックした敵を倒す→次の敵を自動でロック・・・何て事はやってくれないので基本的にボス戦でしか使わない
そのボス戦に関しても、ロックしてもカメラワークが悪いのと相まって動き回るとやり辛い
戦闘パートでは二人のキャラを選んで、戦闘中に交代が可能だが交代する必要性が見当たらない
基本的にLvを上げて高火力で殴れば良い状態なので、物理キャラと魔法キャラで使い分け、近距離キャラと遠距離キャラで使い分け何て必要性すら無い
精々ボス相手に事故死した場合のバックアップ、二人同時にレベリング出来るので楽な程度
各キャラが固有技を使用するためのゲージもキャラ毎に管理されていて、待機していたキャラは一から溜め直す必要性があるので余計に交代しない
雑魚敵は基本的に使い回し
毎回ほぼ代わり映えのしないマップ&代わり映えのしないモンスター
一部ボスも過去作からの使い回しで「シュジンコウキ」等、ゾンビではない機械系すら現れる
作中において敵が機械だ! ゾンビウィルスおかしい! といった突っ込みは一切無い
更にボスは大半がアーマー持ちで通常攻撃を叩き込んでもお構いなし
逆にこっちが反撃を食らって、HP&DEFを強化していなければ二撃で溶ける事もある
雑魚敵はすぐ溶けてロックオンがあまり機能しない、ボスはアーマー持ちとコンボを気持ちよく入れられる場面がほぼ無い
《ストーリー》の項目でも記載したが、慣れれば1戦30秒~1分で終わるので本当に作業ゲー
マップ上でアイテムを集めろ、マップ上のある場所を破壊しろみたいな事は無い
出現した敵を淡々と倒すだけのまさに作業ゲー
余談ですが私は中盤以降はずっとユニちゃんを使ってました
理由としては広範囲を定点したまま攻撃できるので、カメラ外に行った敵も移動せずに攻撃できる
ボタン長押しで通常攻撃しながら移動撃ちが可能なのでボス相手でも回避しつつ攻撃できる
ユニちゃんがいなければストーリークリアを断念してたであろうレベルで神性能でした
《システム系統面》
ロード時間が長いとにかく長い
戦闘開始前、戦闘終了後に約10秒程度のロードがある
このロード中にキャラクターの性能説明、ゲーム進行上で役立つ情報が見れたりするのだがすぐに見飽きる事となる
戦闘パートが1戦10分以上かかるとかなら許容範囲だが、長くて3分、短ければ20秒前後で終わるこのゲームにおいては割と致命的
更にメニュー画面で各キャラの装備変更、ステータス振り分け等を行う画面でもロードが長い
使用可能キャラが最終的に14体にも及ぶので目当てのキャラを探すだけでも長い
ちょっと装備品を変えてみたり、見た目を変更してみたりするのも長い
ロード周りはお世辞にも快適と言えない
《その他》
本作はタイトル名にもなっている「ブラン」が主役とされているがそんな事は全くない
戦闘パートでブランの使用を強制される場面も無いし、会話パートでも監督・脚本やってる程度
ブランについて新しい掘り下げがあるわけでもなく、いつものネプテューヌシリーズって感じで皆と騒いでたな程度
ブラン目当てで買われる人はガッカリ間違いなしなのでスルー推奨
《総評》
細かな所まで突っ込むとまだまだ突っ込み所があるが今回は置いておく
「ネプゲー」としても「無双ゲー」としてもイマイチな出来
ボリューム不足、快適度不足、ネプテューヌシリーズに対して思い入れ補正が無いと辛い
中古1000円ぐらいで買えれば妥当な値段かなと思う
話が少し逸れるが、その作品限りの使い捨て武将で水増し、システム面がイマイチだった超女神信仰ノワール
ボリューム不足、キャラの掘り下げ不足で快適なシステム面が台無しだったVSセガ・ハード・ガールズ
等、携帯機の作品(リメイクは除く)は据え置きの作品に比べ手抜きの箇所が見られる
ゲームシステムはともかく、シナリオ面での萌え要素すら薄っぺらな物が続く今「ネプテューヌシリーズ」のブランド力自体が危うい感じがする
ここらで立て直して、シリーズファンとして安心して発売日買い出来る作品が欲しい