戦闘システムは少々大雑把な印象は拭えないですが、シナリオはランスらしさが出ていて良かったと思います。
ランスシリーズは後発の戦国ランスとランスクエストをプレイ済み。
個人的にランスクエストのシナリオがかなり残念だったので、
比較的評判の高かった過去作をプレイしてみることにしました。
簡単に言うとシナリオは面白かったです。
シナリオそのものというよりは、ランスというキャラの良さが出ているイメージ。
やはりランスはこういった大義名分というか、大きなターゲットがあってこそ生きるような気がします。
悪く言ってしまえば、ランスの行為を正当化する理由が必要ってことかも知れませんが。
大きな目標もなく、自分の欲望だけで動いていると、やっていることは山賊なんかと変わりませんしね。
それとランス以外の男キャラが良かったです。サイアス将軍や魔人ジークなどは非常にいい味を出していたかと。
戦国ランスでも男キャラは良かったのに、なぜクエストには引き継がれなかったのでしょう…。
戦闘システムは正直イマイチ。完全ターン式のなのですが、少々大雑把な印象です。
HPと攻撃力(魔力)以外はLVアップしても成長しません。基本キャラ毎に固定です。
素早さも上がらないので、攻撃順はほぼ変わりません。明らかな雑魚にも先制攻撃される可能性があります。
それと基本全てのスキル発動が1or2ターンの溜めが必要。
これによって、足の遅い魔法使い(シィル)による全体回復などはほぼ2ターン目の終わりまで発動しません。
全体攻撃魔法も同様です。正直非常に使い勝手が悪く、戦闘のテンポ(爽快感)が落ちます。
しかも、溜め中に攻撃を受けると一定確率で溜めが解除されてしまいます。
そもそも私は、完全ターン制と溜め攻撃はあまり相性が良くないと思っているので、
ターン制を採用するのなら溜めではなく、普通にMP(SP)などがあった方が良かった気もします。
それと、個別に限界戦闘回数というものが設定されており、それを越えたキャラは戦闘不能に陥ります。
その為、ダンジョンで戦闘回数が増えると戦線が維持できなくなり、結果、何度も帰還を繰り返す羽目になります。
帰還が多くなるほどダンジョンでのイベントの進行を何度も遮断しなければならないので、
終盤、話が盛り上がって来た所で何度も帰還を繰り返さないとならないというのは、正直苦痛でしたし、
個人的な盛り上がりにも水を差すような事になりました。
また、それが結果的にゲーム全体のテンポを落として、ゲームを長く感じさせる要因の一つになっていると思われます。
イベントを実行する為のアイテム(玉)集めの作業と合わせて、かなり時間の浪費に繋がります。
本編クリア後には伏線回収と強力なボスキャラが追加された挑戦モードがプレイできます。
伏線回収といっても結構長いので、ストーリー的には楽しめますが、戦闘が退屈だったのでイマイチ。
更に、最後に到達する頃にはランスと数人以外のキャラは才能限界(Lv50)に達しており、経験値を得られません。
元々戦闘でお金もアイテムも手に入らないこのゲームで、経験値すら貰えないのでは戦闘がただの作業になります。
それに加え、追加のボス達もマヒ攻撃が決まれば楽勝、決まらなければ負け、みたいな運ゲー要素が強め…。
アリスさんの作品だとSLGは周回プレイなんかも面白いのですが、RPGはイマイチな印象が残りますね。
絵は戦国ランスのものと比べると、女のコキャラは全体的に子供っぽい印象で、個人的には戦国の方が好みです。
ですが前述したように男キャラはいいと思います。個人的にはランスの顔も後発の作品より今作の方が好きです。
「黙っていれば男前」な感じがよく出ていると思います。
また、全体的にHシーンや女のコ絡み以外のCGが多かったのも良かったです。
個人的にはパットンとランスの模擬戦闘のCGとか結構好きですね。
Hシーンはランスシリーズらしく、突っ込んで終わりの独善的プレイが殆どですが、
目先を変える為のタマネギの調教は良かったんじゃないかと思っています。原画の方も違いますし。
まぁキャラ的にタマネギの存在が浮きまくってたような気もしますが、ランスに調教は無理でしょうしね。
総合的には、シナリオは良かったものの、システム的な部分や戦闘がイマイチ、といったところでしょうか。
ランス9はヘルマン革命という事で比較的大きな戦争に巻き込まれる可能性が大きいので、
今作のようにランスが生きるシナリオを期待したいと思います。