元長柾木を感じた
未キスの、「相手にキャラクター像を仮託する自閉的コミュニケーションこそギャルゲーの本質」みたいなことをシステム面で実現したゲーム。心理学や認識論の話も随所に挟まれ、『未来へキスを』を強く思い出すゲームだった。
システムの理解に時間がかかったが、要するに「相手をどのような存在として認識するか」によって結末が変化するマルチエンディングゲーム。主要な分岐は三箇所で、最初に相手をストーカー、彼女、知り合いのいずれかから選ぶパートがある(選択するタイミングは二つ)。買い物後に相手のおかしさを指摘するパート。そして最後に彼女の正体を推理するパート。この三つの選択によって物語に「輪郭」が与えられる。
相手の正体に対する認識がそのままゲームのエンディングになるというのは面白いシステムだと思った。随所に挟まれる衒学的な会話も楽しい。
ゲームシステムとして目新しいのは自由入力をテキストエンベッディングにすることで選択肢とのマッチを取るシステム。正直難易度が高く、ヒントがないと厳しいかなぁと感じた。そして良くも悪くも一般的な推理ゲームと操作感が変わるわけではない気もする。自由度高い返答をしてくれるシステムを作ろうとするともう一段高い技術が必要で、さらに制御も難しいだろうからなかなか難しいところだろう。(同じような試みをして失敗していたゲームもあったと思う)
トゥル―エンドの条件は良く分からなかった。試行回数がなんか決まってて、それ以上やると自動でエンドということなんだろうか?自分はいろいろ試したが、Inverted Angelと書いたところエンディングになった。
ホラー要素はDDLCとかよりも薄めで苦手な人でも遊びやすいのではと思う。DDLCの
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が結構苦手だったので…