くどさが自分には全く合わなかった
部分的に感動する部分もあったが、なんというか兎に角冗長でプレイ中は早く終わってほしいとしか思えなかった。
詩的な世界観は悪くはないのだが、登場人物の魅力の低さに加えてクライマックスといえる部分の引き延ばしが異様な退屈さを生んでいた。
全体的に登場人物の自己肯定感が異様に低く、このせいで一つの問題に対して堂々巡りの議論が繰り返され、非常にテンポが悪い。何といってもほとんど好きになれる登場人物がいなかった。すべての登場人物の自我が過去のトラウマによってのみ規定されていて、ほとんど自分の意思というのを感じず、ドラマというのを全体的に感じなかった。
本作には完成した「魔法」を発動する山が何か所かあるのだが、初めの方は高揚感があるのだが、妙に長ったらしい説明によってだんだんテンションが下がってくる。クライマックスのクロルートが延々と回想と解説に終始していて、さらにわかりにくさからか主人公に要約させなおしている部分などもあってとにかく退屈。
演出面ではカットインが多すぎてこれもさらにテンポを悪くしている。
グラフィックのクオリティの高さなどは素直に評価すべきだし、まあエロゲが好きなら自分にとって合うかは試した方がいいと思うので、プレイして後悔という水準に設定している59点以下はつけなかったが、プレイ中何度も投げたくなったし、個人的には全く他人に勧めたいとは思えない作品だった。