丁寧に作られているのはわかるがいまひとつ
ミドルプライスで短め。
「世界の終わり」を匂わせる冒頭のシーン、世界から理不尽に重い運命を課せられた少女たち、日常に潜む不穏な空気、徐々に明かされる主人公の過去、はなんとなく「ゼロ年代エロゲ」と呼ばれるジャンルを煮詰めたような内容で、なかなか読ませる内容ではある。
しかしいわゆる作中の感動ポイントがことごとく、特にハマるところもなかったし、ラストの世界の秘密が明かされ、主人公たちが救済されるパートも想定を超えたよさとか心が揺さぶられるというレベルではなかった。
この種の「セカイ系」的なノリをやるのであれば、選択肢での分岐を入れたりすると、もう少し没入感とかを感じられたのではと感じなくもない。まああったらあったで面倒に感じていたかもしれないが。
グラフィックの綺麗さやキャラクターの可愛さなどの美点はあるものの、やはりイマイチ締まらない感じを受けてしまう。