現代の水準では厳しいと感じる人も多いかも。家族にトラウマを持った人間が人との繋がりに希望を見出す話
家族計画は家族にトラウマに持つ人間がそれでも「家族」を作ってみる話と一見思えなくもない。
しかし実際のところ家族計画に参加した人間は結局どこまでも家族にはなり切れていないような印象もある。ずっと食卓では漫才をしているし
また高屋敷家自体が、「家族」である意味は希薄である
家族であることの条件にそれが否応なしで良くも悪くも断ち切り難いという要素があると思うのだが、本作の家族計画は暴力の前にあっさりと瓦解する。単に互助計画という印象がある。
家族に関して各ルートや全体を通して何か一貫したテーマがあるわけでもない。
むしろ家族よりも人が集まるということに対して焦点が当たっている気がした。
主人公は繋がりを失うことを恐れるがゆえに人に依存することに恐れており、一方でひととの繋がりを心の奥底では求めており、家族計画をなんとかつなぎとめようと奔走する。
逆に言えばこの行為に「家族」と名をつけたことで家族に対して登場人物たちが家族に対して希望を抱くようになったという点が重要なのかもしれない。
個人的に好きなのは春花ルート。理想的な和解というのはあり得ないけれど、それでも一瞬の交錯によって救いはもたらされるかもしれないというのは良い落としどころだったように思える。
不満点
・システムが最悪。スキップ中別のことができない。バックログがない。
・ギャグはもう厳しいだろう。古いテレビねたなんかが多いのでは。