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walnutさんのリアルエロゲシチュエーション!DTの長文感想

ユーザー
walnut
ゲーム
リアルエロゲシチュエーション!DT
ブランド
自宅すたじお
得点
45
参照数
1100

一言コメント

何をしたかったのだろうか……広報は上手だと思うが、その広報技術にゲームの内容が追い付いていない。逆に広報が上手だとゲームが売れてしまうんだからいい話でもある。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

何を期待していたか。私は抜けるエロゲを期待していた。その期待にこのゲームは応えてくれなかった。このゲームに何を期待すべきか。結果として、後処理をしっかりしてくれるエロゲを求めている人にはこのゲームが合うだろう。―お前は何を言わんとするのか。

このゲームは負けヒロインが失恋していく様子をしっかり描く。そういう意味での後処理だ。主人公はモテるから実質ハーレムみたいになっている。しかし結ばれるヒロインは一人だけだ!(ハーレムルートはない)
だから負けヒロインがどのように思ったかをしっかり描いた。そのことは評価に値する。

しかし、だ。しかし、この作品は義務を果たさなかったために、その価値を下げている。――どのような義務をこのゲームは果たさなかったのだ?―抜きゲーを抜けるゲームとして作る義務をば。

このゲームは抜きゲーだったのだ。しかし、遊んでみたところ、ハードなエロがあるだけの萌えゲーだったのだ。―ならばそれで満足すべきだったのではないか?―否、それでは満足できない。萌えゲーとするにはヒロインとの掛け合いに欠ける。つまり、ヒロインの魅力を十分に描けていない。

例えばゲームを始める前、私は陽菜乃に惹かれていた――最終的には祭がもっともいいヒロインだと感じた―だが! だがしかし! 祭ルートはあまりにも短く、陽菜乃は期待外れでありなおかつ長かった……―何がお前をそこまで不満に思わせたのだ―話の起伏のなさ、そもそものつまらなさ。コンセプト自体はキャッチーでありつつも、それを上手に膨らませられていないのは言及すべきことだろう。ナンセンスという他ない。―どういう意味でナンセンスなのだ?―コンセプトの使われ方が微妙にシリアスなんだ! 特に恵那! あんなんで感動できるわけないだろ! いやちょっと上手いなって思ったけどさ、足りないよ!?―つまり、どういうことだ?―もういいよ! そもそもこのコンセプト自体がでおちでしかなかったってことなんだから!

このゲームは何をすべきだったのだろうか―そもそも抜きゲーではなく、萌えゲーを名乗ればよく、そして萌えゲーとして作り込めがよかったのだろう。クロシェットの例を見よ―リアエロは抜きゲーと呼ぶにはあまりにも導入や恋愛パートが長い。性欲によって起動するも、それによって満たされることはまったくない。―何をすべきだったのか―立ち絵を動かすよりも先に、CGをすべて動かすべきだっただろう。差分絵でチマチマと動かすよりはそっちの方がより求められていることだ。立ち絵を動かすのなら、あざらしそふとのように萌えゲーとして売り出すべきだったのだ! そもそもの根幹からユーザーが求めていることからズレている。すべてはそこに問題が詰まっている。