トリック(ギミック)を土台として作られているので、そこを主として楽しめるかがポイント。多少のご都合主義も許せる衝撃はある。とはいえ、人によって評価が分かれる作品。説明は丁寧で、SF・物理入門にも最適。古い作品ですが、今プレイしても十分楽しめる。
まず巨大海洋テーマパークという設定自体にロマンがある。更に地下に秘密の研究所ときたら、ワクワクせざるを得ない。LeMUのデザインも素晴らしく、ずっと見てられる。
演出も巧みで、通常ED曲の入りはゾクゾクした。BGMもサイバーな雰囲気に調和している。イベントCGは良いものが多いが、それに比べると立ち絵のクオリティは低い。
中盤辺りで中ダルみする所もある。緊張感のないシーンも多く見られ、缶蹴りや一部の掛け合い等が退屈だった。
しかし、武とココを助ける理由付けに加え、BW(プレイヤー自身)に愛着をもたせる為、最後まで読むと必要な描写だったと思う。とはいえ、子守歌の場面は多少くどいように感じた。
作中の重要なSF・物理の内容は、門外漢にでもわかりやすく説明してくれる親切設計。更に選択肢で「わからない」をクリックすると、もっと嚙み砕いて説明してくれるので大変ありがたい。お陰様で同ジャンルが触れていない自分でも十分理解することができた。SF入門としても素晴らしいので、これを機会に他の作品に触れるきっかけにもなり得る。
ミステリー要素が一番の肝ではあるが、最終的に武ハーレムが完成し、ココは私たちの妹(彼女)になる事から、ちゃんとギャルゲーとしての体裁も保っている。