温かみのある繊細なロリゲー。終始まったりと進行していく物語や演出に、波長が合うかで評価が分かれる。声優の演技もゆっくりなのに加え、バックログでのボイス再生は不可。安易な早送りクリックは禁物といえる仕様なので、せっかちな方にはオススメできない。しかし雰囲気が合うなら、唯一無二の作品になるポテンシャルはある。
シナリオ、イラスト、音楽、全てに於いて繊細且つ丁寧な作りなので、雰囲気ゲーとしてはスキのない作品になっている。舞台となる館のデザインは、非常に凝った作りになっており、箱庭ものとして文句なしの出来だろう。背景を見るだけでも楽しめる。
本作の肝は日常シーンにあると思う。暗い過去に抑圧されながらも、懸命に生きている彼女達だからこそ、何気ない描写に心がうたれる。
エロシーンだがマオはともかく、それ以外の少女らに手をだすのはアウトだろう。全くけしからんロリコン牧師である。
メインヒロイン√のみ発生するラストの独白は、長い割に個別の内容を話しているだけなので、もう少し短くまとめて欲しかった。
システム面は全体的に悪いと言わざるおえない。キーボードとマウスの割り振りが少なく、細かい部分での快適さに欠ける。バックログでのボイス再生不可は致命的だろう。
この作品の特色として、BGMひとつずつに丁寧な解説がついている。より思い入れが深まったので、他の作品も是非取り入れて欲しい。