評価が分かれる作品。最後まで楽しく追えるかは、読み手の感性次第。自分は追い越されました。
インモラルなミステリーものとして途中までは非常に楽しめた。以下要点をまとめると。
・個人的に芳野母さんのエピソードが一番好き。この作品のテーマに沿いつつ、まとめ方も綺麗で傑作だと思う。
・樹里のヤンデレ具合は凄まじく、ジャンルが成熟した今でも通用する。
・青磁も良かった。主人公にクソデカ感情を抱えていて、個別√では終始ニヤニヤしてしまった。
・逆に苦手なのは夏生。全体的にやり方が汚く、嫌な女としての完成度が高い(誉め言葉)
・ループものだが、同じ文を何度も読ませないのでノーストレスでさくさく進められる。
・BGM、背景など全体的な雰囲気作りがよい。
最初は上記の通り楽しめていたが、終盤のSF展開(蔵女の出自が明らかになる辺り)以後は徐々についていけなくなった。辻褄合わせとして必要なのは理解できる。しかし自分の許容度を越えており、どうしても超展開のように感じてしまった。
古さを感じない尖った作品。