設定は良いが、キャラの掘り下げ不足で消化不良。これでは泣けない。
肝心の主人公と妹を全く好きになれなかったので、最後まで冷めた感情しか沸かず退屈だった。
ただ事故で亡くなったと説明された所で、積み重ねが薄いせいかイマイチ感情移入しにくい。キャラの掘り下げ不足だと思う。好きにさせるような描写が不足しているので、どうも感動できない。主人公の俺は辛いんだというウジウジ描写を長々と見せられても感情がついていけなかった。文章も全体的にクドく、ライターの力不足を感じる。
自分からしたら好き勝手にイチャイチャしていた兄妹という印象しか得られなかった。しかも、死んだ妹は定期的に復活し、過去話にも頻繁に登場するせいか、個別√で起こる奇跡の再会もイマイチのれない。最後の会話は無駄に長く、感動展開の押し付けのように感じる、もっとキャラを掘り下げる等をして、過程を大事にして欲しかった。なんだか、この兄妹に挟まれた小鳩の方がよっぽど不憫だと思ってしまう。
他ヒロインで良かったのは、郁奈。彼女の個別では妹がでしゃばってこないお陰もあり、終始楽しめた。というのも、この√での妹の対応はサッパリして気持ちがよい。作中小説との絡ませ方も見事だと思う。
しかし、朱鷺子と鷲次のエロシーンは不必要に感じた。ここの絡みだけ男性ボイス有なのだが、演技が違和感あり、気持ち悪い。妙に硬い言い回しで、昔の人という設定の弊害だと思う。こういう事がありました程度で流して欲しかった。
批判が大半を占めてしまったが、本作をプレイすることにより、泣きゲーのハードルの高さを考えさせられた点は良かったと言える。