今やると流石に古いね
というわけで、久々にプレイをした感想を。
まずはツッコミどころの女装面から
基本設定を見る限りでは、『学園にさえ通えば、女装の必要性はあまりない』というところだろう。
自分たちが経営している学園なのだから、教室を別個にするなり何なりで解決できた問題である。
拒否反応を示す生徒がいるかもしれないが、遺書をうまく使い美談に仕立て上げてしまえば良いのだから、それほど難しい問題でもないはず。
この点において、御門まりやのとった強要が後に響く場面もあり、彼女の罪は重い。
ただ、協力者が多数いたというのはとても大きかった。
特に担任と前期エルダーである十条紫苑あたりがうまく周りとコンセンサスをとってくれたから、バレにくい環境へ逃げ込めている。
シナリオ面・・・・・・と言うか一部プレイ環境面
5話までは共通ルート、6話以降が個別ルートになっているのだが、いまならもう少しスキップ環境はましなのかなと思う。
4人目あたりからの作業感が半端なく、一部よくわからない所で未読スキップ解除になるところがあるのが痛い。
ボリュームとしてはどうなんだろうねえ。
個別部分は特に長いというわけでもないし、別のキャラの話(共通項)も普通に入ってくるので、いまいち練りこまれてないと言うキャラもいる。
ただこれが発売された年を考えると、十分に頑張ってはいるのだが。
おまけ
サブキャラのサイドストーリーが3つに、謎なオマケゲーが1つ。
オマケゲーからさらにおまけが得られるので、プレイ推奨ではある。
さて、それでは個別の駄目出しに行きますかね。
まずは重罪人、御門まりや
彼女によって女装させられ編入するわけなのだが、彼女は無条件の味方ではない。
特に各個別ルートの共通項である、まりやの風邪イベントではかなり主人公に迷惑をかけている。
そして本人の個別エンドでは、自分の夢を追い求める選択をしたし、それなら最後に日本に戻ってな部分は正直蛇足。
ある意味別離エンドなままでいるほうが、話としては美しかったように思える。
エロゲだから仕方ないんだろうけどねー。
由佳里ルートではその女装のせいで話が重くなってるのに、彼女に責任を押し付けるのは間違いである。
あまりに自分勝手すぎて、個人的には嫌いなキャラであった。
次は被害者、上岡由佳里
かわいそうではあるのだが、断罪をする役目は彼女であるのだから、その辺が最後なし崩し気味だったのが少し残念。
由佳里よりも一子のほうが数倍健気であり、可愛いのがおしい。
個別ストーリーは彼女の今後と断罪の話しかないので、若干肩透かし気味ではある。
続いて周防院奏
うーん。
これ主人公卒業後、奏を他の学校に転校でもさせたほうが良かったんじゃないか?
そうすれば、男女の付き合いもできただろうに。
と言うわけで、それをしていない時点で彼女とは『恋愛感情ではない』と言えます。
ただの庇護欲ですね。
学内でも、主人公と同じくらいに紫苑とよく絡んでたし
続いて高島一子
良いサブキャラやなー>個別ルートあるのかー>ズコーの3段落ち。
個人的には主人公の卒業と一緒に、幽霊としての卒業をするほうが良かったんじゃないかと思う。
次回予告がない点もとても悲しい。
これなら個別はいらんかったんじゃないかなー。
他の子のルートでの良い立ち位置がかえって台無しになってる気がする。
続いて厳島貴子
男嫌い設定必要でしたかね。
単に家族とうまくいってなくて、家を出たいってだけでよかった気がする。
個別に入るまでのかっこよさと、個別に入ってからのポンコツぶりは見もの。
結局何回緊急停止したんだろう。
他キャラエンドで出てくる貴子に比べて、本人エンドではちょっとだらしない所が良い点でもあり、悪い点でもある。
最後は前期エルダーかつ共犯者の1人、十条紫苑
手術を拒否していたのは親への反抗なのはわかるが、それでも自分の命と言うのは少し違うと思う。
ここでも出てくる厳島・・・・・・なのだが、その割には紫苑と貴子の絡みがあまりにも少ない気がする。
そして1つの賭けからエンドになだれ込むのだが。
エンド時で紫苑は数えで21歳、それで1年生ってかなりやばいよね。
まりやエンド時でも思ったけど、貴子もイイ女である。
自分が掻っ攫う発言は彼女なりのエールである。
と言うわけで、得点をつける前の総評。
一子と貴子が多方面でいい味を出している。
一子は個別では残念だが、そこもご愛嬌だろうか。
圭あたりもいくつかの面でお世話になったし、こういうサブキャラをうまく描けている点を、今の作品は見習って欲しいと思う。
根幹55、サブキャラとしての一子と貴子の価値で各+10、美智子と圭のもたらす日常感で+10、主人公の人の良さで+10、まりやのキャラ性で-10、女装ゲーというジャンルの普及への貢献面で+10。
これでも甘めの採点です。