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wafuwafumasakiさんの乙女が彩る恋のエッセンスの長文感想

ユーザー
wafuwafumasaki
ゲーム
乙女が彩る恋のエッセンス
ブランド
ensemble
得点
72
参照数
999

一言コメント

比較的いつものensenble

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

さて、表では書けない事をさくさく書いていきましょうか。

まずは主人公。
ここにゴルマリのもっちーとは・・・・・・ほんとこのメーカーはいつもこの役の声の起用で楽しませてくれる。

そして芹香は少し声量は抑えてるものの、残念な俺たちの青春事情に出てるもっさんの声ほぼそのままやね。

で、これから本題。

この作品、どう考えてもシークレットシナリオありきで組まれています。
できれば咲夜のシナリオくらいには、あのエピソードをメインシナリオに組み込んでしまっても面白かったかなと思う。

FDにはあの人を絡めたシナリオはありそうだね。
実際咲夜と最終的に結婚する時には戸籍移すくらいしないと、家格のバランスが取れなさそうだし。

あと、残念な点としては、サブキャラの声のなさかな。
自分の両親はともかく、序盤のガヤの生徒たちや奥様にすらも声がなかったのは残念。
おまけディスク参加陣にもう少し報酬を支払って、声を頼めなかったかなと。
序盤のドタバタは、もっと声があることで面白さが引き立つと思うからね。

追記は各キャラ評価

まずは、潜入のSGにされた咲夜。
ストーリー的な大きな破綻もなく、普通に良かった。
後々結婚まで行くにはハードルが多すぎるけど、実母、義母と協力すれば乗り越えられそうかな?

次いで生徒会長のあかり。
元気系キャラなのに、あそこまで押しが弱いのはやや微妙。
あれのせいで、大家族お姉さん系という設定が活かされてない気がするかな。

お出迎え会側のトリは義妹の乃亜ちゃん。
バレがベタ過ぎてワロエナイし、メイドになるのが終着点ではなくて、主人公と結婚するのが最終目的じゃないのか? と突っ込みたくなるハードルの数え間違えが少し気になった。
特に父親は引き取った親友の息子と実の娘がってことで、内心かなり複雑になるから。

舞踏祭側トップバッターは皐月様。
実は同学年のはずなのに、余裕ありすぎ。
そして極度の距離感が、個人的には好きになれなかった。
こっちも身分差がありそうだけど、長子じゃなかったはずだから大丈夫かな?

そしてトリの芹香。
ストーリーは良いほうで、一度失敗してからの逆告白はやるじゃんと素直に賞賛。
ただ舞踏祭側のキャラは、エンディング時に寮や学園から去る前なんだよね。
アフターのためにそこまで描く訳にはいかなかったのかね。

攻略対象外の舞織さんと八雲さんについての雑感。
舞織さんはFDに回すつもりなのか、このままなしのつぶてなのかは正直わからんねえ。
あるかどうかは、あのイントネーションの良さが消えずにエロ声を出せるかにかかっている(マテ

八雲さんはまあなさそうよね。
結ばれるためには、八雲さんが邸に戻ってくるとかの超展開が必要になるし。

更に追記はDL主人公ミニシナリオ3にて、ちょっとしたミスの発見。
導入とラストで彰と晶子が通話してるけど、ルピナスって寮も携帯禁止じゃなかったっけ?
花乙本編中に晶子へ潜入を報告させられてる場面で、ロビー兼食堂っぽい所にある電話で通話させられてたし。
古い作品とはいえ、自社のものなんだから忘れちゃダメね。

ちょっと蛇足文、ここからは読む必要なし。
導入自体はわりとひどめではあるものの、八雲の存在が救い。
女装の元凶ではあるのだろうが、それでも学校という閉鎖された空間の中で、1人でも絶対の味方がいるのは違う。
その辺の境遇としては、同ブランドの『桜舞う乙女のロンド』の主人公である葵は最悪だった。
味方枠であるはずの妹が暴走して、その結果自身も桜花会に入らされたり、絶対的な味方が皆無な中で葵は頑張ったほうだと思う。
若干その辺に絡む要素の話として、個人的にエッセンスで一番嫌いなのは皐月だが、その一番の理由は『このブランドにおける主人公を男だと気づいた(もしくは疑っている)ヒロインの行動』から外れている点。
これまでは、本人に直接告げるか、対外的には完全に知らない振りをするか、少なくとも主人公が不利になる行動はしてこなかった。
それなのに、『千弘が男であると気づいてない』はずの皐月が千弘に向かって平然と「女の子は~」とか無神経に発言するあの様子は、到底許容できるものではなかった。
完全に面白半分であり、そのせいで周囲にバレた場合フォローのしようがないのに、あの行動は『年上の余裕』とは全く映らない。
ただのライターの暴走かなあ、うーん。
そんなこんなで好きな人には申し訳ないと思うが、このキャラを攻略する価値は微塵も感じない。
また、共通ルートでルート分岐とは関係ない選択肢があったのも良かったと思う。
キャンバス、ロンド、アリアとシナリオ分岐の選択肢しかなかったからねえ。
日常の描き分けができるようになってきたのは、いい傾向だと思う。
そろそろensenbleには長期の女装ものをやってみて欲しいんだが、今の状態だと望み薄かなあ。
まあ少しずつ尺を伸ばしてくれればいいか。
あと一部のDLCを期間限定にするくらいなら、期間後に販売してくれないかなあ。
そのほうが嬉しい人はいっぱいいると思うんだが。
後からタダでよこせってのはお門違いだし、気にする必要ないと思うんだよね。
むしろそういうところでしっかり稼いで、次の作品に注力して欲しい。