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violinsさんのそう、あたしたちはこんなにも理不尽な世界に生きているのだらよの長文感想

ユーザー
violins
ゲーム
そう、あたしたちはこんなにも理不尽な世界に生きているのだらよ
ブランド
自転車創業
得点
81
参照数
554

一言コメント

自転車創業には珍しくシナリオに対するゲーム性の比重が高めの本作。量があるうえ難易度的にも上手くばらけており、ゲーム性で言えば間違いなく自転車初心者からファンまで幅広く楽しめる作りになっている。…しかしながら、「こんなにも理不尽な世界を突き付けられるのだらよ」。

長文感想

まず始めに。
自分はまだやっていない(…というか取り寄せしたけどまだ届かないのだらよ(´・ω・`))ですが、続編があります。
「だらよ3」の存在を知らずに本作をクリアしたならば、「ふざけんな!」と言いたい気持ちもわかります。
ぶっちゃけ未完だろ、と。(そういう意味では続編があるというよりは前編・後編という捉え方のほうが正しいのかも)
更に言えば、ええ、理不尽なんです。タイトルに嘘偽りはないんです。
ポイッ!! (ノ゜▽゜)ノ ⌒【HAPPY】

なので、「だらよ3」もセットで買ってください!……と言えばいいのかな?(汗
ゲーム性(=謎解き)に関しては非常に素晴らしいのですが、セット購入が前提とも言える分、
自転車創業初心者の方にはやはり「LOST COLORS」が勧めやすいです。
ノベルゲーに飽きたときにでも騙されたと思ってやってみて貰いたいものです。




※詳しいシステムに関してはOHP、体験版、私が書いた他の感想(少なくとも序盤にネタバレ無し)を見るなりして下さい。
<ゲーム性> 

難易度的には

ロスカラ≧だらよ>>>>>あのすば/新装版>>不動産/新装版

といった所でしょうか。
後者ふたつは記憶管理がメインとなるので、言ってしまえば虱潰しでも自力攻略可能。
「ロスカラ」に関しては記憶管理に留まらない「ゲーム性」が際立ち、故に解けない人は永遠に解けない可能性も…
「だらよ」はまず量的に優れており、更に難しい(≒気付きにくい)ものから易しい(≒気付きやすい、ヒントが多い)ものまで満遍なく揃っている。
適切な場所で適切な記憶を覚えていれば良い、という記憶管理によるもの以上の「ゲーム性」も備わっています。
ノベルゲーなんだし確かにテキストの比重は高いです。
けど、テキストだけでできてる訳じゃないですよね?

また、「ロスカラ」に勝る点として各地点の相互利用の高さ(=関係性の大きさ)が挙げられる。
A地点で得た記憶をB地点で使うというのは当たり前だが、A地点でのある行為がB地点に影響を与える。
複合的に組み合わさっている為、更に頭を使って考える必要が出てくる。
…言い換えれば行ったり来たりを余儀なくされる要素が更に強い為、そういうのが嫌な人は辛いかも知れないが。
 (そもそも繰返し、行ったり来たりを面倒に思う人には自転車創業自体あまり向いていないけれども)




<シナリオ・キャラ>

シナリオについては本作は良くも悪くも素直すぎる。
(過程の)描写が薄めなのはいつもの事と言えるが、その都度手元にある材料から予期した通りに進む。
「だらよ3」の大まかな展開に関する材料や貼られたっきりの伏線も用意されているのだが、果たしてどうなるか。
プレイ後追記するかも知れません。


キャラについては毎度同じく奇人・変人よりだが、魅力的なのも相変わらず。
多少やり取りにくどさが目立つが、各々のキャラの核心はしっかり見せる為理解しやすく入り込みやすいかと。
「ノゾミ」「カコ」「ミライ」「セツナ」「ナガル」(「アキラ」はどうだろ?)と、明らかに名前が意味深ですが、次に持ち越し。


つまり、「だらよ3」までやる必要があるってことなのだらよ。