Theほっこりゲー。くすくす×NYAON×ぱれっとに求めていたのはこれですよ。純粋さ・素直さ、そういった柔らかでまっすぐな感情を「子どもらしさ」と表現するならば、どのヒロイン、どのキャラもほっこりとしたあたたかさをもち「願い」という想いを秘めた「子ども」である。まじめに「実妹」をやったなずな、右肩上がりのぽんこつ神様、少し不遇な幼なじみの水希、そして振れ幅の極端な「恋する変態乙女」絢音たん。 「先輩の全身を、くまなく拭った筈のバスタオル―― 『すぅ………』何となく、顔に押し当てて大きく息を吸い込んでみる。 『はふ………』 洗剤の香り。だけど、微かに………」
冒頭でもシーン回想でもない物語途中をぶつぎって体験版に入れるのは大変でしょうけど、
上の台詞にも見られる絢音たん(*´Д`)ハァハァな4章を入れて欲しかった。
数百人くらい買う人増えたって。きっと。
音声全部聞いた時間。「クリック後もボイス継続」あり。
2:38/第一話(=体験版1部分)
2:33/第二話(=体験版2部分)
2:19/第三話
2:27/第四章(選択肢一個目、絢音or先へ)
2:50/絢音
3:10/絢音承前
2:36/第五話
2:18/第六話(選択肢二個目、水希or先へ)
2:48/水希
2:21/水希承前
2:26/第七話
3:01/第八話(選択肢三個目、なずなor香奈恵)
1:49/なずな
2:35/なずな承前
2:57/香奈恵
3:13/香奈恵承前
計:42時間1分
CG数:計602枚(差分含む)、SD:13
内訳(差分含まず)‥香奈恵:26、絢音:22、水希:21、なずな:21、その他:5
BGM:29曲+OP,ED,キャラ別挿入歌4曲 (予約特典のサントラはOP,ED+15曲)
シーン数:香奈恵4、他3ずつ(フェラ、二回戦などはいち枠内)
何箇所か、「服→下着→裸」の過程で下着姿が10クリック程度で終わるのにも拘らず
差分を用意しているんですよね。
くすくす一番の魅力は立ち絵なんですが、こういう全体的な丁寧さが満足感を高めます。(信者目線)
(お気に入りは、なずなが身体を奥のほうに向けながら半分振り向いてるのと、絢音たん
の手を口元にもっていっているジト目・照れ、そして前かがみになったごんの太ももの
エロス。‥‥彼女、オンナノコですよ?)
以下、ネタバレ度は高いと思います。ご注意を。
プレイ時間の書き方見てもらえればわかるように、フラグへし折って次に進むタイプです。
例えば第五、六話は水希が中心の「共通√」ではあるんですが、そこはもちろん個別に入って
からも主要キャラ達(ヒロイン's、会長、陽菜子、ごん、りん、珠美)の出番が多いのがほんと
に嬉しい。
「仲間・ともだち」でわいわいしているのを見るのが好きというのもあるが、「実妹」問題を
扱うなずなシナリオに顕著に示されているように、その「関係」があるからこそ「二人の世界」
の虚しさを強く表現できている。
お互いが「好き」ならそれでいい、という閉鎖的関係は本作の雰囲気に全く合わない。
どのシナリオでのカップリングも、周りの関係に包摂され続ける。抜け出さない。
キャラ造形もそうですが、このあたたかさもまた、くすNYAぱれっとの持ち味ですよ。
まあ、主人公のヘタレっぷりも残ってますがw
「フラグへし折り型」というか「脱落型」というか、「G線上の魔王」と同じく本作で採用
されてるこのシナリオ構成とキャラ配置が見事にマッチしているのは素晴らしい。
「共通部分があって、そこでの選択肢である地点から個別に分岐していく」というよくある
型を本作が採用していたとしたら、なずなの「過程」、絢音の「急進さ」が削がれていたし、
True扱いの香奈恵の〆の魅力も減っていた。
だからといって他ヒロインが香奈恵の踏み台になっていない。これはキャラ萌えゲで大事
なことだと思います。
以下、シナリオ順につらつらと。
◯絢音
ぼっちだけどさみしがり屋の絢音は、表面に出なくとも喜怒哀楽に素直なキャラなんですよね。
偽らない。偽れない。
だからこそ念願の「ともだち」になれたなずなに対しては百合っぽさも感じるほどの親しみを
見せるし、一度恋に落ちたらタオルどころか主人公をクンカクンカするわ毎夜オナヌーに励むわ、しかも
オナヌーを本人その他の前でバラされるわそりゃーもう愛情を示す訳ですよ。
今まで(しょうがなく)「ぼっち」になろうとまとった鎧を剥がされれば一気に溢れ出す。
鉄は熱いうちに打て。その「急進さ」が第3,4話及び個別という配置と噛み合っている。
しかしその「急進さ」というのを主人公は持ち合わせていないために、主人公の「好き」
が軽くなってしまっているが、まあしょうがない。
そんなことより不満だったのは、3,4章でこれでもかと「おしっこキャラ」としてキャラ
付けしたのに、エロシーンではおもらしないとか何なの(#^ω^)
「緊張したらトイレが近くなっちゃうんです」とか言うなら初Hで入れても良かったじゃん。
オナヌーで快感馴れしていた(w)というなら、二回目の野外Hで最中に動物が「ガサッ」と通り過ぎ
ビクッとしちゃうのもアリじゃん。
おしっこ(=随意)とかどうでもいいけどおもらし(=不随意)で恥ずかしがってる絢音たん
が見れないとかまじ何なんだよ‥‥‥。。
そんでもってまさかの香奈恵におもらしとは。違うんだよ。そっちじゃないんだよ‥‥。
◯水希
一言感想に不遇と書いた水希ですが、時として悪役を買いもするような不器用さに(周りの
おとなしさに比べれば尚更な)積極性・攻撃性があるので、根は優しくいい子であっても
一段劣(って見え)るんですよね。
悪いと思いながらも止まれない。香奈恵への「願い」など最たるもの。
ほっこり世界における、キャラのこの尖り具合がちと痛々しくもあるのと、なずなのように
シナリオ押しもできなかったという面に不遇さを感じる。
とはいっても、個別最初は"うざ"バカップルっぷりに引き笑いをしつつ、結構巧くオチ付け
たな、と。
キャラ自体は共通部分とか他√の時の方が輝いていた気がしますね。
「ツンデレ」且つ「公認夫婦」としてのヤキモチ・火消しはもちろん、フラグ折られてから
それでも「またチャンスが巡ってきたんじゃ?」という場面でのしおらしさとかすごくかわいい。
◯なずな
妹に限らず幼なじみなど昔からの積み重ねがあるヒロインに共通したことだが、
①最初から異性として「好き」(明示、非明示問わず)
②好意が、異性としての「好き」になる。変化。
基本的にこの二種類に分かれると思うんですが、なずながメインになる第七話まで②だと
思ってましたよ。
なずなが語るまで兄妹愛以上のものを感じたユーザーの方が少ないんじゃないかなー。
確かに絢音√ではなずなの嫉妬があり、それに対して絢音が「異性としての好きかわから
ないけど」なずなは主人公が『好き』だと言っているが、本人達が言うようにブラコン・
シスコンの枠で充分理解できる「依存」なんですよ。
元々引っ込み思案の性格をしていて、更に車椅子生活が加わった。そして両親は多忙。
これで(落ち度を感じてる)兄に依存しないほうが無理って話で、恋愛としての「好き」で
なくとも絢音に嫉妬する、(急速な)兄離れに耐えられないのも自然。
(なずなを「好き」だった)会長には半ばバレていたが(これも会長の告白まで半々くらいの
予想だったんじゃないかなーと思います)、第七話まで「兄妹」として「仲間・ともだち」
関係に溶け込んでいた。ユーザーとしてもそれを蔑ろにできないほど長く。
そして、本人達だけでなく周りも「兄妹恋愛」を「おかしい」とは思っている。
「吐き気がするほどロマンチックだね?」(「何処へ行くの、あの日」)まではいかなくとも
水希ははっきりと拒絶の意思を突きつけるし、他のキャラ達も「しあわせになってほしい
けど、躊躇なく祝福することもできない」という困惑が見える。
他キャラもそうなんだが、何より『家族』である水希が拒絶した「二人の世界」でしあわせ
になれるはずがない。
ちゃんと逃げずに「しあわせ」を求めたことと、なずなという一番の「子ども」キャラの
性格が強くでたシナリオに満足しました。泣いたなあ。ラストCGも素晴らしい。
もし挿入歌が「雛鳥」(「もしらば」)レベルだったら更に、だったけれども。
◯香奈恵
見事な右肩上がりでした。絢音√など要所になると紛れも無い”神様”してたし。
使えない”神様”だなんだといじられまくってますが、芯が強いんだな、これが。
物語全体に亘っていざって時の強さを、「おとな」を見せるのがまた憎い。
個別√はまさかの引きで始まったわけですが、サブキャラとして娘(ロリっ子)を出すの
は卑怯だよね。なんたるかわゆさ。
敢えて欲を言えば「だっこ」してもよかったんじゃないかな。
パパー、ナデナデシテーもめっっっちゃかわいいんだけども。
シナリオについては多くを語る気にはなれないのですが、香奈恵と祐也たちが感じた
「割り切れなさ」と、香奈恵譲りのロリっ子ゆみかの強さ、そして「Happy end」。
間違いなくしあわせが待っている、けれど‥。というバランスがくすNYAぱれっとらしい。
最後の一枚絵見てほっこりしないわけがなかった。
いい〆でした。