山場になるほど心理描写がシナリオに圧される傾向にあるが、夏の空気が強く感じられるしエロやエピローグにも尺を割いていて欠点が少ない良作だと思います。爽やかでさらさらの汗7割、べたつく汗3割ってとこでしょうか。が、主人公が青臭いのははいいとしても、ひなこ√で判明する過去話を知ってからから彼女への接し方を鑑みるとマジ◯ねと思う。
音声は6割くらい聞いた気がします。「クリック後もボイス継続」あり。
7:22/翠+共通
2:51/ひなこ
3:48/美沙
4:25/理香子
計18時間26分
CG数(差分含まず):理香子24、翠19、ひなこ19、美沙16、その他4
シーン数:3回ずつ(2回戦とかフェラとかは一枠内)
BGM数:20曲+OP,ED
以下、批判をメインにネタバレ満載で書きます。
◯翠
個別最後で、謹慎受けてた主人公が部活に復帰する展開の中、翠がマネージャーとして一緒に
(自分から退部した立場上戻れないだけでなく)戻る気がないと言い出す。
で、(共に復帰すると思っていた)主人公が理由を問いただしたりするも翠は曖昧に躱すばかりで
バイトに明け暮れる。一週間まともに口聞かないとかいう場面も。
この理由っていうのがスポーツ栄養士という夢を見つけたことによる学費稼ぎなんですが、
別にやましくもない、目標が固まりかけの途中だったからといって、翠が主人公を苦しめる
態度を取るかというとありえない。
気配りができるいいキャラなのになんで貶められたかというと、ここで落としておいて
後のブランコの(夢)告白シーンで盛り上げるため。
典型的な、キャラがシナリオに動かされるっていうやつです。惜しいよなぁ。
よくシリアスに「悪役」を出す展開が見られるが、その「悪役」が誰かというのは重要な
ファクターです。
主人公(鈍感、勘違い、先走り‥)か、ヒロイン(理香子、翠)か、
第三者(美沙√の婚約相手。お嬢様ヒロインの許嫁とか典型)か。
大雑把な分類で云々言うのも余り益がないですが、萌えキャラゲーでヒロインの魅力を
下げられると(正確に言えばそれに気づくと)すごく残念な気持ちになるんですよ。
また、初エッチが(少なくとも主人公からしたら)ただ雰囲気に流されてるだけで、
そこから告白に進むというのは、「悪友キャラ」の魅力である恋ゴコロの発信・受容
として性急すぎじゃないかと。主人公が鈍感だとしても。
恋ゴコロの発露はすごく良かったんですけどねー。
駄菓子屋のベンチに座ってアイス食べてるCGは最も好きな一枚。
欠点を二つ書くのに長くなっちゃいましたが、翠は当たりヒロインであり、
満足いくものでした。
◯美沙
バランスは一番良いんじゃないでしょうか。あんまし好きなヒロインではないですが。
生徒と教師の恋愛という禁忌。
禁忌って呼ばれるほど「禁忌」って感じはしないんですけどね。
この禁忌ゆえに別れ話が出たけれど、結局「卒業するまで待つ」という妥協点に
落ち着かなかったのは、若さとねねちゃん(娘のような姪)の思いと校内エッチの魅力か。
◯ひなこ
過去話ってのは、主人公が引っ越すときにひなこからキスをしたというもの。
んで数年後にひなこも主人公を追って同じ高校に入学。甲斐甲斐しく世話焼いてます。
確かに「好き」とまでは言ってなかったと思うが、ひなこの気持ち考える気ないよね。
一志(=主人公の親友)がひなことデートしたいってことでそれを取り持つ場面で
「宗くんが行けって言うなら」と言うひなこはすごく不憫です。
この一志とひなこのデートが、それを見守る主人公と翠のデートとリンクして翠√でも
描かれるんだが、翠がひなこの気持ちに気付いてもそれを口にしても主人公は認めようと
しない。というか耳を貸す気にすらなってねー。
まあこのような自己中さはわからなくもない(恥ずかしながら身に覚えもある)んだが、
ムカツクもんはムカツク。
主人公◯ねばいいのに。
なんとか両思いになったら、話の盛り上げがストーキングというよくわからん展開ですが、
声優さんっていうかふーりんの声だけで「萌えれりゃなんでもいいやー」と思えてしまうのが
恐ろしい。
◯理香子
ほいきた、めんどくさいヒロイン筆頭。
異母姉弟モノ→親の反対(世間はそうでもなく、本人達も葛藤より感情優位)
+卑屈で怖がり(精神的弱さ)ということで、作中最もべとつく汗の割合が高い。
シナリオ展開をヒロインの性格(頑固だけど臆病、父親との暮らしに見られたように
「あったかさ」も知っている)を主体にしているのはキャラ造形が崩れてなくて
好印象なんですが、そもそもめんどくさい性格なんで話もめんどくさい(笑)
いくらセンターヒロインだからといってスタッフロール後のエピローグに話3つ
(音声聞いたら30分ほどか)は長すぎてくどかった。
それでいて、理香子のみ個別√途中でEndが変わるかのような選択肢を用意したのに
無意味というのは‥‥
その選択肢というのは、付き合い始めてからの場面で、理香子を養子にするか否かを
母親に問われるものなんですが、こういうポロッと出る「本音」で理香子への態度・
想いがすれ違っていくとか見てみたかったんですけどね。
そこまで作る体力はなかったか。