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vicinityofobscenityさんのおしえて☆エッチなレシピ -アナタとワタシのあま~いせいかつ!-の長文感想

ユーザー
vicinityofobscenity
ゲーム
おしえて☆エッチなレシピ -アナタとワタシのあま~いせいかつ!-
ブランド
ひよこソフト桃組
得点
89
参照数
1657

一言コメント

「聞けよ! 勝手に食うなよ! 人の性器を!」

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

『おしえて☆エッチなレシピ』ですが。

メイン二人について少し書きます。パッケージでどーんと乳を露出してるお二人です。抱き合って双乳を闘わせている二人。彼女ら完全に誘ってます。乳の張りを競うのみならずカフス&カラー&ニーソあとは裸などとマニアック極まりない服装で上目遣いで覗き込んできてリボンなんか咥えやがって舌まで出しおって襲ってくださいと言わんばかりです……が逆なんです。それは巧妙な罠でありアンコウが額にぶら提げてる疑似餌であり端的に言ってこの二人、人の性器を勝手に食います。


・フェラゲー
二人のフェラチオにおけるスタンスは百八十度異なります。

ピンクの子:まずい!もう一杯
青の子:うまい!もう一杯

ピンクの子から始めましょう。「まずい!もう一杯」ですがより正確には、「うえええ……にがいいれしゅようぅぅ……(笑顔で)」「おいひくないいぃ……きもちわるいれしゅようぅぅ……(笑顔で)」「ごくっ、んっ……おいひくないぃぃ……にがいぃぃ……あまくないようぅぅ……んんっ……(笑顔で)」。これだけで概略は察していただけるものと思います。初フェラチオからこれなので主人公も若干引き気味です。
「ぢゅっ……ぶじゅるっ、じゅるるる……舐めても舐めても……んんっ……にゃれにゃい味れひゅよ……ぢゅぶっ……」
「素直になれよ……慣れまくってるだろ……」
「ひょんにゃことはありまふぇん……んぢゅっ! ぢゅりゅうぅぅぅ……っ!!」

ピンクの子(以下ピン子)は最後までこのスタンスです。精液=まじゅい、くちゃい、にがい、おいひくない、にゃれにゃい。

あーなるほどあまのじゃくなのねと納得しそうになりますがそうではないようです。精液はいつまでもまじゅいままであって調教後においしいおいしい言って舐めだすよーな事態にはなりません。エロゲーでよくある、まずいけど好き!でもありません。実はこのまじゅいは新語でして、彼女の中ではまじゅい≠まずい、となってます。

どういうことかと言うとこの子にとってはまじゅい≒苦い、です。ついでにおいひいも新語でおいひい≒甘い、となってます。後に無理やり押し倒してきて男性器を引っ張り出しおもむろに蜂蜜を塗り始めるシーンがあるんですがそこではおいひいおいひい言って舐めてきます。おいひいと甘いでは微妙な違いがあるらしく、謎の使い分けがされています。アイヌ語で雪が三十種類に分けられてるようなものでしょうか。流石パティシエの卵、味には一家言あります。

くちゃいについても同様で後に彼女は鼻の穴に精液塗られたり鼻から精液垂れ流したりするわけですがその間やたらニコニコしてます。耳でセックスするのは駄目だけど鼻はアリとか言い出します。ピンク髪のこの変態は想像するにくさや(くちゃい)やカカオ99%チョコレート(まじゅい)を食べるような感覚でフェラチオしているものと思われます。けど好き!ではなくて、から好き!まじゅいから、くちゃいから好きと言う感覚みたいです。確実にズレてますが、この子は天然さんなのでプレイしていて妙な説得力があります。それで、フェラチオされる側からすると自分を全肯定されてるような不思議な充足感があります。このフェラチオするのは好きで当然みたいな空間、女の子がフェラチオ単体を大いに楽しんでいる空間、不味いけどあなたが好きだから頑張るねとか何言ってんのみたいな空間にずっと浸っていたくなります。その点、公園でおもむろに下半身を露出し「とりあえずノルマ三回な」と性器を咥えさせる主人公も光ります。

続いて青髪の子。後輩。この子も内心ノリノリでフェラチオしてくれる処はピンクの子と同じです。さらに素直においしいと口に出してくれる(実際には口に出されるわけですが米笑)天使のような女の子です。その意味で「うまい!もう一杯」。ただ、より正確には「お口も恋人、です……んんっ、ちゅるるっ……」「出すのは私のお口ですよね」「先輩のぷりっぷりのザーメンは、私のお口に射精するんです。勝手に出そうとしちゃいけませんよ?」「お仕置きしますよ、先輩。私に黙って射精するのは、許しません……」。と、精液にやたら拘泥します。普段はクールな後輩がこれなので主人公も若干困惑気味です。
「先輩?」
「ん?」
「……お願いがあるんです」
「何でも言ってみなさい。こう見えて度量は半端じゃなく広いんだ」
「お、お尻を舐めてもいいですか?」
「それは断る」

この子の場合フェラチオは様々な役割を担っています。前述のように純粋に楽しむものであり、浮気を防ぐための措置であり、主人公の分身との対話であり(頻繁に男性器に話しかけます)、精液を飲むための手段であり、優位性を確立する方法であり、毎日の歯磨きとなっています。

後ろ二つについて補足しておきます。優位性については、本番行為に到ると頭のネジが緩くなってしまうことの揺り返しと考えられます。どれくらい緩むかと言うと「あぐぅっ! んぎっ……おとうしゃまぁぁ……っ、おとうしゃまごめんらしゃぃぃっ……わらひ、しぇんぱいのおひ○ぽにしゃからえないれしゅうぅぅ――!!」「にゃうっ! お、おかあしゃま……わらひは、どしゅけべ勃起ち○ぽ奴隷でしゅうぅっ、おま○こじゅぼじゅぼされりゅと、エッチなまんまん汁溢れさせちゃうんでしゅようぅ……ッ」。これでも割と平常運転です。他にも「んひぃ、んひぃ!」としか喋れなくなったりします。また頭のネジだけでなくお股も緩みおもらししがちです。そんな感じなので普段の自分、クールなツッコミ役、リードするタイプ、への回帰の手段(照れ隠し)として彼女にとってのフェラチオがあるようです。

また最後のですがこれはこの子の性癖と関連してます。うまい!もう一杯ですか。行為中彼女は神妙な顔つきで、ガラガラうがいを始めます。うがい液はもちろん精液です。ぐちゅぐちゅ、とかぢゅぎゅぢゅぐ、とかやりだした挙句ごっくんして空っぽになった口の中を見せてきます。あまりに自然にうがいする流れになるので(歯磨き→うがい)プレイしてる間はイエス、イエス!と熱く拳を握ってしまいますがなかなかアブノーマルです。当然のように歯ブラシは男性器です。しかもこれが一回じゃなく三回ほどあります。ライターの一押しなんですかね。赤髪の子にすら1うがいあります。

青髪のこの子についてはフェラチオの内容如何と言うよりそこに到る流れに力が入れられてます。主導権握りたがったりヤンデレっぽくなってみたり嫉妬したりお尻に興味があったりする彼女の心情が一回一回反映されているわけです。そこの文脈を含んで眺めるとかわいらしくていい感じです。フェラ萌えって単語は……流行りませんね……。


・素晴らしい呂律の回ってなさ/淫語
ここまででお気付きのものと思いますがこのゲーム、女の子の呂律が最高に回ってないです。ふにゃふにゃと言うか”にゃんにゃん”です。ちょっと古いですか。何が他の抜きゲーと違うかと言われたらフェラ押しと同じくらいこのにゃんにゃん語を押してます。にゃににゅねにょ、ひゃひひゅへひょ、みゃみみゅめみょ、りゃりりゅれりょとくるわけです。もうすっかり理性は飛んじゃってます。午前三時みたいな手紙を書いてはいけない時空です。そこに天才的なボキャブラリの淫語が混じります。まんまん、おくらおち○ちん、おくちおにゃほ、ハメ穴おにゃほ、発情スジま○こ、短距離おま○こ、エッチなお肉穴とくるわけです。短距離とか今見てもワケが分かりません。またまんまんですがこれは接頭語になっているので応用の範囲が広くピー音も被りません。ここに挙げたのはあくまで一例でして他にも淫語が満載でかつ独創性に富んでいるため、いつ後ろから撃たれるか分からないドキドキ、ときめきがあります。


・萌えゲー、抜きゲー、ギャグゲー
とここまで褒めて来ましたが、シナリオはひどい。プロット立てたの誰だよ。どこが駄目以前に構造上の欠陥だらけです。基本的に全ルート話の流れは同じで、
(1)恋仲になる
(2)主人公「俺フランスに帰るわ!」
(3)気まずい
(4)お互い頑張ろう
(5)エピローグ・再会
という風になってます。駄目なのは(2)でここで突然主人公が「フランスには師匠が……」「俺の夢は……」「師匠には世話になって……」とぐだぐだ御託を述べるわけですがそれは理由として成立してません。ゲームは主人公が日本に帰国する場面から始まります。それからヒロイン達と出会い関係を育みます。そしてフェラチオする仲に至ります。(2)までもまたそれからも、プレイヤ視点ではフランス生活は一切存在してません。描写がないのに大切に思えなんて無理な話です。小学生でも分かります。お母さんと知らないおじさんどっちが好きって話です。傍らにフェラチオしてくれる女の子が居るって言うのに天秤に乗せる相手がそれで、しかもうじうじ悩み出されては冷める一方です。俺はパティシエになりたい?彼の将来なんてプレイヤには知ったこっちゃないです。せめてパティシエ修行の話書いてからそれ言えって話です。もうガンガン冷めていきます。妹と結ばれたいが世間が許さないって展開くらい冷めます。抜きゲーと言うこともあって真面目に書いたところで誰が褒めてくれるでもないのでさらっとまとめて欲しいのですが長々やっちゃってます。そこはマイナス。

そんな訳でシナリオについては無かったものとして見るといいと思います。テキストは面白いので。id:Tyrantさんの感想にもありますが王雀孫のフォロワーっぽい文章です。私立ぬるぬる女学院あたりにリスペクトの跡がうかがえます。ギャグゲーとして、個人の意見ですが『恋愛0キロメートル』とかより面白い気がします。


・まとめ
良いゲームだと思います。エロイし。フェラ顔かわいいし。SMプレイする時のとりあえず低温ローソク垂らしとくかみたいななあなあ感が無く本気でフェラチオに取り組んでいる気概を感じたんです。自分の舌で旨いと確かめたものしか出さないみたいな職人の心です。さらにうがいと言う独自の色も出してきます。CGの構図もちゃんと咥えて、上目遣いで、肌色も見せてと相当練られてます。ただお尻舐める時青髪の子の舌がゲテモノっぽいのと主人公の顔が幾つかのエッチシーンで出張ってくるのと七理さんの机の下フェラ一瞬で終わるのとイケメン強調されすぎてなんかヘコむのと青髪の子の三連フェラが回想だと最後しか収められてないのだけは一生許しません。