ナース!巨乳!ガーターベルト!
ナース!巨乳!ガーターベルト!
高度経済成長期の三種の神器と言えばテレビクーラー自動車ですが、エロシチュエーション的三種の神器が何かと言ったらナース!巨乳!ガーターベルト!で間違いないでしょう。ナ巨ガーの取り合わせはアダルトビデオでは非常にメジャーなジャンルです。ところがエロゲー的にはそれに比べ不遇をかこっている感はぬぐえません。ナースにおまかせ夜勤病棟ナースのお勉強白衣のご奉仕、と一応それなりのラインナップはありますがあれ結構ありましたね。結構ありました……けれども数年でコレだけかという思いもまた少なからずナ巨ガーのファンは持っています。果てしなきは夢限りなきは欲望とはよく言ったもので日中日夜我々は新たなナースさんとの邂逅を夢見悶々と眠れぬ夜の明くる間を過ごしています。過去には東男に京女ということわざがありましたがそれはナースという存在が日本に到る前の話でいわばスパイスの入っていないカレー、パティの入っていないハンバーガーといったところでナースした現代としては患者男にナース女と言い代えてしまってよいのではないかと思う次第。そこにまた、右手の止まらない僕と(略)が加わりました。ひとこと言わせていただくと、
ありがとうWAFFLE!!
エロゲーでこの取り合わせに出くわした時に一番がっかりするのがシーンに至ってガーターベルトが消えてしまっている時。二番目にがっかりするのがナース服が白でペラペラだった時。そして三番目がガーターベルトの絵がテキトウな時なのですけれどこの右手(略)はその点素晴らしかったです。網目までしっかりとは言わずもがなちょっとふとももの肉に食い込んでみたりベルトはぴんと張って機能を果たしており騎乗位の時には留め具が少し浮き頼り無さ気にみえるところで僕は万感の想いに捉われて、気づけば涕涙し握り拳をぐっと固く作っておりました。あくまで抜きゲーですから、リアリティとか段階を踏むとかそういったものは捨て置いてついでに理性とかもその辺にほかしてしまえばもう世界はピンク一色。勿論ナース服のピンク一色で視界は染め上げられてただ射精に到る機械のようになってしまうこと間違いないです。
といったところで僕はWAFFLEの回し物ではないのでこのゲームの徳を賛美しつらねるのはお仕舞にしてそんなことよりもっと高尚なことを考えましょう(パンツをはきながら)。ガーターベルト、それは永遠の夢。人類の歴史の一里塚。そもそも何故我々はガーターベルトに惹かれるのか。これを落ち着いて分析してみましょう。まずガーターベルトという装具はストッキングを吊るために存在しています。安直な帰結としてストッキングがしっかりと上がっていることに魅力を感じるのか?これがガーターベルトの魅力といえるのでしょうか。想像してみるとしかしきちんとした服装の人だなというくらいの印象で魅力とは言い難い。ハートに訴えかけるものがありません。しかもエロゲーですから物理法則をちょっとはみ出したところで誰も文句は言いませんつまり吊らなくてもストッキングは落ちやしない……ここがまず問題で、ガーターストッキングの機能が消失しています。するとファッションとしての空な機能しか残されない。ガーターベルトをしている状態ではスカートからベルトが伸びてクリップないしボストンのストッキングに噛んでいる様子が見られますが僕はポイントはそこにあると思っています。延長そして接続です。まず万人の認める事実としてスカートというオカルトの函は男性にとって神秘であって触れたいが触れがたいものであります。そこからベルトが伸びてストッキングという我々の地に足のついた存在に接続されているという事実。仮説ですが、それが天から伸びる蜘蛛の糸に似て不安定な我々を安寧の地へ導いてくれているのではないでしょうか。安寧の地すなわちユートピア。これは元々「どこにもない」「手の届かない」という意味の言葉からの造語でした。親しみやすいところで言うとnowhere、どこにもない、という単語があります。これを逆から読んでエレヲンという名の理想郷を描いた小説が19世紀にありましたがこれはユートピアという単語の成立と全く同様です。つまりこの手の届かない夢というニュアンスを暗に篭められた、我々のユートピアであるスカート。このスカートの中という目に見えない神秘を理解する糸口の役割を、ガーターベルトはその接続というシンギュラーな性質によって担っているのです。日本人が感じる魅力というものの代表元として「奥ゆかしい」という言葉があります。これは奥の方に行きたい、もっと知りたいというくらいの意味で今風に言えばミステリアス、に近い感覚の表現です。スカートという触れがたいものが、そこからガーターベルトが伸びることによってソックスという身近なものにリンクしている。これによって手の届く存在に変えられる。これまでは太ももという途方もない壁を前にただ見上げるばかりであったスカートの中が、ベルトを辿っていくことで到達できるものへと変換されたと考えることができます。故に奥ゆかしさという魅力を我々はガーターベルトを装着した女性に感じるのではないでしょうか……(遠い目)