良いゲームではあると思う。ただ、手放しではほめづらい。そういうゲーム。
2015/5月に加筆修正。同社のカミカゼエクスプローラープレイ後に追加。
良いところ
グラフィック
絵は素晴らしく綺麗で文句なし。自分は本作がクロシェットのゲーム初プレイだが、ぶっちゃけるとパケ買いである。ショップで絵が綺麗やな~と思って気になって、このサイトでの評価を見て、まあそこそこ楽しめそうという感じで買いました。いかにもなエロゲー的乳袋や、そんな服実用はきっついやろと言いたくなるくらいの過度のフリフリレースなど、コテコテにエロゲー的な衣装もいいですな。
別ゲームのレビューでCG差分が100枚超えててすごい!と誉めたのが今となってはちょっと恥ずかしいと感じるくらい差分が多く、登録数200を超えてるものも。ただ、顔パーツの変化を全部掲載してる感じなので実質ではどうなのかなとは思いますけどね。
あと、最近のエロゲーは表情差分がシームレスで移行するのも割と普通なのでしょうか。これも別ゲーのレビューですごいと絶賛してしまったのがちょっと気恥ずかしい感じに。本作も普通に同じことやってましたから・・・w いえね、自分はエロゲー全盛期が10年前くらいでして・・・ここ5年くらいの発展は知らなかったのですあんまり。
他では、作中ゲームのモンスターの絵も意外に頑張っていてびっくり。エロゲーの絵師さんって偏見だけど絵の幅が狭い人が多い(美少女だけ得意で男がダメ、おっさんおばさん爺さん婆さんが描けないとか)印象だったので・・・
などと感心していたらモンスター絵だけ別の人なのね(苦笑) というか、アリスソフトにいた桐島さんでしたか。お元気そうで何よりです。
Hシーン
グラフィック、及びテキストとの連動になるがHシーンに関してはなかなかに良い。
プレイの内容そのものはスタンダードだが声優さんの演技力とほどほど長めの描写で実用するには十分な火力がありました。ただ、このテキスト面では難も無いわけではありませんが・・・
Hシーン登録数は各ヒロイン5個、璃々子だけ6個と全体に少なめですが、テキストが長めなので満足感はそれなりにありますね。
気になった点
グラフィック
基本的には誉めるポイントなので、あくまでも個人的感想レベルで気になったという話を。
自分はヒロインの胸は大きいと嬉しい、いわゆるおっぱい党派閥に属してはいますが・・・本作のヒロインたちは友梨亜以外は皆大きい。いやむしろでかすぎるw 自分としてはこれくらいでもドンと来い。むしろ巨乳ファンタジーとか余裕でやれますし大好き。
ただ、この人の絵としてはどうかなという印象がどうしても・・・もう1回り小さいくらいのほうが綺麗に見えるんじゃなかろうか?と思ったんですよね。絵柄に対してはご立派過ぎる感があったのです。あと、ゲーム中では気にならないようになってますが公式HPの各ヒロイン全身イラストとかを見てると下半身がやけに小さいというか。胸周りの情報量が大きすぎて他が貧相に見える感じがしました。特に脚が短く感じますね。
ゲーム中の立ち絵やCGでは気にならない程度(胸のでかさは別)だったので、わざわざここで言うことも無いだろうとは思ったのですが・・・一応記載しておきます。
システム面
コンフィグ設定に関しては良好にまとまってると思うので特に問題はありません。
まああとはシステム面というよりもグラフィック面に近いのですが・・・何でHシーンでの選択肢がほぼ皆無なのか?
いわゆる「口に出す/ぶっかける」「中出し/外出し」みたいな選択肢が杏音のHシーンの1つしか存在しないのですよ。カミカゼとかもそうでしたね。差分作るのってそんな面倒かい???
CGモードの差分を見ていると相当な量があり、例えば口戯の結果を後の挿入シーンのCGが受け継ぐ形式になっていたのでメーカー負担が大きかったのだろうというのはわかるのですが・・・やはり選択はさせてもらいたいところですねえ。杏音だけ実装してしまうとむしろ不公平感が出てしまうじゃないですか。ならいっそ無かった方がまだマシかとも思えてしまいますし。いや、無いのはそれはそれで問題だと思うけども。
テキスト、シナリオ、設定
シナリオは及第点ではある。ただ、予想通りすぎてあまり外してこないので拍子抜けする部分が多かった。上記しているが自分は本作がクロシェットのお初であり、それで気に入ってカミカゼなどに遡ったのだが・・・
うん、本作が「カミカゼに比べると・・・」と言われるのがよくわかる。ハッキリ言ってシナリオは弱体化していると断言していい。
まずキャラクターがだいたい似たり寄ったり感があるのが気になった。
例えば両作で一番の巨乳キャラの琴羽と桜花でも共通点が非常に多い。主人公にガチ惚れでものすごくテレテレになってしまうのが全く同じだし、胸の大きさがある種コンプレックスになっているのも共通。恋愛に発展する前段階で、自分は主人公に選ばれないと諦め気味なあたりとかも。
妹もガチ妹(血縁)で、でも主人公に惚れていて、そのへんはゆるめに許されるところも全く同じ。男性キャラの悪友綿貫にいたってはカミカゼの浜北と殆ど一緒で、スケベ野郎のせいでモテない残念イケメンかつスポーツマン+年上の教師に恋してるのがまんま一緒とか、バリエーションとか工夫ってのはねえのかよここは!と呆れてしまった。まだプレイしてないがプリズムリコレクションも心配になってくる。ここの点数更に低いしな。
これでシナリオがマシならもう少し許せるが、その肝心のシナリオもカミカゼに比べると大した山場も緊迫感も少なく、だらーっと長いだけで面白味が圧倒的に低下してる。カミカゼはヒロインの持つ暗い陰とか意外にシリアスな終盤の展開とか、そういうのがストーリーにアクセントを与えて面白味を出していたのが、本作はただ「キャラが可愛い」だけで大体話が終わってしまう。
こりゃカミカゼに比べると・・・って言われるわ。両作品はシナリオライターは1人以外共通では無いから比較するのが間違いとはいえ、ちょっとこれは見劣りするよ。進化したのはシステム周りと絵師のおっぱい分の増量だけかと嫌味の一言も言いたくもなる。
キャラクター短評
雪之宮杏音
可愛さ抜群のメインヒロインだが公式人気投票で2連続で(ヒロイン内)最下位撃沈というダメっ子(苦笑)
一言で言うとどうしようもないレベルのダメオタ。、頭は並程度で頑張らないとすぐ危険領域な上に重度のゲーマー、腐っていてホモも百合ネタも大好きと色々ダメすぎである。でも可愛いから許されるのだ。それでいいのだ。
個別シナリオに入ってからは、姉の菖蒲さんが予想以上に残念な姉バカぶりを発揮してくれてとても面白いですw
内容は・・・まあ予想範囲のテンプレ的かな。でもゲーム的にシナリオゲーというよりはキャラ萌えゲーなので無難にまとまってればそれでいいと思います。
星咲桜花
自他共に認めるほどのチョロインっぷりが可愛い子でした。
バストサイズ最強過ぎて、こりゃ日常生活相当苦労しそう・・・まあそれはいいとして、ゲーム嫌いを払拭してだんだんゲーマー的に染まっていく過程が楽しくて嬉しいキャラですね。ゲーマーって、布教が大好きなんですよね。自分もゲーム関連だと何かを教えるのが大好きですし。とにかく主人公に対してはテレテレの甘々で、それがすさまじく可愛い子。公式の人気投票2連覇は伊達じゃない。
敷島なつめ
お隣に住んでいるお姉ちゃん。基本的に誰に対しても分け隔てなく優しい人だが、主人公の妹である璃々子も含めて海棠兄妹に対してやや甘いという感じですかね。父親がいわゆる「ゲーム脳」とかを真に受ける感じのゲーム否定論者で、その抑圧を受けていますが・・・抑圧ゆえに興味を抱いたが最後、こそこそゲームをやるようになって気がつけば超ゲーマーとなっていたお姉ちゃんです。シナリオ展開としてはゲームを抑圧していた両親との対立から本音をぶつけて納得してもらうものという、予想範囲内過ぎて拍子抜けは正直してしまったかも。そのきっかけはすごかったけど。
紅藤友梨亜
他の子と違うのは乳サイズだけではなく、主人公への好意もかなり早い段階から自分の中で折り合いをつけてしまうことでしょうか。他のキャラが「あれ、これって恋なの?」みたいにヤキモキしだす頃にはとっくに心は定まっちゃう感じですね。そこからカップル成立までの流れは友梨亜のテンパり具合と暴走具合がとても面白く微笑ましい感じで非常に良かったです。特に友梨亜の母親を味方につけたところは爽快で、かなりノリがいいお母様で素敵。こういう風にアクセントが利いてるとシナリオもほめやすいんですけどねえ・・・他のキャラはちょっと平坦すぎる気がする。
海棠璃々子
うん、なんというか・・・僕は友達が少ないの小鳩ちゃんあたりがベースで、ニャル子を足した感じがするんですよね、この子w ゴスロリ服で邪神崇拝厨二な感じの残念妹。でもスタイルは鬼レベル。友梨亜との掛け合い漫才は見事でしたw 実妹ということで折り合いをどうつけるかというところには注目してたんですが、割とあっさり認められてしまいましたね。まあ本作であまり重い展開にするのもどうかとは思うので、これくらいでいいのかもしれません。
まとめ
萌えキャラゲーとしては絵も素晴らしく良く、Hシーンもそれなりにしっかりしていて、満足度はそれなりに高いです。システム面や音楽などでも弱点は無く、平均以上のものは出している。
ただ、個人的なフィット感としてはやや厳しめに評価。上記しましたがシナリオが過去作と比較して平凡なのはシナリオライターの変更など別の要素もありますので仕方ないところもありますが、特に冗長でダレたのが難ですね。日常描写がもう少し活きがいい作品だったら良作と胸を張って言えるのですが、いろいろ惜しい。
結局、カミカゼと比べると・・・と言われたのはシナリオのせいなんですよね。それ以外の部分は正統進化しているのだから、あとはお話次第。やや壮大な話にもっていったカミカゼと比べると本作はいかにも小さく、緊迫感に欠けました。
ただ、萌えキャラゲーとしての一定以上の水準は持っていますので駄作ではありません。お値段分の萌えを提供してくれる堅実なゲームであることは保証いたします。
自分のレビューは基準点が75で、それ以上ならばまずまず楽しめてます。
80点つけたのは、本作は萌えエロゲーとして平均点は取ってるのと絵の好みで加点という感じですね。
その割には一部辛辣な文面になりましたが、加筆で少しこねくってしまったのでご容赦ください。