紗衣奈とカイの関係を綺麗に落とし込んでいたのが良かった。
楪紗衣奈の一番大事なものは「記憶」(一章の孤児院での会話より)であり、
夢や恋愛感情、行動原理など全てのきっかけがカイ。という描写によって
好きだった人(の自分にとって一番大事なもの)に残り続ける。という
ミリセントの「全てを救いたい」理想を綺麗に落とし込んでいたのが素晴らしかった。
また二人の、二つ目の能力を隠していた理由や発想、テキストまで似ているのは
(物心付いた時から能力を隠していた為直接的に関係はないが)(同じ秘密を抱えている者同士なので)
能力でそれも見抜いていたであろう紗衣奈が、カイに惹かれた一番初めの理由なのかもしれないと思った。
・以下、作品全体について
シナリオ、世界観、キャラクター、演出、伏線、テンポ感、どの要素もかなりクオリティが高く良かった。
細かい部分で惜しい要素も感じたが、広げた風呂敷の大きさやテーマを考えると十分だと思う。
メインであるミリセント√内でレイリとソフィアの個別√とほぼ同じ内容をなぞる事や、
ソフィア√が中途半端で、余ったサブキャラが大量死するシナリオは惜しいが
あくまで物語の本筋はミリセントのシナリオであると考えると
大量のミスリードを残す「ミリセント√への伏線張り」としては面白い展開だったと思う。
・レイリだけHシーンのボリュームが少ない
ミリセントとソフィアはafterで「2種類の体位CG」が用意されおり、
日が変わる描写や目のハイライトが消える「連続行為」という最も魅力的なシーンがあるのに対し
レイリは1シーンのみでがっかりした。
くすはらゆいさんは特にこういったイチャラブ作品の連続行為シーンが上手いので、
レイリというキャラの魅力も相まって過去最高のHシーンになりそうだったのが惜しい。
あのプールのシーンのボリュームを増やし最後まで描写するアペンドを是非出してほしいです。