世界の成り立ちや歴史、英雄の力の継承など世界観の設定がよく練りこまれている。シナリオはどれも良く出来ていて引き込まれた。キャラに関してもメインだけでなくサブや敵キャラまできちんと生い立ちや背景が練られている。声優陣も良いキャスティング。CGもイベント絵だけでなくカットインCGやデフォルメ絵と結構多い。一度クリアしてもう一度プレイしたいと思う作品に久々に出逢いました。
世界の成り立ちや歴史、英雄の力の継承など世界観の設定がよく練りこまれている。
壮大な世界設定の中、ドラゴニュートにスポットを当てた身内同士での物語という感じで狭い世界で話が完結するのが残念だが、キャラの設定・立ち位置を考えるとこのような展開になるだろうし、決してボリュームがないわけではなく、うまくまとめ完結しているし今作はこれで良いと思う。
もし続編が出るなら、セルマENDから他のミスティックワンをまき込んで世界を舞台に…と、今回活かしきれなかった設定をうまく利用して描いてほしい。続編を期待し、それが出来る余地があるぐらい大きな世界設定である。
シナリオはどれも良く出来ていて引き込まれたがやっぱりセルマが一番かと。
個別に入ってからも結構ボリュームあるし、ルートによってラスボスも違うし、進むにつれ徐々に明かされていくヒロインの秘密や苦悩。その秘密も自分のルートで全て明かすのではなく、別キャラのルートでまた別の秘密が明かされたりとキャラの作りこみと物語が奥深い。
ラストバトルまでは熱い展開だが、エピローグは割りとあっさり。その中で気に入ったのはヴァレリアとガラ。
ヴァレリアルートではラストバトルが終わるといきなり300年後にジャンプ。物語の中でヴァレリアは自分が一番長生きして1人だけ残されるのを嫌がっていた。
自分としてはそこが気になっていたが、エピローグはどうせラストバトルが終わって数日後ラブラブした日常を描いて終わり…と思っていたのでその展開は驚いた。
どちらかというと数日後を描いて終わる方が楽なのに、あえてヴァレリアが1人残された世界を描き、それを悲しいまま完結するのではなくうまくハッピーENDに昇華している。
ご都合な展開だが個人的には良い終わり方だった。
ガラENDは少し寂しい終わり方になっているが、だからこそ心に残るものがある。最後、エルネスタに支えられ夕日に向かって歩くCGはグッとくる。
各ルートでの不満点を少し挙げれば、
セルマルートは、コゼットをもう少し活躍させてほしかった。あと、セルマに自分の正体を明かすシーンがほしかった。
エピローグであっさり仲間の輪の中に入っていてびっくり。ラストバトルに絡みつつ正体を明かすとかを期待していただけに残念。せめてエピローグでワンシーンほしかった。
ヴァレリアルートは、ラストバトルが終わった後、兄妹の会話がなかったのが残念。
雪ルートは、これもエピローグなのだが雪ENDとガラENDでガラ自体に差がありすぎではないかと…
これだけ最後の方に不満があるということは、やっぱり締めがちょっと物足りないのかな。
攻略順はヴァレリア→雪→セルマが、一番伏線やキャラの裏の顔を最後に残しつつ楽しめると思う。
キャラに関してもメインだけでなくサブや敵キャラまできちんと生い立ちや背景が練られているので、キャラが立ってるし敵キャラの行動も理解できるし物語を熱く盛り上げている。
どのキャラも魅力的だけどこれもやっぱりセルマが一番。気丈に振舞ったり弱いところを見せたり腹黒だったり焼きもちやいたりと色んな表情を見せてくれるし、声があっている。
声といえば声優陣も良いキャスティングですね。
セルマ役の佐本さんはもちろん、ヴァレリア役の九条さんもキャラにはまってます。
男性キャラはもちろんシドでしょう。
ベイルやレイスも良かった。
CGもカットインCGやデフォルメ絵をいれると結構多い。
イベント絵は綺麗だし、なにより頻繁にカットインやデフォルメ絵が入るので物語を盛り上げるし飽きない。
立ち絵も服装はあまり変わらないが、表情は豊か。
それとデフォルメ絵を立ち絵と同じように使用して演出しているのは個人的には初めての作品で凝ってるなと思った。
立ち絵とデフォルメ絵のニヤッとした黒セルマが良いですね。
Hシーンは、もともと無くても充分楽しめそうな内容の作品にしては数はトータルではある方だと。
それでもメイン3人にはもう1シーンぐらいほしかった。
終盤盛り上がってるとこに入れるとぶつ切りみたいになるので、ラストバトルとエピローグの間ぐらいに…
ムービーも良く出来ていて作風に合ってるし、映画みたいな出来。
それにあわせて曲もかなり良い。
OP曲はロックでこれからの盛り上がりを連想させるし、ED曲は前奏部分のメロディーが壮大な世界と物語の最後を包み込んでいる感じに聞こえ余韻に浸らせる。
長々と思ったことを走り書きしましたが、一度クリアしてもう一度プレイしたいと思う作品に久々に出逢いました。