切なく遣る瀬無い経験を糧に成長する主人公を描いた、まさに「意欲作」であると思う。
思っていた以上にシナリオの出来が良くて感心してしまいました。
真之や卓とどれだけ付き合いきれるかどうかでこのゲームに対する印象は人それぞれ変わってしまうと思いますが・・・
ただの世間知らずのガキだった真之が、赤線に関わる人と交流し成長していく様に私はとても心を打たれました。
自分が「正しい」と思っているよりもより多くの「正しい」事を取捨選択して生きていくということ、
それが「大人になる」ということであるならばどれだけ世の中は不条理に満ちているか!?
・・・本当になんとも色々考えさせられる作品でした。
ただボリュームが少なめだったのが残念。共通部分が多すぎなのも減点ポイントですね。
昭和ノスタルジーを彩るキーワードも所々で出てきたりと、雰囲気の良さは随一だと思います。
それに、ゲームの雰囲気とRけん氏の絵のタッチが非常にマッチしていたと思います。
地味に演出も良かったですね。特に挿入歌、「ここで使ってくるのか!」と心底驚かされました・・・泣きましたよ、正直。
立ち絵も状況に応じて窓ウインドウと使い分ける等、工夫も見受けることが出来ました。
因みに、OP曲がゲームに合ってない!という意見が強いですけど、個人的にはこういうのもアリかなと。
寧ろOPムービーを見て購入を決めたという自分みたいな人って極少数なんだろうな・・・なんてふと思ったり。