正直、これ程まで拒否反応が出たゲームはなかった。だからこそ評価したいゲーム。
まずゲームとしての評価ですが、全体的にCGや音楽のクオリティが高かったです。声についても当時の有名声優を取り揃えておりクオリティは高かったのですが、フルボイスでなかった事、特にちとせに声が付いていなかった事が非常に残念で仕方がありません。華子は声アリだったのに……解せないのでこの点はもう大減点。シナリオについてはどのシナリオも判りやすく、ドラマチックな展開で楽しめました。特に第四章の「お土産」エンドはお嬢とちとせの優しさに振れ、涙を流さずにはいられませんでした。(だからこそ、ちとせに声が欲しかったんだ…)
で、拒否反応が出たシナリオというのが第一章の伊月シナリオ。双子の姉妹が同じ少年を好きになってしまうという「三角関係」を描いたシナリオ、と一言で済んでしまう話なのですが、伊月が彰を愛するあまり恋敵の自分の妹を殺そうとした場面、それと、死んだと思っていた小夜が実は生きていたという事に何の感情も抱かない彰を、どうしても自分には受け入れる事ができませんでした。「人を愛する」という事がそんな理路整然とした感情で済ませられる訳が無いというのは理解できるのですけど、綺麗事でいいからハッピーエンドで終わる話が見たかったな…とか思ってしまいました。とはいえ、これ程改めて考えさせられたシナリオも他にそうある訳ではなく、なんだかんだで第四章と同じ位第一章を私は評価しています。……嫌いですけどね。