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una08さんのクナド国記の長文感想

ユーザー
una08
ゲーム
クナド国記
ブランド
Purple software
得点
81
参照数
535

一言コメント

言葉で、文字で、拳で、人と繋がり変わっていく。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

言葉で、文字で、拳で、
人と繋がり変わっていく。

変化は恐ろしいけど、
認めることで前に一歩進める。

―明るい前向きな物語でした

◆◆―目次―◆◆
1.優里√ 感想
2.茜/葵√ 感想
3.春姫√ 感想
4.夏姫について
5.雑多な感想
◆◆――――◆◆

※的違いな事を書いてたらすみません。
 寛大な心で読んで頂けると幸いです。

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1.優里√ 感想
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個としての意識や価値を認められない、
厳しい世界で生きてきた彼女。

その様な女性が個を見出し、
不器用ながらも愚直に成長し
夢見て再度、歩み始める物語。

―――

何物でもない彼女が、
運命の巡り合わせから信と出会い
個を獲得していく様が良かった。

同一集団の中から一歩抜きんでることは、
とても勇気のいることで覚悟が必要だろう。

それでもカントという集団を尊び、
八剣に敬意を持ち行動することを選ぶ。

時には感情を爆発させつつも、
素直で真面目に歩んでいく彼女に
心を奪われました。

―――

最後に、
美少女に睨まれ、
罵られるって良いよね…

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2.茜/葵√ 感想
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二人でひとつの
つよつよ可愛い双子姉妹が、
個を持ち始め成長していく物語。

―――

どちらかといえば茜ちゃんが好み。
ドヤ顔仁王立ちが好きすぎる。

「カントを鉄鬼から守りたい。」
その心秘め統治者へ登り詰めていく。
カントの民を愛し、愛される。

茜ちゃんが話を聴かないのは、
風の能力で遠くの話が嫌でも聞こえるから。
常に聴かないようにすることで自分を守る。

しかし統治者になれば、
この能力を遺憾なく発揮できるだろう。
良い意味でも悪い意味でも、
民の本音を聞くことが出来き
その意見を基に政を進めれる。

―――

葵ちゃんは
お姉ちゃんを守ることが全て。

カント最大火力として、
一乃神となりお姉ちゃんを守護する。

√選択肢付近のCGで葵ちゃんが、
“アマツツミ”の蛍の様に見えて
何かゾクッとしまいした。

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3.春姫√ 感想
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余りにも
教科書的で模範的な優等生に
わがままとエゴを与える物語。

―――

夏姫によってつくられた彼女。
模範的で自分以上に他人を気遣え、
常に民に対して感謝してきた。

人としての私欲や強欲が抜けていた。
しかし信との交流の中で変わっていく。

夏姫の帰還に対して、
自分が言霊使いであることも放棄し
自らの欲望を言葉にしてぶつける。

春姫の変化と自我と欲の獲得に
感情を動かされた。

―――

腹ペコ可愛いキャラでした。

あと教室で致すシチュも
健在で何かクスッときた。
言霊の伝統芸能ですね…w

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4.夏姫について
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彼女が真に願うはカントの民が
平穏に過ごせる自由な世の中。

次に願うのは自らが人である、
という人間性の再確認。

―――

極まってしまった言霊使い故、
自分が人間である意識を持ちにくい。

兄の冬人が離れてしまった後、
他人が居なければ自分が人間である
ということに自信を持てない。

故に春姫をつくってしまった。

そこには一乃神として
黒神に挑むための子孫を残す仕来りと
カントを思って言霊使いを、
という心遣いもあってのこと。

誰しも一人になってしまえば、
とても寂しいもの。
自分が人間的な特徴を併せ持ってない
とするならば、それはより一層だろう。

―――

黒神と融合してからは
「死」を欲していた。

死は生きている人間の証として、
最も明らかで終わりだから。

永遠と存在するということは、
生命では無く無機物だ。

達してしまうと自然や環境へと解ける。
それは言霊使いの運命。

そして抗う為に夏姫は死を求めた。
愛する冬人に送って貰い、本望だろう。

ここは同ブランドの「アオイトリ」
“メアリー”の話を思い出した。

う~ん、、、
ここまで書いて整理しても
完全に夏姫を理解できた気がしない…
何か一歩先に達してる感じ。

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5.雑多な感想
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綺麗なハッピーエンド。
良かった…が、、、、
もう少し負を味わいたかった。

過去作の要素を上手く用い、
壮大な人類復興劇を表現。
 ・喫茶店
   アマツツミ
 ・腕輪
   電話の悪魔(アオイトリ)
 ・夏姫の死生観
   メアリー(アオイトリ)

やっぱり最後まで読んでも、
優里が好きな気持ちは変わらなかった。
この物語の象徴は彼女。

―――

▶その他脳内に浮かんだこと
・信に対してマブラヴオルタの
 00ユニットを連想した。

・でっかいちゃん(燕)
 おっとり可愛いかった。

・CV.小倉結衣の夏姫が
 怖くもあり、儚くもあり
 良い演技でした。

・設定等の詳細な考察は
 上手く咀嚼出来てないので
 有識者へお任せしますw

―――

最後に―

過ぎていく感情、
湧いて出てくる言葉。

ふとしたタイミングで忘れていく。
だから人はそれを書き留める。

書き留めた言葉は文になり、
初めて人に伝えることが出来る。

何かが、読んだ人に
伝わったら嬉しいです。