兆しから生まれる、小さくも大きな、奇跡の積層。
雪が降り積もる季節に
色が変わっていく。
兆しから生まれる、
小さくも、大きな
奇跡の積層。
◆◆◆◆ 目次 ◆◆◆◆
1.スヴェ√ 感想
2.美玖 √ 〃
3.香子 √ 〃
4.タイトル画面 考察
5.その他 感想
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【参考情報】
攻略順:スヴェ→美玖→香子
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1.スヴェ√ 感想
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スヴェが可愛く、愛おしい。
なぜなら様々な魅力が心に響いたから。
・素直なところ
・まず行動するところ
・感謝を真っ直ぐ伝えられること
・欲張りなところ
・感情豊かなところ
・動物が好きなところ
・気を許した人には一切
恥ずかしがらないところ
挙げていけば、際限ない。
喜怒哀楽が激しく、
せわしない彼女に引き込まれた。
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「スヴェの両親へ記憶違い」について
父親が母親にきつく当たり、
夫婦仲が良くなかった。
スヴェ自身は母親からのみ、
愛されていたと記憶。
しかし事実は異なり、
母親からネグレクトを受け、
反対に父親に育てられた。
小さい頃母親からの
愛が受けられなかったことから、
自分を守るためにもそういう記憶に
捻じ曲げていたのかもしれない。
自分の根本が覆り
不安定になってしまったが、
宗冬・美玖・香子・広中の
4人の大切な友達をお陰で立ち直れた。
私事だが、
私の両親も離婚している。
その為、共感できる箇所があった。
それは「幼い時の記憶が曖昧」なこと。
離婚したのは、私が幼い時では無いが
いつから両親が不仲だったのか、
明らかな記憶が一切無い。
上手く親が隠していたのか、
それとも自分の記憶が曖昧なのか。
当時の状況を聞いてみたい気がするが、
私にはそんな勇気も無い。
その言葉を発した時点で、
今の関係性が崩れてしまう恐怖感。
過去が明るみにしてでも、
現在を壊したくない。
変わるって怖い。
今が心地よいなら、
その環境にいつまでも
浸っていたい。
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「スヴェと宗冬の恋愛を
そっと見つめる美玖」
美玖自身、
宗冬が好きかどうかで言うと
“好き”とはっきりと明言。
しかしそのタイミング、
兆しが無かっただけ。
ちょっとした出来事の差、
それが積もりに積もって偶然に
スヴェと宗冬が結ばれた。
一歩引いた目線で、
二人を見つめるその目。
寂しくもあり、
嬉しくもあり、
悔しくもあり。
複雑な想いを胸に秘めて、
過ごすことのできる
懐の大きさ、寛容さ。
√に入って無いながらも、
丁寧な心理描写に心惹かれた。
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2.美玖√ 感想
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様々な感情が入り乱れ、
暴風の様に激しく渦巻く。
その中で
言いたくないこと、
思ってもないこと、
誤解されるようなこと、
言葉がポロっと漏れてしまう。
自分の中で思考がグルグルと。
自らの気持ちを簡潔に形容し、
相手に伝えることは難しい。
しかし人にそれぞれ
違いがあるからこそ、
伝えるための努力をする。
その努力の過程が積み上がり、
美しい物語となっていく。
―――
美玖√というか、
幼馴染√っぽい印象。
美玖と結ばれることで初めて
広中が自らの今までの行動と、
宗冬に対する気持ちを自覚する。
仲の良い幼馴染三人でも、
いつまでも同じとはいかない。
年を重ね、
それぞれ将来へ向かって
変化し決断しなければならない。
その決断には必ず変化が生じ、
苦痛が伴うかもしれない。
でも、
まだ、
きっと、
どうせ、
だぶん、
いつかは、
過去を懐かしみ、
出てくる言い訳は沢山ある。
虚勢を張ってでも、
前に進まなければ
そこに道や轍は生まれない。
―――
告白した際の、
雪原に寝そべるCG。
手つなぎ最高かよ…、、、
二人の感情が重なり、
触れ合うことで繋がり、
暖めあい、共有していく。
美玖、可愛すぎる…
―――
親友がただの良い人
ではなく、人間味をしっかり描く。
美女ゲのあるあるを
あえて崩していく。
公式HPには
「1人1人が主役で脇役の群像劇」
と記載がある。
まさしくその通りで、
等身大でありのまま。
人が人らしい感情を丁寧に、
男同士の喧嘩まで。
ぶつかって分かり合う。
美女ゲでは希少な男同士の
ドラマを見ることができ、
とっても大満足。
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3.香子√ 感想
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誰しもが、素直に頑張って
前に進めるわけでは無い。
辛いときは逃げたいし、
逃避して、ゆっくりと休みたい。
しんどい気持ちを共有したい。
そして自分の本当の気持ちに
正直に向き合う為には、
凄まじいエネルギーが必要。
辛いから、
しんどいから、
努力が必要だから、
夢物語だから、
変わらないといけないから、
自分で蓋をしたものを
開けるのは本当に難しい。
だけどそこに向き合い、
開けようと足掻くことが
本当の成長へと繋がっていく。
―――
香子√の流れを
ざっくりとまとめる。
(無粋かもですが…)
①:双方
共感から好きになる
②:宗冬
好きになった人のために
医者になって支えたい。
③:香子
変わってしまう宗冬を見て、
不安になる。そして変われず、
その場にとどまる自分に嫌気がさす。
④:宗冬
変わらない過去に対して、
説教して、仲違い。
⑤:香子
熟慮出来る「時間」
素直に気持ちを伝えた「結」
年長者からの後押し「うー婆」
様々な人のサポートを受け、
自分自身がやりたい事を
はっきりと認識して前に進む。
自分の進むべき道を、
変わる自分を、
他を巻き込む決意を。
意思を持って進んでいく、
そんな香子の姿勢に感銘を受けた。
―――
宗冬の一度決めたら、
最後までやり遂げる。
そこが素直に凄いと感じた。
自分はそこまでは、
真似できそうに無い。
覚悟して、
やりたい事のために
変わることを恐れない。
主人公っぽいなあ…
と、しみじみと感じた。
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4.タイトル画面 考察
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タイトル画面、近さ順に
「香子」→「美玖」→「スヴェ」
これは宗冬との、
“心の距離”がどれだけ近いか。
それを現すのかな、と思う。
【香子】
手伸ばせば、届く。
そんな距離感。
性格的に、
最も近いのが香子。
元々、我が強く無い
宗冬にとっては、
比較的簡単に歩み寄れる。
【美玖】
踏み出せば、届く。
そんな距離感。
最も近いように見えて、
絶妙な距離、
それが必要。
重く苦しい過去があるから、
近すぎず、遠すぎず。
それでも幼馴染として、
さり気なく、宗冬を見てくれる。
【スヴェ】
近づいて捉えなければ、
共に歩めない。
そんな距離感。
パット見た感じは
目線が合ってないのが、
スヴェって感じ。
(我が道を逝くイメージ)
しかしよくよく観察すると、
雪を受け止め、上を見ている。
これは、今は亡き
母親を思い焦がれている。
その様に感じる。
あくまでも彼女が
南逢瀬に来たのは、
母親を追ってのこと。
2人と比べて、少し遠い。
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5.その他 感想
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【タイトルについて】
「ユキイロサイン」
タイトルの意味を考えてみた。
ユキ :雪が降り積もる季節に
イロ :色が変わっていく
サイン:兆しから生まれる、
小さくも、大きな
奇跡の積層。
※サインだけ長いな…w
「サイン:Sign」
符号、記号、信号、合図、手まね、
身ぶり、標識、標示、掲示、看板
兆候・前兆・痕跡・奇跡
―――
【BGMの良さ】
心に沁みる。
美少女ゲームとして、
文字や声を決して邪魔しない。
それも主張がないわけでも無く、
感情を刺激してくれる。
しんしんと降り積もる雪のように、
無いような有るような。
それでも、あることで
確かに得られる感情は変わる。
―――
【√外ヒロインの扱い】
たとえルート外といえど、
ヒロインが蔑ろにされない。
各々が明確な立ち位置を持って行動する。
それがそれぞれの
結果に結びつく。
どこまでも丁寧な物語。
そう感じた。
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【CVについて】
「スヴェ:北大路ゆき」
可愛く元気な役が素晴らしかった。
北大路さんを、今まであまり
意識出来ていなかった。
元気な子の役をまた見てみたい。
「美玖:猫村ゆき」
かなりクールなキャラで、
珍しい気がする。
でも全く違和感なかった。
凛々しい時、
可愛い時、
悲しい時、
演じ分けが素晴らしい。
美玖が美玖してた(語彙力)
「香子:実羽ゆうき」
大変失礼ながら、
存じていなかった。
しかし可愛い後輩感を出しながらも、
感情を爆発させるシーンもあり、
とても素晴らしかったです。