ErogameScape -エロゲー批評空間-

una08さんのさくら、もゆ。 -as the Night's, Reincarnation-の長文感想

ユーザー
una08
ゲーム
さくら、もゆ。 -as the Night's, Reincarnation-
ブランド
FAVORITE
得点
95
参照数
429

一言コメント

愛しき相手との、心の共有を。きっと結末が幸せな、自分だけの物語を記述しよう。愛するものを救う、ヒーローになるために。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ーーーーーーーーーーーーーー
ーーー!ネタバレ注意!ーーー
ーーーーーーーーーーーーーー



愛しき相手との、心の共有を。

きっと結末が幸せな、
自分だけの物語を記述しよう。

愛するものを救う、
ヒーローになるために。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆◆◆◆ 目次 ◆◆◆◆
1.千和√ 感想
2.姫織√ 〃
3.ハル√ 〃
4.クロ√ 〃
5.世界線分岐 まとめ
6.その他 感想
◆◆◆◆ ―― ◆◆◆◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「始めに」
この物語に対して、
誰でもない私が
感想を記述すること。
それは作品へ愛の証。

証とするのは、
・理解を深めるため
・決して忘れないため
・他者との違いを明確にするため
・自らの気持ちを残すため
・心の共有のため
など様々な気持ちや欲求が起因。

私が残す証を、
見て下さるあなたへ
最大の感謝と幸福を。

※参考情報:攻略順
  千和→姫織→ハル→クロ

――――――――――――
――――――――――――
1.千和√ 感想
――――――――――――
――――――――――――
「序盤」
千和は勇気を出し告白したが、
大雅は返事をうやむやにする。

その時の千和が可哀想だったが、
大雅の返答理由をきっと、
私はまだ理解できていない。

大雅が10年前に、
約束した何か大切なもの。
それなのだろうけど。。。

◆読了後 追記
 大雅の返答が曖昧だったのは、
 まだましろに対しての想いを
 クロが吸い取って無かったからかな?

―――
「中盤」
大切な二人の“パパ”
ソルとナハトとの物語。

千和は“ヒトデナシ”の両親の元で、
少女攫い不死とする“夜の怪物”に
攫われるために育てられた。

そして攫われ、
想いの交錯は有りつつも
1年間二人のパパと
優しい家族愛を育む。

―――
「終盤」
ナハトの描いた別れのシナリオ。

それは千和に魔法を使わせないもの。
ソルとナハトに出会ったこと、
それを後悔させないために。

ナハトの愛。
それは陰ながら全て支える
という、愛するかたち。

最後には、
幸福が待っていた。

―――

千和との物語を通して、
改めて考えさせられたこと。
「好き・愛・旅」についてまとめる。

「① “好き”という感情」
好きになる、そのきかっけは曖昧。

線引きできるとは言えず、
明確なものではない。

互いの心をどれだけ
深く理解しあったかどうか。

理解が深まれば深まるほど、
それはその人への保護欲となる。
守りたい、一緒にいたい。

それが好きという感情。


「② 愛すること」
想いを寄せる人に対して、
自分なりの行動で愛すること。

そしてその行動自体が、
自分の幸せに繋がること。
それに気づければ最高だ。

・隣で寄り添い、共に歩むこと
・陰ながら支えること
双方どちらも行動は違えど、
その人を愛するということ。


「③ 旅をするって、」
踏みしめたことの無い、
未知へ歩みを進める。

未知を知り、
既知にする。

幅広い世界を
既知とすることで、
元々自分の過ごしていた
環境を再確認する。

より好きに
より嫌いに
より無関心に

識ることで変化し、
己が立ち位置を明確に出来る。
いまを知れば、次の行動が定まる。

それが旅するってこと。

―――

捕捉:「① “好き”という感情」

大雅が千和へ、
惹かれていった理由。

それが上記で述べた、
>理解が深まれば深まるほど、
>それはその人への保護欲となる。
>守りたい、一緒にいたい。
ということから。

10年前からの大切な人との記憶。
それが大雅にはある。

しかし千和との交流の中で、
彼女の過去を深く知っていく。

理解すればするほど、
いま目の前で苦しんでいる
可憐な少女を救わずにはいられない。
それは大雅がヒーローだから。

◆読了後 追記
 救わずにはいられないのは、
 大雅がましろを救う魔法の代償として
 自分自身に千和や姫織、ハルを救うこと、
 それを課したから。

―――

捕捉:「② 愛すること」

大雅とナハトは二人とも、
千和のことを愛している。

しかしその愛し方は、対局だ。
大雅 :隣で寄り添い、共に歩む
ナハト:陰ながら支える
双方どちらも行動は違えど、
その人を愛する気持ちに偽りはない。

―――

最後に、
“パパ”であるナハトとソル、
“お父さん”である遠矢。

大人な男の決断や覚悟を、
見て感じて、カッコいいなあと。

あんな風に覚悟を決めて、
どんな障害だろうが、
耐えて耐えて打ち破り。

私にはそんな覚悟が
まだ出来ないなぁ…

◆読了後 追記
 “覚悟”それは「大人」の条件。
 全ての背景や登場人物を見ても、
 ナハトとソルは突出した大人だった。


――――――――――――
――――――――――――
2.姫織√ 感想
――――――――――――
――――――――――――
「序盤」
十夜の友達との、
幾千もの“さよなら”の物語。

十夜は悲しそうな人間の子供を
見つけると、ほっておけない。
そういう“イキモノ”。

救っていった人数は数知れず。
しかしその分の“さよなら”の積層。

積もれば積もるほど
悲しみが膨れ、湧き上がる。

ただ幾多の“さよなら”の果て、
遂に大切な友達と夜で再開を。

大切な記憶をいつまでも、
忘れない想いの強さが成す
優しい奇跡の邂逅。

―――

「中盤」
姫織と“惑星のかけら”を
集める、たった1夜だけの旅路。

それは姫織の母親と同じ、
“奇跡”を起こす軌跡の再現。

“奇跡”それは命を代償に
母親を生き返らせること。

しかしその旅の中で
姫織は大雅との未来を
少しだけ想像していまう。

選びえる未来に、
ほんの少しの綻びを。

―――

「終盤」
姫織、彼女は作られた命。
それ故にお腹が減り、迷子にもなる。

この世に産まれることの無い命。
そんな姫織に命を引き換えにして、
生を受けさせてくれた母親。

そんな優しい母親に対して
“命を返し、一瞬でも会いたい”
それが姫織の願い。

そしてその願いは、
夜の死を管理する神様であるナナと
姫織の最後の魔法によって叶えられる。

緩やかなで、前向きな
ハッピーエンド。

―――

夢も、目標も、目的も、
変わっていく。
そんな人生も肯定したい。

誰もが強靭で歪まない、
夢や目的を持っているとは限らない。
世の中、強い人間だけではない。

立ち止まって、
振り返って、
迷って、
足踏みして、
絡まった糸の様な、
くしゃくしゃの軌跡の人生でも。
肯定していく前向きな心。

後ろ見たって良いことは無い。
前向きに楽しく歩み、進もう。

―――

姫織への「好き」という感情。
それが過去の大切な記憶を失い、
その代替感情であったとしても。

大雅は魔法の代償として、
大切な記憶を忘れるという
“選択”を自らの意志で行っている。

その選択を実行できることこそが、
姫織をどれだけ大切に思っているかを
如実に示している。

大切な人に対して、
痛みを伴う行動が出来る。
そんな大雅はきっと“大人”だ。

―――

十夜やナナなど
夜の“イキモノ”ならではの
苦悩や悲しみを体感できた。

千和√での人物関係など、
色々なものが明らかになった。

√をこなすごとに、
更に物語に深みが出てきて
とってもとっても幸せ。

十夜可愛いよ、十夜。
お耳をモフモフしてあげたい。

◆読了後 追記
 十夜の愛しさは世界一


――――――――――――
――――――――――――
3.ハル√ 感想
――――――――――――
――――――――――――
「序盤」
“ヒトデナシ”の家庭に生まれ
多くの運命に奔走された、
智仁とその姉、あず咲先輩の物語。

ここであず咲先輩の違和感、
その正体が明かされる。
それは“弟が心配な想い”が
夜の力で形になり残ったもの。

学園祭でライブに拘る智仁。
それは未来に飛んでしまった
あず咲へ、歌を、音楽を送るため。

弟は姉の為に、
姉は弟の為に、
それぞれの想いを抱き奮闘する
心に、行動に、覚悟に、
胸打たれた。

―――

「中盤」
自分を肯定してくれる、
優しいハルとの生活。

学園祭と
兎蛙兄弟の物語を通して
絆を深めた様な二人。

ハルの魔法実行に向け進むが、
隠された想いに気づこうとしない。

そして学園の桜が満開の中、
ハルは飛び降り自殺をしてしまう。

本物の願いへ、向き合い始める。

―――

「終盤」
明るい未来のための、
必死のタイムリープ。

ハルの過去とその本心が、
ゆっくりと明かされていく。

夜の世界でクロに出会うため
死に場所を求めていた大雅(大人)。

最低最悪な死に方であっても、
誰か一人のためのヒーローになりたい。
色々な渇望入り混じった混沌とした感情。
それに合致したのが、
まだ幼いハルであった。

母親から助けられ一緒に過ごす内に、
ハルはおじさん(大雅)に惹かれいく。

そして最後には予定通り、
死を迎えたおじさん(大雅)。
しかしそんな死を肯定出来ないハル。

“おじさんの死を肩代わりしたい”
という、強い願いを抱いた彼女は
その強い感情を認めれ
“魔法少女”となるべく過去へ。

そんな複雑な生きかたの
彼女を救うために、
過去へ飛ぶ魔法を携え奮闘する。

◆読了後 追記
 思いっきり勘違いさせられてますね。
 大雅の覚悟、想いの深さの全てを
 感じとれてない、、、
 感受性を鍛えて出直します…

―――

「“大人になる“ということ」

それは出来ることが増えて、
未来の可能性が消えていこと。

子供は出来ることが少ないが、
その分可能性に満ち溢れている。

―――

「“好き”という感情」
ハル√を経て、思ったこと。

ある人の隣に居てさらけ出す
自分が最も心地良い、
そんな気持ちにしてくれる人。

それが好きな人である。

人はその時々に応じて、
色々な仮面を被り演じ分ける。
(≒ドラマツルギー)
・家族の前では少し甘え
・旧友の前ではバカをし
・異性の前では好かれるように
・職場や学校では真面目に
・公共の場では目立たぬように

それぞれの場面や場所において、
無意識に色々な自分を使い分けている。

色々な自分の中で、
最も好きだと思える自分。
そんな状態にさせてくれる人、
それが好きな人。

大雅の場合
常に笑顔で誰かのために頑張れる、
そんなヒーローになりたかった。

そのヒーロー像を満たし、
なおかつ自分のことを“ヒーロー”と
そう呼んでくれるハルの側が
とても心地よかった。

そしてハルにゆっくりと、
惹かれていった。

―――

「憧れの輪廻」
ハルはおじさん(大雅)に憧れ、
大雅はハルに憧れる。

複数世界線に渡る物語。
廻り回って伝えられる
 感情、
 想い、
 好意、
全てが美しく響き合う。

SF解釈の余地がある物語、
やっぱり大好きだなあ。。。

ハルの告白の言葉、
「今も、昔も…過去でも未来でも、
 ずっとずっとかわらず、
 あなたのことだけ、大好きでした」
好きすぎて、気持ちがおかしくなる。

時間を越えて想い、
愛の大きさが伝わってくる。
こんな告白、見たことがない。

最後に、
そして世界線を渡る、“クロ”。
傍に居てくれる優しさや安心感。
彼女をもっと知りたくなった。

◆読了後 追記
 クロを選べば、ハルは報われない。
 選択することは悲しいこと。
 ハルも幸せになって欲しい(切実)


――――――――――――
――――――――――――
4.クロ√ 感想
――――――――――――
――――――――――――
まず複雑で美しい
この物語の流れを以下にまとめる。

! 先に5項の“世界線分岐”を  !
! 読まれることをお勧めします !

①ましろと奏大雅が
 夜の世界からの駆け落ちを決意

②駆け落ち時に現実世界で、
 大雅が通り魔に殺害される

③ましろとあの子・クロが出会う

④ましろとあの子の母親を探す

⑤あの子の母親を見つけるが、
 クロによって記憶を操作されたため
 別の娘と幸せなっていた

⑥大人に絶望した
 ましろがあの子のために、
 “夜の女王”となり全てに嫌われる決意

⑦ましろが“夜の女王”となり
 世界中の大人に悪夢を見せる

⑧あの子は自分を大切にしてくれた
 ましろと奏大雅の幸せを一番に思う。
 そしてましろを“夜の女王”から
 解放する決意を決める。
 
 “悲しみ=想像力“の強さを認められ、
 夜の女王を助けるための世界線へ移動

⑨世界線を移動し、あの子は
 千和、姫織、ハル、智仁、あず咲
 あさひさん、十夜と出会う

⑩あの子は自分の中のヒーロー像から、
 奏大雅と名乗るようになる
 (以降:あの子=大雅)

⑪「大雅 最後の魔法1」実行
  準備:様々な世界線で
     ハル,千和,姫織の“夢”を助ける
     (β、γ、A~E世界線)
  代償:“夜の王”になることで
     好かれた皆(ハル,千和,姫織)
     に憎まれ、嫌われ全ての
     世界線で殺され続けること
  魔法:奏大雅とましろを蘇らせ、
     ふたりに幸せな未来を残すこと

⑫奏大雅が通り魔に殺されず
 ましろと出会い
 幸せに“恋するための”人生を過ごす

⑬奏大雅はあの子(大雅)を助けるために
 夜の駅で大雅の肉体を得て、
 A世界線の模倣を始める

⑭奏大雅は拳銃の魔法で自殺ができず、
 大人になってしまうδ世界線に分岐

⑮クロが大人にδ世界線で
 大人になってしまった奏大雅へ
 電話で過去を語る

⑯奏大雅は自身の拳銃の魔法で
 “希望”を感じた時点に飛ぶ
(戦争前の時間に飛ぶ)

⑰奏大雅は戦争前の時間で
 あさひさんや魔法少女たちへと
 “夜の王”となったあの子を
 救うために助力を求める。

⑱皆の了解を得る

⑲ハルは大雅(あの子)がα世界線へ
 たどり着かせないために
 B~F世界線で大雅と戦う。

⑳奏大雅は“夜の王”へと
 ハル最後の魔法を使用。
 あの子(大雅)を“夜の王”となる
 前の時点に戻す。

㉑大雅は自身の拳銃の魔法を用いて
 桜の下でのクロとの出会い前に戻る。
 その際に最後の魔法を実行。
 
「大雅 最後の魔法2」
代償:老いて死ぬまでクロの姿が
   見えていること、
   声が聞こえていることを、
   クロに気づかれない様にすること
魔法:クロと同じ“イキモノ“として
   同じ時間を過ごせる世界に

㉒大雅は桜の下で
 クロに告白して
 新しい世界線へと分岐する。

㉓クロは9つの命が尽き、
 夜の世界で列車に乗る際に
 ナナに命の切符を渡される。
  ※命の切符
   あさひさんと十夜の命から作成

㉔クロは死に際の大雅と再開し、
 “あなたの人生のための物語”を
 ひらがらで代筆する。

㉕大雅の魔法実行後、
 幸せな世界に生まれ変わる。
  ・両親:奏大雅、ましろ
  ・兄弟:あさひさん、十夜
  ・幼馴染:クロ

END

―――

「物語密度の高さ」
夜の王の正体、
二人の奏大雅、
ましろとクロ、
輪廻とその意味、
ヒーローへの憧れ、

様々な伏線や情報が
大きな滝のごとく
流れ落ちてきた。

その滝の水しぶきの中、
水滴1つ1つに打たれる度に
大きく感情が揺さぶられた。

水滴1つに含まれる情報が
とても多く、重いから。

―――

「ヒーロー像の輪廻」
・奏大雅→智仁
奏大雅は父親である、
智仁にヒーロー像を見出す。

智仁は姉であるあず咲
たった一人のために、
“愛”と“勇気”の歌を送る。


・あの子→奏大雅
あの子は救ってくれた
奏大雅、ましろを思う彼に
ヒーロー像を見出す。

奏大雅はましろのために、
“夜の世界”という大きな
しがらみから救い出す。


・奏大雅→あの子
あの子はましろと奏大雅の
幸せを思い、救い出す魔法を実行する。
それは全ての人間から嫌われる、
重い重い代償と決断が必要なもの。

奏大雅はあの子の様に、
拳銃自殺が出来なかった。

奏大雅を名乗ったあの子のことを、
奏大雅本人が尊敬し、敬う。


模倣も突き詰めれば、
本物となって越えていく。
偽物が本物を凌駕する。
そんな物語が好きだ。

―――

「“好き”という感情」
クロ√を経て、思ったこと。

好きな人とは
同じ時間を、
同じ歩幅で、
生きていけるひと。

それは大雅の想いにもあるように、
>ずっと先の未来でも
>同じ痛み、
>さみしさ、
>嬉しいこと、
>楽しいこと、
>そういったすべての“心”を一緒に、
>同じように感じていける人。

“心”を共有し、
同じように感じたい。
寄り添いたい。
それが好きというなのかな。

―――

「クロとの幸せな世界を望むこと」
それはハルや千和、姫織の
あったかもしれない
幸せの選択肢を選ばすに
前に進む決意。

1人を選ぶ、それは
その人以外を選ばないこと。

決断して進むときには、
痛みや悲しみを伴う。

―――

「想像力は悲しみだ」
想像力は悲しみの
中にこそ生まれる。

現状に満足して
幸福に満ち溢れているならば、
それ以上は望まない。

反して、悲しみの中では
“こうだったら良いのに”と、
幸せな世界を想像してしまう。

それ故に悲しみそこが、
想像力へと繋がる。

“ゆめのねどこ”に集められた
子供たちがそれぞれの過去に、
深い悲しみを持っているのは
そのためである。

―――

「一粒で二度おいしい」
クロ√と題しながら、
実質はクロとましろのWヒロイン。

クロと“大雅”、
ましろと“奏大雅”、
2組が奏でるハーモニー。

お互いに
 救い合い、
 認め合い、
 助け合い、
関係性がとっても好き。


――――――――――――
――――――――――――
5.世界線分岐 まとめ
――――――――――――
――――――――――――
世界線についてまとめました。
皆様の理解の助けになれば、幸いです。
(誤りあったら、ごめんなさい)

「用語説明」
①α・β・γ・δ:仮の世界線名称
 ②大雅 :ましろが拾ったあの子
 ③奏大雅:智仁とあず咲の子供
 ④悪魔 :δ世界線でのハル自身

【 世界線 】

|分岐1
├----------┐
| ┌-------┤分岐2
| |    |
| | ┌----┤分岐3
| | |  |
| | |  |分岐4
| | | ┌-┼-┬-┬-┬-┐
| | | | | | | | |
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
α β γ δ A B C E F

【 世界線 解説 】
「α」
 大雅が“夜の王”となる決意と
 準備(β、γ、A~E通過)を終えて、
 誰とも結ばれず大人になった世界線。
 ハル誘拐犯として、世界中から
 憎悪されることで死ぬことで
 夜の世界で“夜の王”となる。
 (「最悪の死に方をしたい」と
  度々願っていたのはこのため)

 大雅:ハル(幼)を救い出し肉体は死亡
    その後、魔法の代償で
    “夜の王”となる。
 ハル:記憶と肉体を保持したまま、
   「戦争前」の過去まで戻る

「β」
 ハル√ END

「γ」
 千和√ or 姫織√ END

「δ」
 ましろと幸せに過ごした
 “奏大雅”が死後に、
 “大雅”の体を駅で構築した後
 生まれ変った。

 A世界線の“大雅”の人生を
 なぞろうとしたが、拳銃の魔法で
 自分を殺せなかった世界線。
 (2nd OP後の世界)

「A」
 ハル√のメイン世界線
 
 ハル:大雅(おじさん)の死を
    肩代わりするために
    飛び下り自殺
 大雅:拳銃の魔法で自殺し
    初タイムリープ
 クロ:大雅の死を肩代わり
    初めての命の消費

「B」
 ハル:悪魔により射殺
 大雅:2度目のタイムリープ
 クロ:大雅の死を肩代わり
   (命の消費:2度目)

「C」
 ハル:ワイヤートラップにて死亡
 大雅:あさひさんに助言を貰う
    3度目のタイムリープ
 クロ:大雅の死を肩代わり
   (命の消費:3度目)

「E」
 ハル:悪魔により刺殺
 大雅:弾丸を2発消費し、
    ハルの過去を知る
    クロから弾丸を1つ貰う
    4度目のタイムリープ
 クロ:命を1つ消費し弾丸作成。
    大雅の死を肩代わり
   (命の消費:4・5度目)

「F」
 ハル肉体:大雅により射殺
 ハル精神:魔法により分岐2前へ
 クロ  :大雅の精神をβ世界線へ運ぶ

【 分岐 解説 】
「分岐1」
 β、γ、A~F全ての世界線
 を通過しているかどうか
  通過後)α世界線
  通過前)β or γ or A~F世界線

「分岐2」
 F世界線通過後にハルが大雅へ
 今までの出来事を打ち明け、
 告白するかどうか
  しない)γ or A~F世界線
  する )β世界線(ハル√END)

「分岐3」
 各ヒロイン分岐選択肢
  ハル )A~F世界線
  その他)γ世界線

「分岐4」
 拳銃の魔法を使い
 タイムリープするかどうか


――――――――――――
――――――――――――
6.その他 感想
――――――――――――
――――――――――――
「ヒーロー像」
物語で心を磨き、
想像力を蓄える。

自己犠牲の覚悟を決めた、
そんな精神性が持つもの。
自分の全部を犠牲にしてでも。

目指すヒーローは
たったひとりのため。

真の偉大さは虐げられながらも
何とか立ち上がり、
懸命に生きようとする者たちの
日常にこそある。


私の心も物語で磨き、
いつかは誰かのヒーローになりたい。
いや思っているだけではダメだな…
立ち上がり、行動しないと。。。

―――

「沢山の偉人の名言よりも、
1本のノベルゲームを」
素晴らしい名言を聞いても、
その意味や真意を簡単には理解できない。

言葉は受け手側の知識や認識力、
背景などを元に咀嚼される。
人によって受け取り方は様々だ。

ノベルゲームはどうだろう。
音楽や絵、物語として
紡がれる言葉が補強される。
だから伝えたい真意を明確に、
受け手に伝える事ができる。

それがノベルゲームの強みであり、
言葉に引き込まれる要因だ。


“さくら、もゆ“をプレイし、
改めて自分の中でノベルゲームの
面白さが定義された。

―――

「大人の定義」
物語を通して色々な定義があった。
しかしそれは絶対的な1つの
指標となるような明確なものではない。
“大人”とはとても曖昧。

それ故に人は急に大人になったり、
年齢を重ねてもなりきれない人も居たり。

それでは物語内で語られた
“大人”の定義を紹介する。

①ひとりでも“さみしさ”に負けない
 さみしい感情を“夜”で回収し、
 処理してもらわなくとも
 ひとりで生きていけるということ。

②覚悟を決めて痛みを伴いながら
 行動できること。
 そしてその行動の結果に
 後悔が無いこと。

③大切な“さよなら”を重ね、
 痛みを覚え
 また一つ優しくなれること。

④思う通りにならない“心”を、
 思うように操って生きていくこと

⑤つらくてもさみしくても、
 まるでそうじゃないフリをして、
 生きていくことが出来ること


私の考える「大人」の定義に
近いのは、②と④だと思う。

②のキーワードは“覚悟”。
自分の行動に責任を持ち
行動の結果、現れた現象に対して
覚悟を持って向き合えること。

それが大人なのかな、と思う。
 (そもそも自発的に
  行動出来ていない自分は
  一体どうなんだろう…)

④のキーワードは“心”。
大人なら世界が自分の想い通りに
動いていかないことを知っている。

思ったよういかないから、
そんな理由から癇癪を
起してしまうのは子供。

どんなことでもどっしりと、
受け止めれる広い心。
それを持つのが大人なのかな。
(私はまだ色々なことで
 一喜一憂して落ち着いてないな…)

ということは、
子供な私はまだ“夜”に入れる!?
待ってて十夜ちゃん!!!
きっとお耳をモフりに行くよ(キモイ)