抜群の安定感。エロ方面では前作のコンセプトと水準をしっかり維持しつつ、今作はシナリオ面にも多分に力を入れてきた印象。
前作と比較して、画力は少しばかり向上しているように見えます。
一部拘束or捕食描写には、若干手抜きが感じられて残念でした。
全身覆い隠される描写は、その内部のカットを漏れなく描いて欲しかった。
過不足なく描いてくれている箇所もありますが、不十分なパートもまた多かった。
性描写そのものは、先述のとおり前作の水準をばっちりキープしています。
ゲーム性の面から評すると、攻略パターンが単純化してしまった様な印象を受けます。
例えば拘束時の脱出手段のバリエーションが、前作では
「数回こうげきで解除」「もがくと解除」「ヤられる前に殺る」
と3パターンあって、初見殺し色がとても強かった訳ですが
今作の敵はほとんどが「ノーム→もがく」のコンボで脱出できてしまい
正直味気なさを感じてしまう訳です。
(終盤でようやく他パターンも散見できます)
精霊が強すぎて雑魚攻略法がワンパターン化してしまったのも難点だと思います。
最後にシナリオ面についての言及。
前作にも、リリィの館のイベントやラザロとの邂逅など、ストーリー的な見所があった訳ですが
今作は随分頑張りました。エロそっちのけで心理描写やストーリー描写の尺が大幅に増えてます。
プレイ目的がエロオンリーの場合、ひょっとすると進行の障害になるかもしれないボリューム。
>僕は、母さんの遺言に従って勇者になった。
>村で迫害された憎しみとか、全部呑み込んで勇者になるしかなかったんだ。
>魔物との共存とか偉そうな事を言って、冒険に出たんだけど……
>結局、父さんへの反発と罪滅ぼしがごちゃ混ぜだった。
>魔物との共存がどうとか、意味も分からず唱えてるだけ。
>結局は言葉だけで、真剣に考えようともしなかった……
>理想の勇者像を造り、そこに現実逃避していた自分。
>そして、ただ掲げてきただけの理想。
>そんな化けの皮が剥がれ、その下から出てきたのは──
>トラウマと矛盾、そして現実逃避にまみれた己の姿だったのだ。
単純な勧善懲悪ではないプロッティング。
立場の違いとそれぞれの正義、無理解や偏見によって生じる諍い、憎しみの連鎖…。
旅先で起こる様々なトラブルを、人と魔物との融和を目指す為のケーススタディとして
ルカ君が大きく成長していく様は見所の1つだと思います。
そんな彼にアリスもまた感化されていき、最終的には互いを得難いパートナーとして認め合うまでになります。
>確かに貴様はドアホで、不器用で、考え無しで、危なっかしい。
>時に剣の振り方を間違え、何度も失敗してきた。
>……そんな貴様は、今まで何のために剣を振るってきた?
>何に対して怒り、そして何が許せなかったのだ?
>貴様が言うところの、「化けの皮」ではない。
>その根底にあった、最も根源的な動機だ。
>貴様は許せなかったのだろう、他者への迫害が。
>誰かが他の誰かに暴威を振るったとき、貴様は怒り、剣を振るった。
>迫害され、苦しむ弱者を見過ごせなかった──
>かつて、貴様自身が迫害される弱者だったがゆえに。
>それこそが、貴様が今まで戦い抜いてきた根源の理由のはず。
>それ以上に勇者的な動機が、この世界のどこにある?
二人が手を取り合って、真ボスや新たな敵と対峙する展開は
予定調和ですが良い感じに盛り上がったと思います。
しかし、本性を現した女神イリアスとその真意、黒のアリスとの避けられぬ衝突の予感
その辺りはいいんですが…
次世代云々、改造云々、量産云々のくだりは
いくらなんでもちょっと厨二色が強すぎやしませんかね?w
(嫌いじゃないですけどね!)
長々と書きましたが、要約すると
「コアなフェチシズムに特化した抜きゲーに見えるけど、純粋にRPGとしても面白いよ!」
ということが言いたかったのです。