当作をミステリやサスペンスと称するのも語弊があろう。他タイトルのネタバレ有閲覧注意
「遥かに仰ぎ、麗しの」との多くの共通項
ゲスト。脛に傷のあるメンバー。対話によるヒロインお悩み解決が主題
幻想的な舞台装置にMANYO氏の楽曲はベストマッチ
双子ルート。メモオフ2nd希&望ルート、Shuffleシア&キキョウルート等との類似
正反対の性格を持つ2人の少女が、相手の幸福のために自身がババを引くことを主張して譲らない
個別対話で情報を引き出してそれを共有させれば簡単に解決しそうだし、実際そうなった
空音を救ったのは主人公だけではなく、むしろ白羽の何気ない一言
無邪気な第三者からの肯定が彼女の本当の自信に繋がる
派生の沙羅ルートも含めてこのストーリーが一番面白かった
単体なら90点つけても良い
灰奈ルート。自己肯定感の欠如に透けて見える彼女の家庭環境
傷痕にコンプレックスを持つ少女が裸で泣いていたら、まともな男なら誰だってその娘を抱きしめて慰める気もする
櫂は幸運。先に見たのが優希ならNTR展開だったw
知紗ルートは3本共安牌
BADENDにもそれぞれの良さ、味わい深さがあって興じられるものに仕上がっている
対してみちるルート2本は構成、役者の仕事共に微妙で残念
紡ルートはカミングアウトのシーン等、素材は良いのに勿体無い出来
まるでコース料理なのに1~2品しか出てこなかったようなやっつけ感
拓真が死ななければならない理由づけが薄い
みちる、紡、真希奈ルートの濡れ場導入が拙速で過程や動機づけも説得力不足
真希奈ルート2周目のホラー展開は評価する
以下追記
外界から隔絶され外に出ることも叶わず、法の適用もされない館とその住人達は
ある種の極限状態にあると認ずることができる
冗長性のない環境、生存の為に鉄の結束と非情さとが万人に求められる状況
例えば大航海時代の船上の掟であったり、過酷な環境に生きる砂漠の民の宗教観であったり
この種の極限状態にあっては、掟に従わぬ者に対して、その生命をもって贖わせる事例がとても多く見て取れる
自身や皆の安全のために、大きな犠牲を払ってでも秩序を敷かねばならない時がある
それを非人道的と糾弾するのは、概ね豊かで安全な場所に身を置く者達の傲慢であろう
同様の極限状態に貶められても尚同じ奇麗事を口にできる者は少ない
つまりみちるや紡の価値観は、この楽園に限っては非の打ち所もなく正しいのである
それがどれだけ理不尽で短絡的で子供じみた考えであっても
良心を強く苛むものであっても
より多くの子供達の、身の安全と心の平穏とを守るために
選択できる最も現実的なプランであったことは疑いようがない
真希奈ルートにて、櫂は彼女を人道的な手段で救済しようとしたが
その失敗はみちる達の主張を皮肉にも裏付けるものとなった
重要なのは、信念のために手ずから血に染まって誹りを受ける覚悟と
私欲のために一線を超えることの無きよう、常に己を律すること
前者がなければコミュの高遠奈々世のように
後者がなければSWANSONGの鍬形拓馬やDEATHNOTEの夜神月のように成り果てる