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uhep0369さんのこの世の果てで恋を唄う少女YU-NOの長文感想

ユーザー
uhep0369
ゲーム
この世の果てで恋を唄う少女YU-NO
ブランド
elf
得点
100
参照数
3516

一言コメント

シュタインズ・ゲート、WHITEALBUM2プレイ後でもYU-NOは神ゲーだった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

今のゲームと比べるのは当時との開発環境の違いが大きすぎるため、ナンセンス。
しかし、そのハンディがあってもシュタゲやWHITEALBUM2に負けていなかった。
今のゲームでは表現できない刺激的なシナリオが含まれているので若い世代の人がプレイすると大きな衝撃を受けることになるだろう。(ある意味禁じ手を使っているのでYU-NOはずるいかもしれない……)
もし、YU-NOが現在のクオリティで開発されリメイクがあったらどうなるか?おそらくぶっちぎりの神ゲーになるのは間違いない。しかし、PCの初回版は倫理的な観点から現代では法律上完全リメイクは不可能と思われる。SS版ですら問題ありかもしれない。また、地震が起きるシーンが多く、これがもしかしたら東北大地震もあってリメイクに歯止めをかけた原因のひとつなのかも?またはWikiにあるように「菅野とエルフの確執」があったとすれば、それを未だに引きずっている可能性もある。……菅野ひろゆき氏は永眠されました。御冥福をお祈り致します。
リメイクがなくても、最新のWindowsに対応したものであれば(規制によりカットや変更があるだろうが)DMMでのダウンロード独占販売の可能性はあると思いたい。(あくまでも希望的観測)
多少ネタバレを含む感想になるが、劇場版天地無用!を思わせるような設定が随所に見られた。どちらも96年ぐらいの作品となるので、影響を受けたのがどちらであるかは分からないし、あるいは全く関係ないかもしれないが。
(YU-NOの方が設定の作り込みは上)
開発時、世紀末だったことを考えると終末思想が含まれるのも頷ける。(異世界編で北斗の拳に類似した展開あり)
余談としてヒロインのひとり、神奈はエヴァの綾波レイに少し似ていた(部屋が殺風景だったり親父をバカにする主人公をはたくなど)が関連性は不明。レイとは別の非常にショッキングな事情を抱えた女の子だった。
A.D.M.Sというシステムはその後のギャルゲー「MissingBlue」にも似たものがある。シナリオ・構成においても突然主人公の日常が異世界に変貌するなど、今思うと影響を受けていると思われる部分があった。(注意:ワタクシ個人の意見)
意味もなく人とぶつかって遭遇するなど昔を感じさせる適当な箇所もあるがギャグとして容認できれば問題のないレベルではなかろうか。欠点として挙げられるご都合主義的展開については、WHITEALBUM2でも外国でのかずさとの再会シーンが十分にご都合主義だったと思うし、物語として面白くするには必要不可欠なのだから、それを責めるのはお門違い。また、画面をクリックして調べたりできるわけだが、この細かいところでも面白い要素が詰まっている。例えばファミレスでガラステーブルになってて、前に座る女の子のパンツが見えてたりするが、何度もクリックするといきなり頼んでもいないのにコーヒーが運ばれてきてパンツが見えてる場所に置かれて邪魔をされたりする。
グラフィック面においては、女性の脚(あし)がとても美しい。あそこまで脚をキレイに表現している美少女ゲームは最近ではまず見られない。(顔ばかりが可愛く描かれててカラダのラインが歪な美少女ゲームが多い)とにかく原画の段階で素晴らしいと思う。(個人的にINO氏のようなリアルタッチな原画が好きなせいもあるが……)
SS版が高得点になる要因として豪華声優陣がある。
主人公の親父がエヴァのゲンドウだったり、学園の校医がラーゼフォンの遥だったり、学長がメタルギアソリッドのスネークで異世界のオアシスで出会う女性が天地無用!の阿重霞だったり……。今プレイするからこそ余計に豪華に感じられる。
仮に音声がなくても内容的に十分100点。なので、豪華声優陣であることを含めると神ゲーと言わざるを負えない。
現段階ではこのゲームを楽しむ方法はニコニコ動画でプレイ動画を見るのが一番早く、ストレスも感じずに済む。まともにプレイすると今のADVゲームと比べて難解な上にミスをするとやり直しに時間を要するので、それはオススメできない。