総合的な完成度は7点程度ですが、個人的な好みで8点を付けます。
13時間45分で2周目プレイを完了(二刷り)。本作のストーリーテンポは全体的に緩やかで、プロットも比較的平坦です。このため共通ルートはやや退屈に感じられ、意図的にバッドエンドを描いたとされる4つの個人ルートでも、茜と夏希以外はあまり共感できませんでした。
茜ルートはキャラクター設定と物語の焦点が私の好みにぴったりで、このルート単体なら9点を付けられます。夏希ルートは典型的な幼馴染みものという陳腐な設定ながら、雰囲気作りが良かったです。ただし回想シーンでのバッドエンド展開は都合主義的で、明らかに駄作でした。
久音ルートはバッドエンドになりかけておきながらグッドエンドへの転換が不自然で笑ってしまうほど。琥珀ルート後半の「人VS鬼」バトルは作風が急変し、戦闘シーンを意図したようですが一刀で決着がつくのは安直すぎます。Hシーン挿入のタイミングも散々で、各キャラ1シーンだけなのが幸いでした。
True Endは本作最大の欠点です。各個人ルートの伏線を敷きながら、肝心の本体が個人ルートより短く、多くの要素が詰め込みだけで終わっています。5人のシナリオライターが開発期間に追われたためでしょうか。ただしキャラ崩壊がなかったのは意外でした。
BGMの質は素晴らしかったです。