Guilty製品の中でも異例の傑作、淫靡系として見てもトップクラス、母モノとしてみたら珠玉の一品。原画のOMEGAT氏の非アニメ調(似劇画調)の絵柄が印象的で逆神喧云氏のテキストと相乗して絶妙のバランスを醸している。惜しむらくは完成度の低さ、典型的エロブランドのGuiltyでは致し方ない所だがテーマと切り口は良かった物の描ききれていない。
はい、毎度おなじみの白井綾乃儲です。
白井嬢の経歴からしても上位に位置するであろう名演技ぶりが窺える一品です。
他の方々も名演技で萌え路線の欠片も感じさせない熟練っぷりです。
エロゲ声優四天王といっても過言ではない面子は本年度ベストバウト賞を与えて良いかと思います。
OMEGAT氏の絵柄は大変魅力的なのですが、質に開きが見られる事が多いのでその辺りは改善して欲しい所です。
漫画では許される範囲でしょうが、一発勝負のイラストやエロ原画としては致命的です。
狙った(頼まれた)構図や絵よりも感性で描くと活きるタイプなのでしょうか?
シナリオ、というかテキストは悪くありません、というか良い部類に入ると思います。
独白シーンも良い感じですし、心理描写や設定も悪くありません。
ただ、展開だけは・・・二流エロ漫画クラスです、他は一流品なだけに残念です。
この辺りはGuiltyの即物的エロさと逆神喧云氏の理屈っぽさの反りが合わなかったのでしょう。
選択肢も妙に少なく、流されている感が高いのも評価の下がる要因でしょう。
愛子シナリオでは母子の絆が最終的に描かれている物のなんでSEXで確かめ合う訳?と問い詰めたくなる展開です。
フロイトのエディプスコンプレックスに基づく物なのか、または母子モノのエロゲー故なのかは分りませんが、義母(かあさん)が必要なんだ→SEXという流れはこの程度のシナリオでは容認し難い所です。
普通のエロゲならば、母である前に女性という方向で攻めるのですが、本作はあくまで母として(中途半端に)結実します。
真に母子モノとして描きたかったのならば、Endingからさらに肉欲に溺れるなり何なりして、一歩踏み込んだ結果を見せるべきだったと思います。
義美シナリオはインモラルなゲームとしては丁寧な作り、主人公をテーマの渦中におかず上手く視点を客体化できた所が成功の要因だろう。
程度の低いTVのコメンテーターでは無いが、異常性欲という物は一般概念からかけ離れ、病気と定義してしまった方が理解し易いのだなと思った。
他は、どうでも良い出来。
るいシナリオは壊れっぷりは良いのだが肝心のエロが薄めで残念、折角の白井なのに・・・
最終的には「これなんて二時間ドラマ?」という展開に辟易。
華緒理BADは流れとしてはアリだけど、描写が淡白過ぎ。
ハーレムENDはエロシーンを纏めただけという感が拭えない、
全てのシナリオに言えることだが、主人公は一人一回というか、エロに連続性が無い、淫蕩さを描くにはある程度の連続性は必要かと思う。