イメージ先行、メディアミックスの申し子、ギャルゲーブーム幕引きの立役者とレッテルを貼ればきりがないであろう時の作品。作品そのものについては語るべき点は少ないがギャルゲーブームの時流を語る上では避けては通れない作品だろう・・・
センチの残した傷跡は深くシスプリ、ハピレスとメディア先行型の作品は後を絶たない。
しかし、この時、旅行物とギャルゲーになんらかの親和性があったのか「北へ」「みちのく秘湯恋物語」「風雨来記」「お嬢様特急」「ユーラシアエクスプレス殺人事件(マテ」と本作もコンセプトは時流に乗っていて良かった様に思える。
惜しむらくは地域性を売りにすべき所なのに、地域性が地名と絵葉書の様な背景ぐらいしか見当たらず方言、ウンチクの一つもでてこない点であろう。
移動手段における、時間と値段と体力を考慮にいれつつのスケジュール調整という仕様は意外に練られており同時攻略という事を念頭におけばそれなりに楽しめる作りであったと思う。
単独攻略だとなんの面白味もないわけだが・・・
また、東京(本拠地)の意味が薄く、学校に通えれば良いというだけなので帰りのスケジュールまではそこまで考えなくてもいいという点もゲーム性を甘くしてしまう欠点だろう。
よって東京の学校に恋人ないしは想い人がいて、学校でもイベントが起こるという設定にしておけば帰る意味も生まれてきた様に思う。
しかし、世間的には悪名のそしりを受けていてもセンチファンはあまり後悔しておらず“せつなさ炸裂”を合言葉に想い出が美化されているらしい。
この点はシスプリ信者が後に夢から覚める事例が多い事とは異なりまさしくセンチメンタルグラフティである。
余談だが、OVAの「センチメンタル・ジャーニー」が意外と出来が良く、タイトルが某アイドル伊代を意識した物かどうかは定かではないがメディアミックスとしては大変優秀な作品だった。