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twilightさんの鈴宮刑務娼館の長文感想

ユーザー
twilight
ゲーム
鈴宮刑務娼館
ブランド
ALICESOFT
得点
67
参照数
0

一言コメント

単位時間あたりの満足度は他を圧倒するほどのコストパフォーマンスの良さ。理解し易い愛憎劇、葛藤。陵辱物でありながらも嫌を抱かせない絵柄とほど良いシチュエーション。ただ漫画家 浦沢○樹氏の様に才能によるサジ加減によってお手軽感を演出しているのではなく、ライターである永沢壱朗氏のサガであり才能の限界という面が無きにしも非ずという点はあるが原画 村上真、シナリオ 永沢壱朗のコンビはある種鉄板なので陵辱物に対する耐性の有無を量るには最適な作品でしょう。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

各シナリオの帰結の仕方が悲恋というか大団円的、安直なHappyENDではないので単純な娯楽作品と言い難いのが読後感の後味を微妙に悪くしているのが・・・
大作、長編物ならば良いと思うのだが、短編物で読後の後味が爽快ではないというのは個人的にいただけないと思う。
しかし、これは主人公を雅人として捉えた場合の見方であり、雅人はあくまでも鈴宮刑務娼館を映す上でのフィルターだと見ると哀しい帰結は妥当と言える。

Endingはどれも中途半端というか描写不足で蜜子のみが一応、便宜的に、終結をみせてはいる。
瑞希ENDは蜜子Normalといった感だし、さゆりENDに至っては報われなさ過ぎ・・・
透子BADも蜜子BADと置き換えられるし、麗華BADは鬱過ぎる・・・麗華ENDも、これBAD?という終わり方。


個人的には他社ではあるが村上真、永沢壱朗コンビの真骨頂とも思える『楔~くさび~(Dark Side)』をオススメしたい。