マジで隠れた名作だね。想いが強すぎてめっちゃ長文ですが・・・御用とお急ぎで無い方はどうぞ
織永成瀬 いま振り返れば、最終兵器彼女っぽい終盤だったなぁ。終わる世界、2人で海辺の宿・・・
埴島珠季 終盤に2人の世界を作り変えた言葉は・・・「好きだ」だと言う、正解は「ありがとう」
Endingで「ありがと」と出るあたりから正しくは中盤「ありがとう」終盤「ありがとう」END「ありがと」の三段オチ
終盤だけ「好きだ」に変えてある、当然椎子シナリオのベルトホルト話で語られる「情報伝達における誤りの発見と修正」の布石であり、回収、であり、確認。しかし、これまた最終兵器(ryに似ているなぁ。
真壁椎子 本作のキーシナリオ、ここでベルトホルト物語の「情報伝達における誤りの発見と修正」読む事で全シナリオの正しい読み方を理解する事ができる。
ここで恋愛ドラマに気を取られてスルーしてしまうと痛い。
三條美凪 恐竜⇒絶滅種=人外知的生命体?クリアフラグが最初からは立っていない点を考えると椎子で語った作品全体にかけたトリックの再提示役といった所か?
成瀬、珠季をクリアしていて椎子が最後だと間が開いてしまっていて、トリックに気付かない恐れがあった為の念を押すためのシナリオだろう。
バックギャモンやパーティジョイやったり、ねるねるねるねが出てきたりと中だるみしないよう笑わせつつもテーマを認識させようという重要なシナリオ。
御陵透子 多くを方語らない者が一番多くを語るっていうのは美学だよな~。現実ではそんなこと無いけど・・・
まぁ、冷戦が終結していない、カトマンドゥで核爆という歴史からして透子と関わったが故のダミーな世界なのか、元からそういう世界設定なのかは謎な所、前者が濃厚だが。
本編(誤)Epilogue(正)The end of the world(正)でしょうか、他のキャラが本編(正)Epilogue(誤)The end of the world(正)という流れからすると例外的な存在だと思われる。
しかし、思惟生命体シナリオの流れでいくと美凪が直弥の半身の可能性が高く、あんなにさらりと流されていていいのだろうか?と思ってしまう。
さらりと流せる程ライターは大人だということなのだろうか?
塔馬依子 選ばれし者(一族が憑依していく者)と選ばれなかった者(一般人)との差を攻略キャラに入れる事で明確にしたかったのだろうか?駄菓子ネタが濃い。
Epilogueまでしかないので物足りなく感じるが、依子がいないと世界が狭くなるのでこれはこれでありだろう。
飛鳥井慧子 誰かいませんか?寂しいです、お話しましょう。
いきなりガツンとやられた、本作でのタイトル通り?の他者とは相容れない孤独というテーマを直球で投げてきたようなテキストだ。
締めはちょっと珠季に似ている部分があるが、EDテーマの「birthday eve」が一番しっくりくるシナリオで最後の締めに相応しいEndingだったと思う。
珠季はちょっとあの時点で完結している匂いがするし、珠季自身の補完が目的な珠季ENDと慧子の誕生という位置づけからしてbirthdayっていうのは慧子に相応しいかな。
総評、ソフト発売の方が最終兵器完結より早いので(連載はほぼ同時期)最終兵器が似ているという事になるのだが
全体としては結局、村上春樹的というか、ハヤカワノベル的というかそんな感じ。
布石が多く(といっても大きな石では無いので上手いッ!!と感じる程度なのだが・・・)駄菓子、とゲームソフト、ロリータおばちゃんネタ以外は大抵意図されたワードだと思って良いと思う。
タニシでさえ布石なのだから堂に入ったものだ。
しかし、折角キャラの攻略にフラグ立て(別キャラをクリアしていないと攻略できない)を利用しているのなら最後は全てを補完する作りにしてもよかったんじゃないかなぁ。
結局、別話というか、平行というか、ループ、既視感というか、主人公としてはどのキャラも能力の幅のわりには0に戻るわけで・・・これが初期値というネタ振りならそれはそれで参ってしまうのだが。
ベルトホルトの「右右右」「左左左」という確認をモデルとした「情報伝達における誤りの発見と修正」
これを全てのシナリオに当てはめて考えなければ普通の個別にHappyENDっぽくしただけの恋愛ADVにしか見えない。
まぁ、カロアと群論、オイラー定理とそれだけでお腹一杯になれるっちゃなれるのだが・・・
主人公、直弥の能力が「演算」だったり、「バタフライ効果」 だったり、「触媒」だったりして表記が一定では無いが大まかには同一の物として捉える事ができる。
というか、上記の順で攻略していくと直弥の能力を拡大解釈していく様な形となっている。
まぁ、珠季は良く分からないが多分チューリングマシンでは無いけれども超演算能力による人工知能みたいな物か共生かのどちらかだろう。
上記の順でと書いたが、ライターも上記の順でストーリーを構築していったと思われる。
特に後半はフラグ管理が成されていて理解しやすいのだが、美凪がお笑いシナリオに見えてキーキャラであるという事実だ。
鬱が入る唐突なEpilogue群は美凪シナリオでの思惟生命の怨念ネタで説明がなされていると思う。
成瀬は能力を発現させていなかった直弥の身代わりとして死んだ(思惟生命に殺された)と考えるのが妥当だろうし、珠季は自己の力(思惟生命の力)が直弥に無意識的に向くのを防ぐための反動と考えられる。
椎子は例外的だが、ベルトホルト時代に能力を使うため同調したので第二の半身としての位置づけがなされたと考えて直弥に対する葛藤は無かったものの
多くの人が死ぬので自分は死ななければならないという直弥の思案は、過去における罪の意識からくる幻想なのか、演算による未来予測なのかは判断が付かないが、そのどちらかからか来る苦痛を椎子の能力によって折半する事により命を取り留めたというオチだと思う。
美凪は半身なので思惟生命の能力が主人公へと向く事も無く、額面通りに受け取って良い話だと思う。
透子は美凪シナリオを読んでいると理解が早いが、自同律、私が私であること、を崩す決定打が直弥が“あの人”を失う原因を作ったという理解に共生する事で到達してしまった為に生まれたのではないだろうか?
sacred wordsとbirthday eve・・・本作はやっぱりゲームのテーマをしっかりと伝えられる、まさにテーマソングを作れるエロゲーという業界は音と映像の総合メディアとして優秀だなぁと思える一品。
アニメや映画はタイアップ色が強すぎるし、コンシューマーは歌唱力とサントラ化を意識する為、あまり冒険できないし、I'veに感謝。
どっかの会社が、バックログ、既読スキップ、フルボイス化でリメイクしてくれないかなぁ。
ほんとエロゲ業界って焼畑だなー、焼畑は十数年でまた使うかもしれないが・・・エロゲメーカーなんて十数年モタネー('A`)
コンシューマーだとジャレコだとかテスノスジャパンだとかのソフトが再販されたりするがエロゲは駄目なのか?
しかし、長いな・・・まぁそれくらい語れるキャパがあるゲームという事にしておこう。