百合ゲー。コミカルとシリアスのバランスが心地良い、良テキスト。凡百のゲームが搦め手やあざとい手法で愛を語るのに対し、百合なだけに直球(ライジング気味)を放られた感じ。のけぞりつつも、すげぇ球投げてきたなぁと感心。
薦め方が極めて難しい。
泣けるでも、抜けるでも無い、エロゲーとしては致命的ではあると思う。
しかし、私は寺山修司に近い気がしている、うまく言えないが心のどこかを刺激する作品ではあると思う。(百合属性とかそういうのでは無い・・・・・・・・・・・・と思う)
着眼の勝利というか、数多のエロゲーが恋愛ドラマを描こうとしてきたが、主人公の恋愛観が幼稚でドラマティックな恋愛を支えきれていない事が多く、読むに耐えうる硬質な恋愛劇を描く事を放棄し、幼稚な恋愛観の主人公によるヤリゲーに終始する中で(まぁ、5人も6人も同時攻略する人物が成熟しているはずも無いのだが・・・)
●学生で百合という設定を十二分に発揮し、稚拙な恋愛をリアルタイム(等身大)の物へと昇華している。
惜しむらくは、ハーレムエンドにおける投げっぱなし感だろう。
やはり、恋愛とハーレムは対極に位置するのだろうか、読了後は個別シナリオで盛り上がった心が沈下していく。
ハリウッド映画でもエンディングでは気分を落ち着かせるシーンを出してくるので、これはこれでいいのかも・・・と自分を慰めるしかない_| ̄|○